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第787回メインセールオークション 落札結果
本オークションでは、洋画、日本画、現代アートなど多様なジャンルの中から厳選された約270点の貴重な作品が一堂に会し、活況な競りが繰り広げられました。
国内外の多くのお客様にご参加いただき、セール全体を通しては、落札総額約9億5300万円の好結果を記録しています。
▼落札作品 一例
松本竣介「黒いコート/浴衣の婦人(両面作品)」(9200万円で落札)
藤田嗣治「母子像」(7130万円で落札)
オーギュスト・ルノアール「南仏風景」(3680万円で落札)
他に、マリー・ローランサンやベルナール・ビュッフェ、東山魁夷、伊東深水、草間彌生なども人気を集めました。
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松本竣介「黒いコート/浴衣の婦人(両面作品)」
落札額首位となったのは、松本竣介「黒いコート/浴衣の婦人(両面作品)」でした。
過去には東京国立近代美術館や岩手県立美術館などの名だたる展覧会で紹介されてきた本作は、今回のオークションでも大きな注目を集めました。オークション当日は複数の入札で競り上がり、最終的には国内の篤志家コレクターの方が落札。
エスティメート4000~6000万円に対し9200万円で決着、公開型オークションにおける松本竣介の落札レコードを大幅に更新し、同画家史上最高額で落札されました。
黒い毛皮のコートに身を包み、無表情に画面のこちら側を見つめる女性。凛とした美しさをたたえたその姿は、深紅の背景や意味ありげな両手の仕草によって、神秘的で名状しがたい迫力をひそかに帯びています。
松本が熱心に研究していたとされる藤田嗣治の影響を感じさせる顔の造形や、彼の同時期の女性像では見受けられない手袋の表現などから、本作を画家にとって一つの実験的な試みと位置づけることもできます。
またキャンバスの裏面には、未完と思われる「浴衣の女性」が描かれています。細長い顔や首の輪郭は、一見して松本が私淑したモディリアーニを思わせる様相です。和装の女性という題材は、都市風景やモダンな洋装の女性を描くことが多かった松本の油彩作品としては大変珍しく、こうした点からも、本作は松本竣介の画業を知るうえで、重要な作品の一つに数えられるでしょう。
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毎日オークションについて
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私たちは、すべての人と世界をアートでつなぐ「架け橋」となり、文化的で豊かな社会の実現をお手伝いします。
※2024年3月 『月刊美術』 「2023年美術品競売12社落札総額シェア率」参考