GRAND(所在地: 岐阜県郡上市、代表: 上村佑太)は、ユネスコ無形文化遺産および日本三大盆踊りのひとつである「郡上おどり」を新たに彩る衣服ブランド〈ODORIGI(オドリギ)〉を立ち上げ、8月13日(火)より、郡上八幡町屋敷「越前屋」にて一般販売を開始いたします。本ブランドは、スクリーン印刷発祥の地である郡上市を拠点に活動する若手組織〈GRAND〉が、産業の高付加価値化を目指して、デザイナーやパタンナーと連携し、企画・開発を行いました。
ODORIGIの衣服デザインには、独創的な着物やadidas、IKEAなどのグローバルブランドとのコラボレーションでも知られるアーティスト、高橋理子氏をはじめ、郡上市のクリエイターたちが参加しています。伝統的な浴衣や半纏などの衣服を基に、布を無駄にしないパターンや裁断の美しさを追求し、より自由に盆踊りを楽しむための衣服を展開します。
私たちの「ODORIGI」について
郡上市の盆踊り文化には、特定の衣装を着なければならないという規則はなく、ふだん着を含め、どんな衣服でも参加できる独自のスタイルがあります。しかし、「踊り手ぬぐい」や「踊り下駄」と並び、「踊り浴衣」と呼ばれる衣服も郡上の盆踊りを象徴するアイテムです。
私たちの〈ODORIGI〉は、踊る人々の姿勢や心意気を表現するために誕生しました。自由な衣服が求められる盆踊りにおいて、さらに楽しむための衣装として、地元の着物のデザインからインスピレーションを得て、半纏やたつけ、浴衣、素襖などを基にした衣服作りを追求しています。
今回リリースする9つの〈ODORIGI〉を通じて、「おどりぎ」という言葉が一般名詞として浸透し、郡上の盆踊り文化を体現するアパレルブランドとして成長していくことを目指しています。ひいては、全国の盆踊りを愛する皆さまとともに、〈ODORIGI〉を育んでいけることを願っています。
〈ODORIGI〉の定義
ODORIGIは、郡上のシルクスクリーン産業を活かし、プリントから仕立てまですべて地元で制作された衣服です。郡上の歴史的衣服にならった直線裁ちにより、踊ることで衣の面的な美しさを引き出しながら、踊り手の姿勢や美意識をあらわし、郡上の盆踊り文化を体現します。
『郡上おどりは決まった衣服がなくて自由』だからこそ、“自分たちが着たい!”と思える踊り着づくり。
全国各地の盆踊りを見れば、歴史ある踊りや現代的なスタイルの盆踊りなど、さまざまな盆踊りが確立されています。郡上おどりと同様に日本三大盆踊りに数えられる「阿波踊り」などでは、統一された衣装が用いられるのが一般的ですが、郡上おどりには特定の衣装規定がありません。Tシャツで踊る人も珍しくない郡上の文化では、普段着や作業着で踊る自由なスタイルが根付いています。
今回リリースするODORIGIは、かつての踊り風景をリバイバルするかのような懐かしさと、現代の感性にもマッチする斬新さを兼ね備えたデザインが特徴です。個々がかっこいいと感じる衣服を纏い、盆踊りという特別な日に楽しむことができるよう、今年からこの自由で確かな服づくりがスタートします。
デザイン、印刷、裁断、仕立て。全てが「郡上メイド」。
郡上おどりにはさまざまな身なりで参加することができ、郡上市内には下駄屋や和服の雑貨屋などが数多く並んでいます。しかし、踊り衣服については「郡上メイド」にフォーカスしたお店は少なくなり、職人の数も減少しています。
時代の変化に伴い、大量生産が可能な現代でも、スクリーン印刷業界には同様の危機が迫っています。ODORIGIは、スクリーン印刷技術の高さや魅力を再認識していただき、新たな価値を創出することを目指し「郡上メイド」にこだわって開発を行っています。
後継者不足が進むも、2代目たちが発起し「GRAND」を結成。
郡上市は国内で「シルクスクリーン発祥の地」として知られています。1950年代からの18年間で2,500人以上の技術者を輩出した養成所を中心に、スクリーン印刷は産業として発展しました。しかし、現在も20社以上のスクリーン印刷会社が存在する一方、機械化や後継者不足により事業の存続が困難な企業も少なくありません。
そんな中、2022年から郡上藩江戸蔵屋敷事業において、スクリーン印刷の歴史を探求し、東京都豊島区にある「WACCA IKEBUKURO」で企画展を開催。その後、スクリーン印刷の高付加価値化や業界の発展を目指し、先進的な事業展開を行う3社の後継者たちが集まり『GRAND』が発足しました。2023年も引き続き、郡上市内での商品開発や企画展、東京都豊島区でのスクリーン印刷イベントに参画しています。
