イベント概要
・開催概要:鳥取県栽培漁業センターの研究員と海の生き物の勉強会実施
・日程:2024年7月17日(水)
・開催場所:鳥取県栽培漁業センター
・参加人数:小学生23名及び教職員2名
地域の海の生き物とのふれあい・勉強会
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(公益財団法人鳥取県栽培漁業協会)では、泊小学校の総合学習として3年生を対象に、「泊の海の生き物と環境を見て・触れて・学ぼう」をテーマとした学習プログラムを行うことで、小学生自身が地元泊の海の現状を学び、海(特に藻場)の環境に目を向ける意識を育めるよう支援しています。
今回は藻場の消失の現状や原因について、生きたムラサキウニを手に取りながら学んだ事前学習の経験を踏まえ、ウニだけに限らない泊の海の生き物の多様性を感じてもらうために、鳥取県栽培漁業センターの協力のもと、同センターでの体験学習「①地域の海の生き物とのふれあい・勉強会」「②魚の餌やり体験」を実施しました。
地域の海の生き物とのふれあい・勉強会では、実際に泊の海で生きる多様な海の生き物のタッチングプールが用意され、児童たちはウニを含めた泊の海の生き物を実際に目で見て、触り、鳥取県栽培漁業センターの研究員のお話に熱心に聞き入りながら、タッチングプールにいるたくさんの海の生き物の正式な名称を次々にメモをとっていました。
研究員がムラサキウニを手に取り、「この生き物の名前は何?」と聞くと、児童から一斉に「ムラサキウニ!」との回答があり、児童の中でもムラサキウニに関する理解が進んできている様子が見て取れました。その中で研究員から、「今までの勉強で、ムラサキウニが大量発生していることが問題になっていることは知っていると思うけど、ムラサキウニ自体が悪者なのではなく、海の生態系が変わってしまってきていることが問題で、ムラサキウニは精一杯生きているんだよ」というメッセージも伝えていただき、児童たちに海で今、起きていることの難しさを感じてもらいました。
魚への餌やり体験 今後の運び
鳥取県栽培漁業センターは、鳥取県中部の湯梨浜町石脇に位置しています。施設では巨大な水槽でキジハタやヒラメ等の稚魚を育てている他、現在、鳥取の海で大量発生し、海藻を食べつくして問題となっているムラサキウニの駆除事業への指導及び効果把握調査などが行われています。
タッチングプールでの海の生き物とのふれあい・勉強会の後、同センターの研究員より、マサバやギンザケ等が飼育されている外の水槽を案内され、水槽の中で育てられている海藻の一種アカモクにも実際に触れて、藻場の現状について説明を受けながら、魚の餌やり体験を行いました。
餌やり体験の終了後、児童からは「今日見て、触った生き物以外にも泊の海には生き物がいるのか」「イソギンチャクは何種類くらいいるのか」等、鋭い質問が飛び出すなど、地元の海や藻場に関する興味がさらに出てきた様子でした。
今後、「実際に泊の海で生き物を見てもらう」「泊の藻場にいる生き物(ウニ等)を食材とした学校給食を食べてもらう」等を行うことにより、ムラサキウニの大量発生による藻場消失の現状について、そして豊かな海の環境の大切さについて五感で学べるような学習プログラムを進めてまいります。
参加した子どもからの声
・鳥取県栽培漁業センターで、たくさんの海の生き物に見て、触れることができて楽しかった。
・今度、実際の泊の海に行くことが楽しみ。
<団体概要>
団体名称:鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会
(公益財団法人鳥取県栽培漁業協会)
URL:
http://tottori-bluecarbon.jp/
活動内容:公益財団法人鳥取県栽培漁業協会、鳥取県漁業協同組合、鳥取県、農林中央金庫らが官民一体となり、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に鳥取の豊かな海を取り戻すことを目的に活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。