CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間7月16日に、
J.D. Power 2024 North America Hotel Guest Satisfaction Index (NAGSI) Study℠(J.D. パワー 2024年北米ホテル宿泊客満足度調査℠)
の結果を発表した。
本調査は、過去1年間に北米のホテルに宿泊をした人を対象に、直近の宿泊体験の満足度を測定し、年に1回結果を発表している。
宿泊料金の上昇、滞在の長期化、旅行回数の減少により、客室の質とホテルのメンテナンスが重視される
2024年5月の米国ホテル客室の平均1泊料金(ADR)は158.45ドルで、2023年10月の159.01ドルに次いで過去2番目に高い月となり*¹ 、事実上どの価格帯のホテルにおいても旅行者はより高いホテル代を支払っている。本調査によると、旅行者がより高い価格に対して価値を感じるかどうかは、ホテルがどれだけ期待に応えてくれるかにかかっている。今回調査では、ラグジュアリー部門とアッパー・アップスケール部門のホテルが高い顧客満足度を示している一方、リミテッドサービスホテルは前年比で顧客満足度が低下している。
*¹ 出典:CoStar/STR
2024年調査の主なポイントは以下の通り:
フルサービスホテルブランドが好調
ラグジュアリー部門とアッパー・アップスケール部門のホテルでは、平均宿泊料金が最も大きく上昇しているにもかかわらず、総合満足度は前年と同程度か上回っている。しかし、リミテッドサービスのアッパー・ミッドスケール部門、ミッドスケール部門、エコノミー部門のホテルでは、総合満足度は前年比で大幅に低下している。
旅行回数は減少、滞在日数は長期化
北米のホテル利用者の年間平均旅行回数は9回で、2023年の10回から減少した。平均滞在日数は3.43日で、2023年の3.36日から増加した。旅行回数は減少しているが滞在日数は長くなっているという変化により、宿泊客はホテルでの体験のあらゆる点を重視するようになっている。
スタッフ、サービス、施設への投資が重要
平均宿泊料が最も高いにもかかわらず、フルサービスのラグジュアリー部門とアッパー・アップスケール部門のホテルは、「バリュー(支払った価格に対する価値)」における満足度もリミテッドサービスホテルを上回っている。リミテッドサービスホテルの事業者は、総合満足度に加え、ゲストの知覚価値を向上させるために、客室、ホテル施設・設備のメンテナンス、古いホテルの改装に注力すべきである。
J.D. パワー ホスピタリティ・プラクティス部門長 アンドレア・ストークスのコメント
「ホテル宿泊客の旅行行動に変化が見られる。パンデミック後の旅行価格が依然高騰している中、ホテル宿泊客の平均旅行回数が減少していることは驚くべきことではない。しかし、そのようなホテル宿泊客は、旅行中により長期間滞在するようになり、結果、部屋の清潔さや施設のメンテナンス、フロント係とのやり取りまで、そのホテルのあらゆる面に注目が集まることとなる。結局のところ、ホテルの宿泊料金とともに旅行者の期待も高まっており、ホテルがその期待に応えられなかったり、期待を上回らなかったりすると、価格に対しての知覚価値は低下する。」
顧客満足度ランキング首位ブランド
【ラグジュアリー部門】
The Luxury Collection(ラグジュアリーコレクション)(772ポイント)
【アッパー・アップスケール部門】
Margaritaville Hotels & Resorts(マルガリータヴィル リゾート)(726ポイント、2年連続の総合満足度第1位)
【アップスケール部門】
element(エレメント)(707ポイント)
【アップスケール長期滞在部門】
Hyatt House(ハイアット ハウス)(696ポイント、3年連続の総合満足度第1位)
【アッパー・ミッドスケール部門】
Drury Hotels(ドゥルリー ホテルズ)(744ポイント)
【アッパー・ミッドスケール/ミッドスケール長期滞在部門】
Home2 Suites by Hilton(ホーム2スイーツbyヒルトン)(695ポイント、2年連続の総合満足度第1位)
【ミッドスケール部門】
Tru by Hilton(トゥルーbyヒルトン)(688ポイント、2年連続の総合満足度第1位)
【エコノミー部門】
Microtel by Wyndham(マイクロテル バイ ウィンダム)(618ポイント、2年連続の総合満足度第1位)
【エコノミー長期滞在部門】
WoodSpring Suites(ウッドスプリング スイーツ)(603ポイント、2年連続の総合満足度第1位)
《J.D. パワー 2024年北米ホテル宿泊客満足度調査℠概要》
過去1年間に北米のホテルに宿泊した人を対象に、直近の宿泊体験に対する満足度を聴取し明らかにする調査。
今回で28回目の実施となる。
■実施期間:2023年6月~2024年5月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:2023年5月~2024年5月の期間にホテルに宿泊した人
■調査回答者数:39,468人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、以下の通り(カッコ内は影響度)。
【ラグジュアリー部門】:
「バリュー」(27%)、「客室」(18%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテ
ル施設」(15%)、「コミュニケーション&コネクティビティ*²」(12%)、「料飲」(10%)
【アッパー・アップスケール部門】:
「バリュー」(27%)、「客室」(18%)、「スタッフサービス」
(18%)、「ホテル施設」(15%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(12%)、「料飲」(10%)
【アップスケール部門】:
「バリュー」(26%)、「客室」(19%)、「スタッフサービス」(17%)、「ホテ
ル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(13%)、「料飲」(9%)
【アップスケール長期滞在部門】:
「バリュー」(27%)、「客室」(21%)、「スタッフサービス」(17%)、「ホテル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(11%)、「料飲」(9%)
【アッパー・ミッドスケール部門】:
「バリュー」(28%)、「客室」(19%)、「スタッフサービス」
(18%)、「ホテル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(13%)、「料飲」(7%)
【アッパー・ミッドスケール/ミッドスケール長期滞在部門】:
「バリュー」(27%)、「客室」(21%)、
「スタッフサービス」(17%)、「ホテル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(11%)、「料飲」(9%)
【ミッドスケール部門】:
「バリュー」(28%)、「客室」(19%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテ
ル施設」(16%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(13%)、「料飲」(7%)
【エコノミー部門】:
「バリュー」(28%)、「客室」(20%)、「スタッフサービス」(18%)、「ホテル施
設」(17%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(16%)
【エコノミー長期滞在部門】:
「バリュー」(28%)、「客室」(20%)、「スタッフサービス」(18%)、
「ホテル施設」(17%)、「コミュニケーション&コネクティビティ」(16%)
*² コンセントやUSBポートの利便性、TVチャンネルやアクセス可能なストリーミングサービスの選択肢の幅広さ、インターネット/Wi-Fiの品質、支払い方法の選択肢の多さ、モバイル機器でのホテルサービスの利用のしやすさなど。
*本報道資料は、現地時間2024年7月16日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-north-america-hotel-guest-satisfaction-index-nagsi-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、
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