川西市内の中学校に設置されている自動販売機。
メニューが水やお茶などに限定されていましたが、明峰中学校では生徒会の動きで、川西市発祥の三ツ矢サイダーなど、メニューを増やした販売が始まりました。
販売にあたっては、生徒会が生徒総会でアンケートを取り、学校側の要望を聞くなど、生徒が自分達でルールや販売飲料を決めました。
1. 今回の取り組みについて
川西市内の全中学校で、今年の3月から自動販売機が設置されています。
設置当初はお茶、水、スポーツドリンクのみの販売でしたが、明峰中学校では、購入数が少ないと聞いた生徒会が動き出し、川西市にゆかりのある三ツ矢サイダーなどを含めた販売する飲料のリニューアルに向けて活動を続けました。
その結果、7月中旬から実際に販売される飲料が増え、リニューアルされました。
販売する飲料については、生徒会が生徒総会を通じて全校生徒にアンケートを取り、「アレルギーの問題があるので乳製品は販売しない」「地域の方にも利用してもらえるようにコーヒーなどの飲料も入れる」といったような学校側の意見も聞きながら決定しました。
また、販売にあたっては、生徒が自分達で「授業中はジュースを飲むことは禁止」、「帰り道に出たペットボトルなどのゴミは家まで持って帰る」などのルールも定めました。
6月末ごろに生徒総会で意思決定を行ったあと生徒会による調査が行われ、7月初旬に学校側へ調査結果を提出。
学校側もすぐに業者に掛け合い、7月11日のリニューアルにつながりました。
販売飲料のバリエーションが増えたことで、生徒や教職員だけでなく、保護者や地域の方も今まで以上に自動販売機を利用しており、取材した7月18日時点では、ジュースなど新たに販売された飲料はすべて売り切れているなど、すぐに効果が感じられる結果となっています。
2. 生徒会役員と教師たちの声
生徒会長の圓城寺悠人(えんじょうじ ゆうと、明峰中3年)さん、副会長の山中貫示(やまなか かんじ、同3年)さん、菊池紗良(きくち さら、同3年)さんは、
「生徒からも要望があったし、自動販売機の設置事業者さんから、購入数が少ないと撤退の可能性もあると聞きました。もともと水やお茶だけで、スポーツドリンクもあったが部活動の生徒に限定されていたし、利用者は少ないだろうなと思いました。Microsoft Formsを利用してアンケートを作成し、全校生徒にQRコードを配布したところ、約300人の生徒から回答があり、調査をまとめて、先生に提出しました。希望が叶ってよかったし、他の生徒たちから嬉しい、買いに行こうと聞いて、自分たち生徒会が動いて、みんなの声を生かすことができるんだと思いました。3人で進めてきた達成感があったし、やってよかったです。明峰中学校のスローガンである、「自らを律する、他人を思いやる、生徒が主体の明峰中」を生かすことができたと感じています。」
などと話しました。
また、同校教頭の北口和彦(きたぐち かずひこ、48歳)さん、生徒会担当で3年担任の根岸聡(ねぎし そう、32歳)さんは、
「本当に生徒だけの動きでほとんどが進みました。アンケート集計など、生徒たちはパソコンも堪能で、学校側からは缶はやめよう、といった要望を伝えただけです。自分たちが守るべきルールのなかで、自分たちの自由を勝ち取ったと思います。全校生徒のこうしたい、という思いを広げて、自分たちの手で学校のルールを変えたことは大切で、頑張れば自分たちの意見を通すことができるんだという期待感にもつながります。今回の取り組みは全校生徒にとってプラスのことだと思っています」
などと話しました。