ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供する高速光回線サービス「NURO(ニューロ) 光」 は、昨年に続き、9月1日の「防災の日」に先だって、2011年以降震度6以上の被災経験がある(以降、災害経験者)200名と、震度6以上の災害を経験したことがない(以降、災害未経験者)200名の計400名を対象に、「いざという時のインターネットの使い方」についてオンライン調査を実施しました。
2024年は大規模な地震や水害などの災害が発生していることから、いざというときに備え、人と情報へのつながり方について、改めて考えるべきタイミングと言えます。昨年に続き2回目の本調査では新たに、災害経験者を対象にした調査を行い、被災時は約7割もの方がインターネットの接続状況が芳しくなかったことが明らかになりました。さらに、在宅時と外出時ではインターネット接続状況に差異がみられ、外出していた方の約8割がインターネットの接続状況に支障が出たことがわかりました。
また、災害経験者と災害未経験者それぞれに、もし被災した場合に不安に感じる事象を聞いたところ、災害経験者は「コミュニケーションツールが使えない」ことに対して、災害未経験者は「情報検索ができない」ことに対して不安を感じるという傾向が新たに判明しました。
災害時に人や情報とつながるためには、日々の確認と事前の対策が重要です。しかしながら、調査では、インターネットに接続できなかった場合の対策ができていると回答したのがわずか2.5%に留まりました。ソニーネットワークコミュニケーションズは、昨年に引き続き、令和版「ネットの防災マニュアル」を公開し、いざというときに備える“人と情報とつながる備蓄”術を紹介しています。
<調査結果サマリー>
TOPIC①
災害経験者の7割の方が被災時にインターネットの接続状況が芳しくなかったことが判明。
災害時に在宅していた方の約5割、外出していた方の約8割がインターネット接続に支障をきたしたと回答。いつどこで被災するか分からないため、在宅・外出いずれも見越した“つながる備蓄”術を備える必要がある。
TOPIC②
災害時にインターネットにつながらないと不安になると回答した方は約9割にのぼる結果に。その環境下において、災害経験者の多数が「コミュニケーションツールが使えない」ことに不安と回答したのに対し、災害未経験者は「情報検索ができない」ことが不安だろうと予測する回答が多く、“実際の経験”と“未経験ゆえの予測”による不安には乖離が見られた。
TOPIC③
地震や水害などが続き、全体の8割が災害に対する警戒意識が高まったと回答。
また、30年以内に高確率で大地震が発生することを認知している方は昨年調査時よりも1割上昇。
防災意識は高まりつつあると言えるが、インターネットにつながらない場合の対策ができていると回答したのはわずか2.5%に留まった。
【専門家が監修した最新の“人と情報とつながる備蓄”術】
防災においては、何よりも災害を想定して備えることが重要です。 災害時にインターネットに接続できない状況においても”人とつながる備蓄”術 を、令和版「ネットの防災マニュアル」ではまとめています。 このマニュアルは、備え・防災アドバイザー ソナエルワークス代表 高荷智也氏とITジャーナリスト 井上トシユキ氏が監修しました。 また、両名からは備えに対するメッセージを頂戴しました。
<令和版「ネットの防災マニュアル」URL>
https://www.sonynetwork.co.jp/corporation/sustainability/socialactivities/anti-disaster/
<災害時に人と情報とつながるための対策>
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命を守る準備として重要な「情報収集」と「安否確認」の手段の確保
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非常時のスマートフォン(以降、スマホ) 利用のため、節電方法を知り、充電手段を確保することが重要
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災害時に使用できる通信手段の事前把握と冷静な利用
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外出時に災害に遭うことでインターネットが使えなくなる可能性も見越し、家族の連絡先はデジタルツール以外でも管理しておく
<調査概要>
調査手法:インターネット調査
調査名称:
NURO 光「いざという時のインターネットの使い方に関する調査 2024」
調査期間:2024年7月9日~2024年7月10日
対象者:①2011年以降に震度6以上の被災経験がある全国20代以上の男女200名
②震度6以上の被災経験がない全国20代以上の男女200名
<本リリースの引用・転載時のお願い>
調査結果を引用する際は「ソニーネットワークコミュニケーションズ」調べを引用元として記載ください。
【調査結果詳細】
TOPIC①
災害経験者の7割の方が被災時にインターネットの接続状況が芳しくなかったことが判明。
災害時に在宅していた方の約5割、外出していた方の約8割がインターネット接続に支障をきたしたと回答。いつどこで被災するか分からないため、在宅・外出いずれも見越した“つながる備蓄”術を備える必要がある。
