■開催概要
会期:
第1期|2024年6月29日(土)~8月4日(日)
第2期|2024年8月17日(土)~9月22日(日・祝)
休館日:月曜日(7/15、9/16は開館)、7/16、9/17
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷 2-4-16)
入場料:無料
アーティスト:
第1期|エド・カー、キム・ウジン、ネストール・シレ、前田耕平、松本美枝子、エドウィン・ロウ
第2期|大野由美子、谷崎桃子、辻󠄀梨絵子、仲本拡史、西 毅徳
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース
提携都市/機関:
アトリエ・モンディアル(スイス、バーゼル)、エディンバラ・スカルプチャー・ワークショップ(スコットランド、エディンバラ)、HIAP[ヘルシンキ・インターナショナル・アーティスト・プログラム]、フィンランド文化財団(フィンランド、ヘルシンキ)、センター・クラーク、ケベック・アーツカウンシル(カナダ、ケベック州[モントリオール])、トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ、アーティスト・イン・レジデンス台北(台湾、台北)
ウェブサイト:
https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2024/20240629-7317.html
▮展覧会について
私たちは、自然災害や環境破壊といった地球規模の問題から、経済格差、人種や文化、思想等の相違によって生まれる非対称な権力構造による社会的問題、またこのような複雑な状況が個人の生活や精神面に及ぼす影響等、急速な変動の中で日々さまざまな課題に直面しています。この不確実な日常を生きるには、その起因を問い直すとともに、物事を転換させるための主体的な活力や知性、そして既存の枠組みや価値観に捉われない、新たな方法論を編み出す想像力/創造力を共有することが、ひとつの糸口となりうるのではないでしょうか。
2024年6月から9月までの2期にわたって実施している本展では、2023年度に海外各地の提携機関や東京のTOKASレジデンシーで滞在制作した5ヶ国11名のアーティスト(1期6名、2期5名)による成果を発表しています。それぞれの都市で出会った人々のコミュニティのあり方や独自の文化、その地域特有の自然環境や動植物の生態系への考察をとおして制作された彼らの作品は、私たちの生きる社会で息づく小さなエネルギーの交換を掬い上げ、今日の多層的な世界を映し出します。
▮ 関連イベント
予約不要/無料
アーティスト・トーク 1
日時:2024年8月18日(日) 15:00-16:30
出演:大野由美子、谷崎桃子、辻󠄀梨絵子
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
アーティスト・トーク 2
日時:2024年9月7日(土) 15:00-16:00
出演:仲本拡史、西 毅徳
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
▮ 出展作家/展示予定作品/略歴
大野由美子|ONO Yumiko
陶芸、紙などを用いて架空の建築物をつくり、近年はサイズ可変の作品の可能性を模索する大野は、滞在先のエディンバラでブルータリズム建築を調査し、レイアウトや構造を変化させる実験を行いました。本展では、その発展形として制作した構造物を展開し、展示室という建築物に接続させることを試みます。
【プロフィール】
兵庫県生まれ。兵庫県を拠点に活動。2018年サンクトペテルブルグシュティグリツ国立美術工芸大学院修了。主な展覧会に「BIWAKO ビエンナーレ 2022」(旧近藤呉服屋、彦根、滋賀)など。
谷崎桃子|TANIZAKI Momoko
近年、不眠や精神的な不調の病理や、それらとの共存について関心をもつ谷崎は、カナダで精神的不調を抱える人のコミュニティを訪れ、不調との共存方法について考察しました。本展ではそのような一見ネガティブな事象を肯定的に捉え、カナダでの経験をもとに制作した絵画を中心としたインスタレーションを立ち上げます。
【プロフィール】
1991年東京都生まれ。東京都を拠点に活動。2016年東京造形大学大学院美術研究領域修了。主な展覧会に「INSOMNIA/Waiting for the wave」(tata book shop gallery/THE SECRET MUSEUM、東京、2023)など。
辻󠄀梨絵子|TSUJI Rieko
他者とのコミュニケーションや、公と私の境界について表現している辻は、スイスのキリスト教文化圏において存在する「ゴッドペアレント」制度や、「ルームシェア」「名付け」などのリサーチを行いました。本展では参加型のインスタレーションをとおして、血縁のない家族関係や、友人同士の特別な結びつきについて問いかけます
【プロフィール】
1991年東京都生まれ。東京都を拠点に活動。2019年東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻修了。主な展覧会に「ピカたちの結婚」(soco1010、東京、2022)など。
仲本拡史|NAKAMOTO Hirofumi
土地へのリサーチにもとづいて映画・映像の制作を行ってきた仲本は、台湾の動植物の生態や民話、歴史をリサーチしました。本展では、滞在先のレジデンスに生息するカタツムリをとおして、自身が幼少期を過ごしたミャンマーでの思い出に、台湾のカタツムリの歴史、そして沖縄のヤドカリとの関係を繋ぐ映像作品を発表します。
【プロフィール】
1986年神奈川県生まれ。神奈川県を拠点に活動。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。主な展覧会に「Us verse Nature」(トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ、台北、2023)など。
西 毅徳|NISHI Takatoku
常に移り変わる自然の光景と光学現象に惹かれ、素材と構造によって再構築する西は、フィンランドで自然光を巧みに取り入れて設計された建築と、自然環境との関係を調査しました。本展では、フィンランドの日常の風景にある白樺に着目し、その葉がみせる多様な表情をインスタレーションで表現します。
【プロフィール】
1989年岐阜県生まれ。東京都を拠点に活動。東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻(建築)博士課程在籍。主な展覧会に「INTERNATIONAL DESIGN / EXHIBITION」受賞記念展(MOOD MUSEUM OF DESIGN、コモ、イタリア、2023)など。