2024年7月31日、東京貿易ホールディングス株式会社(東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン27F、代表取締役社長 坪内秀介)のグループ会社であるTBグローバルテクノロジーズ株式会社(東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン28F、代表取締役社長 Laurent Poidevin、以下TBG)は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、日本の最大手海運会社である日本郵船株式会社と共同開発をしていた次世代船舶燃料であるアンモニア燃料供給用「バンカリングブーム」の基本設計承認(AiP:Approval in Principal)を、一般財団法人日本海事協会から世界で初めて取得しました。
■ TBGの革新的なアンモニアバンカリングブーム
TBGが開発した緊急離脱装置(ERS)はアンモニアの毒性を十分に考慮し、安全性を確保したものであり、この装置を搭載したアンモニアバンカリングブーム*は、図面審査の実施、技術認証ガイドラインを一部参照した新技術の認証プロセスを通じ、日本海事協会から世界で初めて**AiPを取得しました。この新たなバンカリングブームにより、アンモニアバンカリング船***(ABV:Ammonia Bunkering Vessel)とアンモニア燃料船(AFV:Ammonia Fuel Vessel)が緊急時に切り離される際、アンモニアの飛散量を大幅に低減し、周囲の安全性を確保することが可能となります。
今回は日本郵船株式会社から自社開発したアンモニアバンカリング船の設計データを提供頂き、TBGはそれに基づいて、本バンカリングブームの設計を行った為、実際の運用に則した実用的な設計が可能となりました。更に、同社が保有する、LNGバンカリング船(LBV:LNG Bunkering Vessel)の運用知見やアンモニア取り扱いに基づく安全面・運用面に関する助言により、多角的な視点からリスクアセスメントを実施した結果、日本海事協会より技術的な実現可能性が評価され、AiPの取得に至りました。
* アンモニアバンカリングブームとは:バンカリング船に搭載するShip to Ship用燃料移送設備
** 自社調べ(2024年7月末時点)
***アンモニアバンカリング船とは:洋上の船に燃料補給をする専用船舶
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今後の展望
今回AiPを取得したアンモニアバンカリングブームは、2020年代後半から普及が予想されるアンモニアバンカリング船への搭載が予定されています。TBGは、今後も安全で環境に優しい製品の開発に努め、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
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船舶燃料の脱炭素化は避けられない社会課題
国土交通省は『世界有数の海運・造船大国である我が国としては、海上貿易や海事産業の持続的な発展を図りつつ、地球温暖化に対処するための国際的な取組みに積極的に貢献するべく、GHG排出削減のための国際的施策の策定・推進を主導していくことが重要です』とし*、国際海事機関(IMO)は『2050年までに国際海運からの GHG 排出をゼロとする』**と目標に掲げています。このような世界的状況の中で環境負荷の低い次世代船舶燃料としてアンモニアが注目されています。アンモニアは、CO2を排出しないクリーンな燃料ですが、毒性があるため、安全対策が重要となります。
* 国土交通省 海事局 「国際海運GHGゼロエミッションプロジェクト」より
https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk7_000026.html
** 令和5年7月11日 国際海運「2050 年頃までに GHG 排出ゼロ」目標に合意
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001619435.pdf
d98548-109-53959b0b54327bce2f7111892c798b1a.pdf
TBグローバルテクノロジーズ株式会社HP
東京貿易グループとは
持ち株会社である東京貿易ホールディングス株式会社(東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン27F、代表取締役社長 坪内秀介)と個性豊かな国内外の16事業会社、合計17会社で構成する独立系の企業グループであり、1947年の創業から76周年を迎えました。
「全員経営の精神」を核心的価値観(コアバリュー)として掲げ、グループ各社が自立した企業活動を行いながら、全体の存在感と競争力を相乗的に高めることにより、新しい価値を世の中に提供し続けるグループを目指しています。
東京貿易グループは今後も変革を恐れず、自由闊達な文化の下、イノベーションを起こし、ステークホルダーの皆様が安全・安心な生活、経済、社会活動をおくることができる、より良い社会の実現と持続に貢献します。