柔道の競技映像を分析ツールを用いて分析、実相を可視化することによって競技力向上のヒントを探索する研究論文を、鹿屋体育大学の小崎亮輔講師と小澤雄二教授が発表しました。本論文「 A case study of the use of match video analysis tools in Judo: Attempts of visualizing the competition realities of an athlete 」(
https://journal-digitallife.com/publications/special-issue/a-case-study-of-the-use-of-match-video-analysis-tools-in-judo-attempts-of-visualizing-the-competition-realities-of-an-athlete/
)は、日本発の国際学術論文ジャーナル「Journal of Digital Life」(
https://journal-digitallife.com/
)(運営:株式会社産経デジタル、代表取締役社長:土井達士)に掲載されています。
3つの仮説をたてて検証
柔道について競技映像を用いて分析を実施した事例は多くありませんが、競技力向上や対戦相手の分析、戦略の構築のためにも必要だと考えられます。本研究では、株式会社SPLYZAが提供している競技映像分析ツールであるSPLYZA TEAMSを使用し、対象選手A(大学生競技者)の競技実相を可視化することにより、競技力向上のヒントを探索することを目的としました。
SPLYZA TEAMSは競技映像を読み込ませ「タグ」という機能を用いて競技の評価要素を付けていきます。今回は「勝った試合の決着内容」「負けた試合の決着内容」「投げ技を仕掛けた選手」「試合内での投げ技の実施時間帯」など合計10のタグを設定しました。
A選手と研究チームはあらかじめ、
1.A選手は背負い投げと、背負い投げの準備動作に関連する小内刈りを多用している
2.試合の勝敗と自身の投げ技の数は関連がある
3.勝利した試合は背負い投げを多用している。つまり、敗退した試合は背負い投げを多用していない
との仮説をたてましたが、試合映像を分析した結果、仮説1以外は棄却されることとなりました。分析内容からは、仕掛ける投技の構成や数については修正する必要がないこと、負けた試合での投技は組手の状態が不利な状態で仕掛けている傾向があることなどが判明、選手の競技能力向上へのヒントとなりました。
※日本語による解説記事はこちら
「柔道選手自身のイメージと実際の競技に“ずれ”映像分析技術で検証、弱点気づかせる 鹿屋体育大・小崎講師が論文」(
https://www.iza.ne.jp/article/20240809-EDVXFBPBLJF6VK35TNQHW4FN6A/
)
※本論文に関するお問い合わせは「Journal of Digital Life事務局(info-digitallife@sankei.co.jp)」までお願いいたします。
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