効率的、高純度、低コストのリチウム回収技術を持つLiSTie株式会社(本社:青森県上北郡六ヶ所村、代表:星野 毅、以下「LiSTie」)は、シードラウンドにて、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社 (UMI) を引受先とする第三者割当増資により1.5億円の資金調達を実施しました。加えて、文部科学省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)の核融合分野 “核融合原型炉等に向けた核融合技術群の実証”にて、交付額上限15億円で採択されたことをお知らせします。
LiSTieは、溶液からリチウムのみを選択的に回収する技術、イオン伝導体リチウム分離法「LiSMIC(Li Separation Method by Ionic Conductor)」の実用化を目指す、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)発のスタートアップです。低CO2社会の実現に必要なEVや再生可能エネルギーへの転換が図られる中、電気を効率よく貯められるリチウムイオンバッテリーの需要が高まっています。加えて、将来のエネルギー源として期待される核融合技術においても、燃料製造にリチウムが必要です。LiSTieは、使用済みリチウムイオンバッテリーや塩湖などから、リチウムを効率的、高純度、低コストで回収するLiSMIC技術により、リチウムのリサイクルと安定供給に貢献します。
LiSTieは調達資金により、LiSMIC技術のPoC実現、国内企業や海外の大手リチウム製造企業への試験導入を目指します。5年後の実用化に向け、スケールアップ開発を行い、ベンチプラントによる実証を計画しています。
イオン伝導体リチウム分離法「LiSMIC(Li Separation Method by Ionic Conductor)」
LiSMIC技術は、ワンパスにて電池原料の水酸化リチウムを99.99%の純度で直接製造する事が可能です。従来のリチウム回収方法と比べ、炭酸リチウムを介さず製造でき、効率的、高純度、低コストでリチウム回収ができます。アプリケーション展開として、廃リチウムイオンバッテリーや塩湖等のリチウム資源へリーチします。
文部科学省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)について
SBIR(Small /Startup Business Innovation Research)は、スタートアップ等による研究開発を促進し、その成果を国主導の下で円滑に社会実装し、我が国のイノベーション創出を促進するための制度です。
文部科学省では、中小企業イノベーション創出推進基金を造成し、宇宙、核融合、防災分野を対象に、社会実装に繋げるための大規模技術実証事業(フェーズ3事業)を実施する場合に、その経費の全部又は一部を補助することで、我が国におけるスタートアップ等の有する先端技術の社会実装の促進を図ることを目指しています。
文部科学省 中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)核融合分野の公募選定結果について
https://www.mext.go.jp/content/20231013-mxt_kaisen01-000028970.pdf
文部科学省SBIRフェーズ3基金(Small Business Innovation Research)
https://www.mext.go.jp/mext_02308.html
ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社(UMI)について
UMIは、「優れた素材・化学企業の育成を通して、日本の技術力を強化し、世界に通用する産業構造を醸成する」というビジョンの下、日本企業やアカデミアが保有する、将来の産業の礎となるような優れた素材・化学分野における新技術・事業への投資活動を行っています。
LiSTie株式会社について
LiSTie(リスティー)は、地球上に散らばるリチウムを集め、地球課題であるエネルギー問題を解決することを目指す企業です。我々はいま、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギー転換を図らなければなりません。そのため、電気を効率よく貯めるリチウムイオンバッテリーが大量に必要です。加えて、将来のエネルギー源として期待される核融合技術においても、燃料製造にリチウムが必要となります。しかしながら、このままのペースでリチウムが消費されていくと2040年代には枯渇する事が危惧されています。そこで、私たちの技術を使ってリチウムを今よりも効率良く、低環境負荷、低コスト抽出を実現する事によって、現状のリチウム生産と併せてリサイクル技術にも適用していくことを提案します。
LiSTie株式会社 代表取締役 星野 毅
【会社概要】
社名:LiSTie株式会社 (リスティー)
本社所在地:青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字野附1302番8
代表取締役:星野 毅
事業内容: LiSMICユニットの製造・販売
設立: 2023年7月