2024年は、訪日外国人数が過去最高のペースで増加し、訪日旅行の人気が高まっています。日本は「安全な国」として高い評価を得ており、これは日本への旅行が人気である理由の一つでもあります。
一方で、日本を訪れる外国人観光客が抱えている不安や恐れもあります。また、「南海トラフ巨大地震注意」の臨時情報が発表されたこともあり、巨大地震が与える訪日旅行への影響も気になるところです。
訪日外国人の不安をできるだけ解消し、より快適な旅行環境を整えることは、今後の課題でもあります。そこで、Tokyo CheapoとJapan CheapoのWebサイトで、訪日外国人が日本を旅行するときの最大の恐れは何なのか、アンケート調査を実施しました。調査結果のTOP5を発表します。
訪日外国人が旅行で最も恐れていることTOP5
Webサイトのコンテンツ上に「日本を旅行するときの最大の恐れは何ですか?」という質問でアンケート調査を実施した結果、40,290件の閲覧中314人から回答を得ました。(調査期間:2024年7月8日〜7月26日)。その結果、最も多かった回答は「自然災害」で31%でした。調査結果TOP5は、以下の通りです。
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自然災害 31%
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病気や事故 30%
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詐欺被害と犯罪被害19%
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福島第一原発の放射能 11%
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野生動物 9%
自然災害
日本では、巨大地震や津波、地滑り、台風、火山、洪水など、自然災害が頻繁に起こります。こうした自然災害は世界各国で起こっていますが、日本は災害と「共生している」国と言えます。
2011年3月11日に起きた東日本大震災は、世界で最も大きな地震の一つとして記録され、スマートフォン時代の最初の大きな災害の一つだったと言えるかもしれません。
多くの人が映像を撮影してYouTubeやX(旧Twitter)などで動画を拡散し、世界中の人がこの地震災害による被害と恐怖を知ることになりました。
アンケート調査の結果では、日本を旅行する際に地震を含む自然災害に対する最大の不安と恐怖を感じる人が31%もいます。一部の国では体に感じるほどの地震はほとんどないので、地震災害に対しての恐れや不安はなおさら大きいと言えます。
また、2024年8月、「南海トラフ巨大地震注意」の臨時情報が発表されたことにより、地震災害への不安はより一層高まり、訪日旅行のキャンセルが相次いでいます。
「南海トラフ巨大地震注意」の臨時情報については、外国人から「観光庁監修の訪日外国人向け災害時情報提供アプリに巨大地震注意の情報が見当たらなかった。」という声があったことが、読売新聞オンラインの記事で紹介されています。
(出典:
大地震注意の発表に訪日外国人ら戸惑い「情報が少なく、何に注意したらいいかわからない」|読売新聞オンライン)
情報が少ないと、たとえ緊急地震速報アプリのアラームが鳴っても、具体的に何をしたらいいのか、どこに行けばいいかも分からず、ただ恐怖に怯えるだけになってしまいます。
地震に限らず、一般的に緊急警報のアナウンスは日本語でしか伝えられないことが多く、外国語での情報が不足しています。
例えば、日本では台風が頻繁に発生し、台風による土砂災害や川の増水、氾濫も発生していますが、土砂災害警報が発表されるときなどは、外国人が情報を得られない問題があります。
新型コロナ水際対策が緩和され、インバウンド需要が高まっている中、自然災害にかかわる緊急警報の外国語での対応と備えは、今後の課題の一つと言えるでしょう。
病気や事故
自然災害とほぼ同率の30%のユーザーが、病気や事故の不安や恐怖を感じています。
どこの国に行っても病気や事故の不安はありますが、日本では、まず英語や多言語で対応してくれる病院が限られている問題があります。
日本語がわからない外国人観光客にとって、もし病気や事故をしたときのことを考えると、災害と同様に不安は大きいことが分かります。
詐欺被害と犯罪被害
日本は海外と比べて犯罪率が低い国とされていますが、最近ではSNSを利用した詐欺や、白昼堂々と行われる窃盗被害がニュースでも大きく取り上げられています。特に言語もわからず、日本に慣れていない外国人観光客にとって、犯罪被害に巻き込まれる不安は十分にあります。
例えば、歌舞伎町や六本木で「ドリンクスパイキング」という犯罪被害が発生していました。飲み物に薬物を混入して、昏睡させた上で金品や所持品を奪う手口ですが、言語が通じないと、このような犯罪への不安がなおさら大きくなります。
福島第一原発の放射能汚染
2023年8月に始まった東京電力福島第一原発の処理水放出に反発し、中国では日本への旅行を避ける動きがありました。
Tokyo CheapoとJapan Cheapoのユーザーは、アンケート調査の回答者のうち12%が不安を感じており、現在も外国人観光客にとって福島への不安感は強いことが分かります。
野生動物
日本で最大の恐怖TOP5の最後は「野生動物」です。回答者の9%が恐怖を感じています。
具体的にどんな野生動物かというと、熊、蛇(マムシ)、スズメバチ(特にオオスズメバチ)、ムカデなどが代表的な例です。
スズメバチは「意外」と感じるかもしれませんが、いずれにも共通するのは「死に至る危険性がある生き物」であることです。特に、最も恐れられているのは、日本や中国などに生息しているオオスズメバチです。
オオスズメバチは、Asian Giant Hornetと言われる「スズメバチ」の大型の蜂ですが、北米では「殺人スズメバチ」とも呼ばれ、注目されています。
毒性や噛む力の強さなどから、オオスズメバチは「世界最強の蜂」として恐れられており、蜂の種類の中でも危険度ランキングNo.1と言えます。
例えば、北米にもスズメバチは昔から生息していますが、ヨーロッパスズメバチという種類で、危険性は比較的低いとされています。
危険度が高い最強のオオスズメバチはアジアでしか生息していないスズメバチとされていました。
ところが、ソーシャルメディアで、カナダのオタワ渓谷地域でオオスズメバチと推測されるスズメバチの目撃情報が多数報告されたことから、殺人スズメバチへの不安が再燃しているのです。
いわゆる日本のムカデは海外ではあまり存在が知られていないかもしれませんが、ムカデも毒性が強い生き物です。日本でムカデに噛まれて痛みを経験した人は、「ムカデ」が恐怖の存在になっている場合もあります。
海外ではあまり見ない種類で、かつ死に至る危険性があるほどの毒性が強い虫の場合は、熊と同じくらい恐怖を感じる生き物として考える人は少なくないのです。
まとめ
今回のアンケート調査結果の上位の回答に共通する点は、「死や重篤な病気(怪我)への恐怖」だと言えます。訪日旅行の需要が増加する中で、訪日外国人の恐れや不安を解消し、安心して日本を旅行できるような環境づくりや情報提供が必要です。特に、自然災害や事故、病気などに関しては、多言語での具体的な情報と対応が必要であることが分かります。
Fast Train Mediaについて
インバウンド集客Webメディア「Tokyo Cheapo」と「Japan Cheapo」を運営し、訪日外国人に役立つ情報を英語で配信しています。現在のオーディエンス規模は、月間平均250万PV超、ユニークユーザー数100万人以上。多国籍チームが英語ネイティブの視点でコンテンツ制作を行い、「London Cheapo」(ロンドン)、「Hong Kong Cheapo」(香港)などの海外メディアも運営するグローバルに展開している企業です。
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