◾東南アジアにおける生鮮食品流通の課題
東南アジアにおけるEC市場は2021年の1,200億ドルから2025年までに約2倍の2,340億ドルまでの成長が見込まれており※2、その中でも食品は大きく成長しているカテゴリーです。
一方で東南アジアの生鮮食品流通は、配送時の温度管理や、効率的な配送のためのロジスティクスシステムの整備の課題から、消費者が品質の高い食材を入手することが難しい状況です。また、生産者側には食品ロスの発生や受注から発送における作業の複雑さなどの課題があり、市場における良い生鮮食品の流通には改善の必要があるのが現状です。
SECAI MARCHEは、これらの課題に対してソリューションとなる生鮮食品ECプラットフォームと、フルフィルメント効率化のためのシステムを開発、提供しています。
※2:参照元(日本政策金融公庫「各国における越境ECの状況」)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_221111a.pdf
■投資背景について
SECAI MARCHEは、マレーシアを拠点に、生産者と消費者を直接結ぶグローバル産直ECプラットフォームを開発・運営しています。新鮮な農作物を公正な価格で流通させる生鮮食品ECと、フルフィルメントの最適化システムを生産者と消費者向けに提供しています。このシステムは流通過程での温度管理や品質管理の課題を解決し効率的な配送を実現することで生産者の収益化をサポート、また消費者にとっても利便性の高いオンライン販売と高品質な生鮮食品へのアクセスを提供しています。
また、同社は東南アジアの生鮮食品市場をターゲットとしていますが、同社が構築してきたフルフィルメントシステムによって、越境での日本の農産物を東南アジアへ輸出できる為、現地の消費者、事業者が高品質な日本の農産物を購入することも可能となるため、日本の農産物の輸出拡大にも期待できます。
Future Food Fundとしては、商品仕入れや流通面での支援、Future Food Fundのリミテッドパートナー企業との協業機会の創出などを通じて事業成長をサポートするとともに、SECAI MARCHEの生鮮食品ECプラットフォームやサービスとを通じて今後日本の農産物が海外市場へ販路を拡大していくことにも貢献できるようサポートしてまいります。
【SECAI MARHCE ビジネスモデル 】
生産者の商品を全量買取り、商流マージンを乗せて消費者に販売。
■株式会社SECAI MARCHE
本社:東京都江東区
代表者:早川 周作、杉山 亜美
生産者と消費者をダイレクトにつなぐ東南アジア最大級の生鮮食品ECプラットフォームです。
「創る人と使う人がダイレクトに繋がることで、情報・モノが平等に流通し、全ての人が主役になれる世界を創造する」をミッションに東南アジアの新しいダイレクトインフラを創造しています。
■株式会社SECAI MARCHE 代表コメント
<早川氏コメント>
SECAI MARCHEは、「生産者と消費者がダイレクトに繋がることで、情報・モノが平等に流通し、全ての人がサステイナブルに成長できる世界を創造する」をミッションとして、東南アジアを中心に産地直送のフルフィルメントプラットフォームを運営しています。
我々のミッションは、「より多くの人がより良い食生活を楽しめる未来を作る」という、Future Food Fundのミッションと一致しており、彼らが持つ経験値、パートナーとは非常に関連性が強いことから、今回投資家として加わって頂けたことを非常に嬉しく思います。
今後も両者の連携を通じて、日本の農 産物の海外販路拡大に貢献していきます。
<杉山氏コメント>
東南アジアにおいて、生鮮食品のインフラはまだまだ未発達です。
SECAI MACHE は中小規模の生産者など、誰もが利用できるインフラを創り上げることによって、生産者と消費者の双方がサステイナブルに成長できる、そんな世界を実現していきます。
美味しさにこだわる国内外の生産者の皆様とともに、我々の「新鮮・適正価格・便利」な圧倒的なサプライチェーンで、東南アジアにおける 食の可能性をより一層広げていくことができることを楽しみにしております。
■Future Food Fund 投資担当 長谷川 コメント
私自身が過去スタートアップで食品の製造やフルフィルメント、サプライチェーンに関わった経験から、より良い食のあり方は単にエンドユーザーに届く食材や製品のおいしさだけでなく、その産業全体を支える裏側のシステムやインフラが非常に重要であると感じています。
杉山さんと早川さん、創業者お二人に初めてお話を伺った時、事業に直結するバックグラウンドの強さはもちろんのこと、考え抜かれたオペレーションや、会社として行ってきた一つ一つの選択に確かな理由と意思があることを感じました。また、食関連事業にとって非常に厳しい環境であったパンデミック下でも力強く事業を構築し、長期視点での戦略的な投資を進めてこられた経緯を伺い、投資をさせていただきました。
今後も経済成長を続ける東南アジアにおいて、なくてはならない食のインフラを作り、日本の農産物が東南アジアにも販路を広げ、現地の消費者に多様でおいしい食を提供してくれることを期待しています。
Future Food Fund株式会社について
Future Food Fund株式会社は、2019年8月に日本の食のスタートアップエコシステムを作る為に、フードイノベーション領域に特化した国内外のスタートアップ企業への出資を目的としたCVCファンドを運営する投資子会社として、オイシックス・ラ・大地株式会社により設立されました。パートナー企業とともに、国内外の先進的な食・農・ヘルスケア領域への積極的な投資と、販売や商品開発などの支援も可能としており、日本国内で、スタートアップ企業を支援するエコシステムの構築を目指しています。
(「Future Food Fund」サイトURL:
https://futurefoodfund.co.jp/
)
オイシックス・ラ・大地株式会社について
オイシックス・ラ・大地株式会社(代表:高島宏平)は、有機・特別栽培野菜、添加物を極力使わない加工食品など安心・安全に配慮した食品の宅配サービスを「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の 3ブランドで展開しています。
当社は「これからの食卓、これからの畑」を理念に掲げ、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する事業を推進しています。