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平家語り研究会が 琵琶法師の「平家物語」を現代に蘇らせる
『平家物語』は、冒頭の《祇園精舎》で「諸行無常」を説き、そのたとえとして、「まぢかくは六波羅の入道前の太政大臣平朝臣清盛公と申す人の有様伝へ受けたまはるこそ、心も言葉もおよばれね」と、平家の物語を語り始めます。清盛は『平家物語』の最重要人物といってもいいでしょう。《鱸》は、鳥羽院に仕えて殿上人となった忠盛から清盛に代替わりし、清盛が目覚ましい出世を遂げる様子が語られます。そのあと、清盛の数々の「悪行」が述べられていくことになりますが、そのなかから、本公演は《祇王》を取り上げます。清盛の気まぐれな仕打ちに翻弄された白拍子の祇王の歌う今様が哀れを誘います。《入道逝去》で、高熱の病に倒れた清盛の壮絶な最期をお聴きいただきます。
【出演者】
菊央 雄司(平家琵琶)
田中 奈央一(平家琵琶)
日吉 章吾(平家琵琶)
薦田 治子(お話)
平家語り研究会
平家語り研究会は、平家物語を琵琶の伴奏で語る伝統音楽「平家(平家琵琶、平曲)」を次世代に伝えることを目的に開催されている研究会です。『平家物語』を語った琵琶法師は、江戸時代には箏三味線音楽で活躍するようになりますが、あわせて平家の語りの伝承も大切にしました。明治維新でその伝統も絶えてしまいますが、奇跡的に名古屋の盲人箏曲家たちが平家を今日まで語り伝えました。二十一世紀に入りその伝承者も一人のみ、伝承曲も八曲のみとなります。この語りを次世代に伝えようと菊央雄司、田中奈央一、日吉章吾の三人の地歌や箏曲の演奏家が二〇一五年二月に活動を開始しました。二〇一六年度からは文化庁の「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業(現在は舞台芸術等総合支援事業)」に採択され、伝承曲の演奏を磨くとともに、伝承の途絶えてしまった曲の復元にも取り組み、「平家物語の世界―語りの伝統を次代に」のシリーズを続けています。今では「平家ブラザーズ」の愛称で親しまれ、国内外で演奏実績を積み重ねています。
公演概要
『平家物語の世界その8 清盛』
公演日時:2024年9月13日 (金) 13:30開場/14:00開演(上演時間:約2時間)
会場:紀尾井小ホール(東京都 千代田区 紀尾井町 6番5号)
■出演者
菊央 雄司(平家琵琶)
田中 奈央一(平家琵琶)
日吉 章吾(平家琵琶)
薦田 治子(お話)
■スタッフ
舞台進行 大森美樹
舞台・照明・音響 紀尾井小ホール
■チケット料金
全席自由:3,000円(税込)