認定NPO法人 皆繋(みなつなぎ)(山口県下関市、代表理事 林 陽一郎)は、日本財団「子ども第三の居場所」事業の助成で運営している子ども・子育て支援の拠点「ICS垢田家」において、2024年8月31日(土)、「垢田家 こども夏祭り」を開催いたします。
この祭りは、市内子ども食堂「テラノダイドコ」(下関市幸町にある法福寺を拠点に2022年8月に発足した、中高校生の子どもたちが主体のボランティア団体)で活躍する中高校生に企画から参加してもらい、一緒に自分たちが叶えたい夏祭りを考え企画運営します。大人が企画し提供するイベントではなく、子どもたちが主体になって創り上げることで、子どもたち1人1人の声を大切に、居場所を自ら創造する意識を向上させることを目的として開催します。
「夏祭りでどんなことがしたい?」1人1人の子どもの”やってみたい“の声を大切に
子ども食堂「テラノダイドコ」では、数か月に一度参加者の子どもたちと共に食事をつくり、その後「お楽しみ会」で楽器演奏などの催し物を開催しています。どのようにすれば参加者みんなで楽しめる居心地の良い居場所になるか、自分たちのできることで喜んでもらえることはどんなことがあるかを、大人の知恵を借りながら自分達で考え企画運営をしています。その中で培った力を生かして、「垢田家の子どもたちが作り上げる夏祭りのサポートをしてほしい」と考え、本企画を依頼しました。
本番を含め5日間、テラノダイドコの中高校生と企画会議をすることにしました。当居場所の利用者は日によって違うため、企画会議に参加できない子もいます。まずは子どもたちがどんな夏祭りがしたいか子どもたちに書いてもらうことにしました。子どもたちは、やってみたいことや食べたいものなど思い思いに意見を出しました。
「こどもまんなか」で自由に声があげれる環境の提供
企画会議に出席できない子どもたちの意見をもとに、いよいよ中高校生との企画会議1日目(6月22日)が始まりました。初めは見慣れない中高校生を目の前に、少し緊張した様子の垢田家の子どもたちでしたが、中高校生が子どもたちの意見を上手に引き出してくれました。おかげで子どもたちは遠慮することなく自分の思いを言葉にすることができ、みんなで夏祭りの内容を決めることができました。
2回目の企画会議(7月13日)では、決まった内容をより詳しく話し合いました。ゲームのルールはどのようにするか、準備するものや作らなければいけないものは何かを話し合いました。次回3回目の話し合いまでに何を準備しておくかも確認し合いました。
「自分たちの居場所は自分たちで作る」自主性を育む大切な経験
現代の子どもたちは学校・家庭以外での交流が昔と比べ少なく、他者とのコミュニケーションを学ぶ場は減少傾向にあります。また、かつての子どもたちは、空き地や自然の中で居場所を自分たちで作り、子ども同士のコミュニケーションの中で自主性や協調性、創造性、コミュニケーション力が自然と育くまれていました。しかし現代は、子どもが自由に使える場所も減り、大人から与えられた環境の中で育つことが多く、自発性が育ちにくい社会環境にあります。
垢田家では月に1回季節のイベントや地域団体との交流を兼ねたイベントを開き、体験の場をつくっています。昨年秋ごろから、子どもたちから「自分たちでイベントのゲームが企画したい!」という声が一部の子どもからあがり始めました。それをきっかけに、子どもたちが自主的にこの場所をより良い場所にしようという意識が高まっていくのをスタッフは感じました。合わせて、子どもの意見を信頼し尊重することで、子どもたちの本来持っている「成長する力」が発揮されることを痛感しました。どのような仕上がりになるかはお楽しみです。成功体験も失敗体験もすべてが経験値となります。「自分たちの居場所は自分たちで作る」という経験自体が、子どもたちの成長へと繋がると信じ、子どもたちの姿を見守り応援したいと思います。
本イベントも「非認知能力育成プログラム」の一環として