Designer / Pattern maker
高橋理子
Takahashi Hiroco|アーティスト| 46歳
東京藝術大学で伝統染織を学び、同大学博士課程を修了。着物を表現媒体としたアートワークのほか、自身のブランドHIROCOLEDGEで日本各地の職人とともにものづくりを行う。九重部屋や銭湯・黄金湯のブランディング、adidasやIKEAとのグローバルコラボレーション、東京五輪ゴルフ米国代表公式ユニフォームデザインなど、多彩なプロジェクトを手掛ける。ロンドンV&A博物館に作品が永久収蔵。高橋理子株式会社代表取締役。武蔵野美術大学造形学部工芸
上村大輔
Kamimura Daisuke|(株)上村考版| 42歳
創業50年のシルクスクリーン印刷会社、上村考版の長男として生まれ、幼少期から印刷現場が遊び場であった。デザイナーを志し、世界各地を放浪の末、拠点を郡上八幡に移す。郡上固有の伝統文化や歴史を現代の感性で再解釈し、郡上八幡のデザイナーとして活動。
堀義人
Hori Yoshito|Nature Design Good Job Lab| 41歳
上村考版にてシルクスクリーンを学んだ後、グラフィックデザイナーとして独立。郡上捺染を初めて使用した「踊り〼」シリーズを始め、踊り下駄をメインで作る「郡上木履」のアートディレクションなど、郡上の踊り助平に愛される、新たな踊りのファッションを提案する。郡上藩蔵屋敷のディレクター。
伊東敬史
Ito Takafumi|Itomatopée 企画縫製室| 32歳
文化服装学院にてアパレル技術科を卒業後、コレクションブランド等の仕立て/品質管理/生産管理を担当。10年ほど経験した後、2024年に郡上八幡へ移住。自身のブランドItomatopée(イトマトペ)をスタート。
「郡上八幡 町屋敷越前屋」で一般販売を開始します。
8月3日(土)より、郡上八幡 町屋敷越前屋(〒501-4226 岐阜県郡上市八幡町新町926)を会場に、郡上おどりと衣服の歴史や、スクリーン印刷産業の紹介に合わせてODORIGIの展示を開催しています。
8月13日(火)からは、郡上おどり「徹夜おどり」に合わせてODORIGIの販売や、スクリーンプリントの実演、体験、トークセッションを開催します。 郡上おどりを訪れる多くの方に、スクリーン印刷の魅力をお届けし、自由な服装で参加する郡上おどりの新たな楽しみ方につながることを願っています。
開催期間|2024年8月3日〜10月1日 09:00 – 18:00 (木曜日休館)
開催場所|郡上八幡 町屋敷越前屋 (〒501-4226 岐阜県郡上市八幡町新町926)
主催 |郡上市役所市長公室政策推進課
展示内容|郡上の衣服、おどり文化に関する展示 / スクリーン印刷に関する展示 / 商品販売
〈ODORIGI〉プロダクト
郡上の盆踊りを自由に着こなすために、郡上で作られた衣服を指します。伝統に即した浴衣や半纏などをはじめとした衣服や、出来るだけ布を無駄しないパターン、裁断から生まれる美しさ、より自由に踊りを楽しむための衣装として、高橋理子氏により展開されるTEI、IVをベースに新たにオドリギが開発されました。
9つの〈ODORIGI〉ラインナップ
①オドリギ TEI ②オドリギ IV SHIRT ③オドリギ IV PANTS ④たつけ ⑤百姓半纏 ⑥印半纏 ⑦素襖 ⑧浴衣 ⑨オドリTシャツ
GRAND
GRANDは、「株式会社 上村考版」「株式会社 スナップ・スクリーン」「株式会社 旗将」の3社によって結成された、次世代のスクリーン印刷業界の発展を目指す任意団体です。郡上の歴史ある印刷方法「グランド印刷」を継承しつつ、より遠大にアップデートすることを目指し、GRANDとして勉強会や視察、商品開発を行っています。また、海外へのスクリーン技術の発信や商品販売を見据えた活動も展開し、グローバルな視点でスクリーン印刷の魅力を発信していきます。
一般のお客様からのお問い合わせ先
GRAND窓口 Tel:080-2667-3297 (土日祝除く、9:30~18:00)
※通話料はお客様のご負担となります。予め、ご了承ください。