CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間6月11日に、
J.D. Power 2024 U.S. Auto Insurance Study℠(J.D. パワー 2024年米国自動車保険顧客満足度調査℠)
の結果を発表した。
本調査はカリフォルニア州、中央部、フロリダ州、大西洋側中部、ニューイングランド地方、ニューヨーク州、中央北部、北西部、南東部、南西部、テキサス州の11エリアに分け、自動車保険会社に対する満足度を聴取している。また、UBI(利用ベース保険)の満足度も聴取している。25回目となる今回調査では、調査設計の変更が行われ、満足度構造と評価スケールが変更されている。
自動車保険会社を信頼する顧客は半数以下
米国の自動車保険料は過去1年間で平均11.2%上昇したが、顧客が支払った保険料1ドルにつき、保険会社は今なお平均5セントの損失を出しており、空前の保険料高騰はすぐには収まりそうにない。本調査によると、このような保険料引き上げは、必ずしも自動車保険会社に対する顧客満足度を低下させるものではないということが分かった。たとえ保険料が引き上げられても、顧客が保険会社に対して厚い信頼を寄せていれば、顧客満足度とブランドアドボカシーは大幅に向上する。しかし、顧客の半数強(51%)は、利用する自動車保険会社をほとんど信頼していないと答えている。
2024年調査の主なポイントは以下の通り:
信頼性は顧客満足度とブランドロイヤルティに大きく影響
自動車保険契約者のうち、保険会社に対する信頼度が最も高い層の総合満足度は917ポイント(1,000ポイント満点)で、信頼度が最も低い層よりも426ポイント高かった。同様に、信頼度が高い層の90%が同じ保険会社で契約を更新する可能性があると回答しているのに対し、信頼度が低い層ではわずか30%にとどまった。
保険会社の大半が「信頼性」ファクターで低評価
自動車保険契約者のうち、半数強(51%)が保険会社に対する信頼度の低い層に属し、15%は信頼度の高い層、34%は信頼度が中程度であった。
信頼度は地域によって異なり、フロリダ州が最低のスコア
「信頼性」ファクターのスコアが最も低かった地域はフロリダ州だった。フロリダ州は、保険会社主導の保険料引き上げの発生率が最も高い地域であり、信頼度が低い層の割合も最も高く、55%だった。
保険料引き上げについての期待値コントロールが信頼性の構築に重要
保険会社主導の保険料引き上げを経験したが、その理由を十分に理解し、値上げを予期している層の「信頼性」ファクターのスコアは735ポイントだった。これは、保険会社主導の保険料引き下げを経験した顧客の「信頼性」スコア(736ポイント)よりわずか1ポイント低いだけである。
J.D. パワー グローバル・インシュアランス・インテリジェンス部門 ディレクター
ブリアン・アームストロングのコメント
「自動車保険会社は今、厳しい状況にある。修理費は依然として高騰しており、衝突事故に巻き込まれた車の20%以上が全損とみなされるようになっている。保険会社は、大幅な保険料引き上げを顧客に転嫁しているにもかかわらず、依然として損失を出している。J.D. パワーのデータで興味深いのは、高い保険料が顧客満足度にマイナスの影響を及ぼしているにもかかわらず、保険会社が必要なときに対応してくれるという高い信頼によって、そうしたマイナスの影響が相殺されていることである。」
顧客満足度ランキング首位ブランド
【カリフォルニア州】Auto Club of Southern CA(AAA)(南カリフォルニア全米自動車協会)(684ポイント)
【中央部】Shelter(シェルター)(677ポイント、4年連続の総合満足度第1位)
【フロリダ州】Auto-Owners Insurance(オートオーナーズ)(654ポイント)
【大西洋側中部】Erie Insurance(エリー)(713ポイント、3年連続の総合満足度第1位)
【ニューイングランド地方】Amica(アミカ)(709ポイント)
【ニューヨーク州】Travelers(トラベラーズ)(667ポイント)
【中央北部】Erie Insurance(エリー)(710ポイント、4年連続の総合満足度第1位)
【北西部】PEMCO Insurance(ペムコ)(666ポイント)
【南東部】Alfa Insurance(アルファ)(693ポイント)
【南西部】CSAA Insurance Group(AAA)(CSAA)(683ポイント)
【テキサス州】Texas Farm Bureau(テキサス・ファーム・ビューロー)(686ポイント)
【UBI(利用ベース保険)部門】Nationwide(ネイションワイド)(842ポイント)
《J.D. パワー 2024年米国自動車保険顧客満足度調査℠概要》
年に1回、自動車保険契約者を対象に、契約している自動車保険会社に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で25回目の実施となる本年調査では、調査設計の変更が行われ、満足度構造と評価スケールが変更され
ている。
■実施期間:2023年8月~2024年4月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:自動車保険契約者
■調査回答者数:41,242人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、以下の通り(カッコ内は影響度)。
【エリア別】:
「信頼性」(19%)、「保険料」(18%)、「顧客対応(対人チャネル)」(16%)、「保険証券・支払方法」(14%)、「契約内容」(13%)「問題解決」(11%)、「顧客対応(デジタルチャネル)」(10%)
【UBI(利用ベース保険)部門】:
「割引率」(30%)、「アプリ・ウェブサイトの使いやすさ」(24%)、「利用しやすさ」(22%)、「情報の分かりやすさ」(19%)、「初期プロセス」(5%)
*本報道資料は、現地時間2024年6月11日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-us-auto-insurance-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
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