本所は2018年より子どもの非認知能力を育成する包摂的地域交流拠点として活動をしています。一方、提供する教育を高めようとする上で、高まった姿の具体や高めるための仕組み、効果検証をする評価スケールなどがなく、質自体が不透明でした。そこで、非認知能力に基づいた評価スケールと学習・生活支援とを関連付けて取り組む「非認知能力育成プログラム」を開発・運用しているところです。評価スケールとは「レジリエンス。失敗したことをくよくよ考えることがありますか」など、非認知能力を生活場面に当てはめ、その時の自身の状態を四件法で回答するものです。約半年に1回実施し、同時にスタッフによる第三者評価も行っています。それらの結果をもとに成果や課題をサービス計画書に記し、子ども・保護者・スタッフでの懇談で共有。一人ひとりの非認知能力の伸長に繋げています。現在、来所回数週1回以上の子、継続的な来所後「卒業」した子の結果について、入所時の基礎値と比べて直近の値が伸びていることが分かっています。
子ども第三の居場所 ICS垢田家 こども夏祭り企画実施概要(予定)
【企画会議】
第3回目:8月5日(月)(14:00~予定)
第4回目:8月7日(水)(14:00~予定)
【夏祭り当日】
●時間:2024年8月31日(土) 13:30~16:00(受付 13:00~)
●場所:ICS垢田家(山口県下関市新垢田南町1丁目11-11)
●内容:13:30~16:00(予定)
子どもたちが考えた、射的やサッカー的当てゲームなどの実施
かき氷やポテトの屋台、千本引き・ビンゴゲームなど催しを予定しています
●参加者:ICS垢田家を利用する子どもたち 25名程度、テラノダイドコさん5名程度、ボランティアさん5名程度
「子ども第三の居場所 ICS垢田家」とは
「ICS垢田家」は、子ども第三の居場所コミュニティモデルとして、2022年3月に開所しました。
「ICS (Inclusive Community Spot)」は、包摂的地域交流拠点を意味しています。小学生・中学生を主な支援対象としながら、子育て世代やシニア世代などさまざまな地域住民が相互に作用しながら支え合える、日常的な居場所を目指しています。スタッフ及びボランティアによる、子どもたちの「預かり事業」を展開し、学習支援や食事提供をすべて無料で実施しています。認定NPO法人皆繋が日本財団の助成を受け、下関市との三者協定によって運営しています。
施設概要
名称:ICS垢田家
住所:山口県下関市新垢田南町1丁目11-11
主な利用者:小学生~中学生(定員20名程度)
開所日時:月、金曜は午後3時半~7時半
土曜は午前11時半~午後7時
設備:多目的スペース、学習スペース、相談スペースなど
利用料金:無料
スタッフ:常時3名
(メンタル心理カウンセラー資格保持者・教員免許保持者・タクティール®ケアセラピスト資格保持者)
※保護者の方やご家族の子育てに関するご相談に応じることも可能
「子ども第三の居場所」とは
「子ども第三の居場所」は、すべての子どもたちが将来の自立に向けて生き抜く力を育むことを目的として、日本財団が中心となって2016年より全国に開設しています。「子ども第三の居場所」では、特にひとり親世帯や親の共働きによる孤立や孤食、発達の特性による学習や生活上の困難、経済的理由による機会の喪失など、各々の置かれている状況により困難に直面している子どもたちを対象に放課後の居場所を提供し、食事、学習習慣・生活習慣の定着、体験機会を提供しています。同時に、学校や地域、専門機関と連携し、「誰一人取り残されない地域子育てコミュニティ」のハブとしての機能を担っていきます。現在全国に228ヵ所設置されています(2024年4月末時点)
<本件に関するお問い合わせ>
認定NPO法人皆繋「ICS垢田家」
山口県下関市新垢田南町1丁目11-11
TEL:083-227-3201 FAX:083-227-3202
Mail:info@minatsunagi.org
担当:萱野・勇士・仲山