☑︎業務提携の目的
SaMDを含む臨床エビデンスに基づいた健康・医療サービスの普及は、日本ではまだ発展途上です。AI技術を活用し、スマートフォンなどの様々なデジタル機器から得られるデータを用いた「AIバイオマーカー」を利用するソフトウェアサービス(SaMD、Non-SaMDを含む)の開発は、従来の医療機器と異なる多くの課題があります。
特に臨床開発においては、GCP※に基づいたデジタルバイオマーカーの収集や、臨床的に意義のある評価基準の設定、医学的に評価されたデータに基づくAIの学習、医療サービスとして求められる精度の担保など、医療の場で使用されるサービスとして様々なポイントを考慮する必要があります。またパーソナルデータをセキュアな環境下で管理・活用するための通信・流通システムも不可欠となっています。これら全体をマネージして実現するプレイヤーはこれまで僅少でした。
一方、臨床エビデンスに基づくソフトウェアサービス(SaMD、Non-SaMDを含む)への社会的ニーズは年々増しております。本業務提携により、医療市場だけでなく健康市場も含めて、消費者に安心して利用いただけるソフトウェアサービスの開発や社会実装、ひいては新たな市場の形成や開拓の進展が期待されます。
今回の業務提携によって両社の強みを生かしてこれらの課題に対処し、高品質で臨床エビデンスに基づいたAIサービスを迅速に開発できる体制の実現を目指します。
※GCP(Good Clinical Practice):医薬品の臨床試験の実施の基準を定めた省令
☑︎両社の取り組み
ExaMDは、エクサウィザーズから健康・医療領域のAIプロダクト・サービスに関する事業を継承し、2024年2月にエクサウィザーズの100%子会社として設立しました。特にマルチモーダル(音声、動画像など)の処理技術に強みを持っています。
第一弾として、会話音声AIを活用した認知症診断支援のプログラム医療機器(SaMD)や、認知機能の測定ソフトウェア(Non-SaMD)など、認知症を切り口として健康・医療の双方の市場に向けたAIサービスの開発を進めています。
今後、SaMDの開発を視野に入れた、製造販売業の業許可取得や臨床試験の実施機能、通信・流通機能の構築などに取り組んでいきます。ExaMDが得意とする生活行動に関連したAIバイオマーカーを用いて健康状態や健康リスクを検知・予測するAIサービスの開発・販売に関して、自社のみならず様々なパートナーシップの構築も含めて積極的に進めてまいります。
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器などの海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。
また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC(Personal Health Value Creator)の展開を目指しています。SaMD開発における開発戦略・薬事コンサルティングから臨床試験のオペレーションなどの開発段階における横断的な支援をしています。
【シミックホールディングス 会社概要】
会社名 :シミックホールディングス株式会社
所在地 :東京都港区芝浦1丁目1番1号
設立 :1985年3月
代表者 :代表取締役CEO 中村 和男
事業内容:CRO事業、CDMO事業、Market Solutions事業、Site Support Solutions事業、Healthcare Revolution事業
URL :
https://www.cmicgroup.com/
【ExaMD 会社概要】
会社名 :株式会社ExaMD
所在地 :東京都港区芝浦4丁目2−8 住友不動産三田ツインビル東館5階
設立 :2024年2月
代表者 :代表取締役 羽間 康至
事業内容:健康・医療分野における社会課題解決を目的とした、マルチモーダルAI技術を用いたプロダクトやサービス等の企画・開発・販売・アライアンス(プログラム医療機器を含む)
URL :
https://examd.com/
【エクサウィザーズ 会社概要】
会社名 :株式会社エクサウィザーズ
所在地 :東京都港区芝浦4丁目2−8住友不動産三田ツインビル東館5階
設立 :2016年2月
代表者 :代表取締役社長 春田 真
事業内容:AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
URL :
https://exawizards.com/