災害経験者に、被災した際どこの場所にいたか伺ったところ、在宅・外出の回答がほぼ同数であったことがわかりました。(在宅:40.0%、外出:42.9%)また当時のインターネットの接続状況を聞いたところ、38.0%が「つながらなかった」、33.5%が「つながりづらかった」と回答し、約7割 (71.5%)が被災当時のインターネット接続環境に不便さを実感していたことが明らかになりました。
さらに被災当時、在宅していた方の約5割(55.6%) 、外出していた方の約8割(80.7%)が、インターネット接続に支障をきたしたと回答しました。
このように在宅・外出関係なく十分なインターネット環境を整えることが難しいため、災害時に備えた “つながる備蓄”術を把握しておく必要があります。
TOPIC②
災害時にインターネットにつながらないと不安になると回答した方は約9割にのぼる結果に。
その環境下において、災害経験者の多数が「コミュニケーションツールが使えない」ことに不安と回答したのに対し、災害未経験者は「情報検索ができない」ことが不安だろうと予測する回答が多く、“実際の経験”と“未経験ゆえの予測”による不安には乖離が見られた。
災害時にインターネットがつながらないと不安だと回答したのは全体の約9割 (88.1%)という結果になりました。不安な理由として最も多く挙げられた回答は、「コミュニケーションツールが使えず、家族や知人、同僚などの安否確認ができない」 (58.8%)ことであると判明しました。
さらに災害経験者と災害未経験者で、主な不安な理由を比較すると、災害経験者は「コミュニケーションツールが使えないこと」に関する回答が上位を占める一方で、災害未経験者は「情報検索ができないこと」に関する回答が目立ち、“実際の経験”と“未経験ゆえの予測”による不安には乖離があると分かる結果となりました。災害経験者が「コミュニケーションツールが使えない」ことに最も不安を感じたことからもわかるように、インターネットの個人利用が制限される場合に備えて、手書きのメモなどデジタルツール以外での連絡先の管理や、パソコンが設置されている避難所の把握等、 “人と情報とつながる備蓄”術が改めて重要であると考えられます。
TOPIC③
地震や水害などの災害が続き、災害に対する警戒意識が高まったのが全体の8割を占めた。
また、30年以内に高確率で大地震が発生することを認知している人は昨年調査時よりも1割上昇。防災意識は高まりつつあると言えるが、インターネットが接続しなかった場合の対策ができていると回答したのはわずか2.5%に留まった。
今年に入ってからも地震や水害などの災害が多数発生していることを受け、昨年と比較して災害に対する警戒意識を聞いたところ、19.0%が「とても警戒が高まった」、56.0%が「やや警戒が高まった」と回答し、約8割(75.0%)が警戒意識の高まりを感じています。
さらに、直近30年で南海トラフや首都直下地震など大地震の発生が高確率で予想されていることを知っているか聞いたところ、80.8%が「知っている」と回答し、昨年(74.3%)よりも1割ほど災害に対する警戒意識が高まりました。
人々の災害に対する警戒意識が高まっていることが明らかになった一方で、災害時にインターネットが接続しなかった状況に備え、実際に対策ができているという回答はわずか2.5%に留まりました。
■ “つながる備蓄”術に対する意識調査結果
災害時の情報収集には避難指示や気象警報、緊急地震速報の情報を得ることができる災害用アプリが有効です。災害用アプリのインストール状況について聞いたところ「インストールしている」と回答したのは25.3%と、昨年よりも4%増加していました。また、災害用アプリをインストールしている方の68.3%は災害時に備えて、実際にアプリを利用していました。
災害時の停電における”電気の備蓄”として、スマホを充電する機器を用意しているか聞いたところ、57.3%が「用意している」と回答し、昨年(50.8%)よりも対策が進んでいました。続いて、実際に用意している充電機器を聞いたところ、「繰り返し充電タイプのモバイルバッテリー」(58.5%)が圧倒的に多く、次いで、「乾電池式モバイルバッテリー」(16.6%)、「コンセントが使えるポータブル電源」(10.9%)の結果となりました。
携帯キャリアが災害時に無料開放する公衆無線LANサービス「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)は、スマホが圏外になったとしてもインターネットを利用することができます。公衆無線LANサービス 「00000JAPAN」を知っていると回答したのは13.8%と、昨年の調査結果(11.5%)とほぼ同水準の認知に留まりました。日頃からコンビニや駅などの公衆無線LAN「00000JAPAN」の提供場所を確認していると回答したのは17.3%となり、こちらも昨年(15.8%)と同程度の結果となりました。
【専門家によるコメント】
災害発生時の行動や、今からできる備えについて、専門家が解説します。
■備え・防災アドバイザー ソナエルワークス代表 高荷智也氏
「常時接続」が当たり前の社会における通信断絶の恐怖
かつては「目的を持って接続する」ものであったインターネットですが、光回線を始めとするブロードバンドやスマホの普及に伴い、「常時接続」が当たり前の時代となっています。「便りの無いのは良い便り」ということわざもありますが、昨今においては「既読の無いのは何かの知らせ」という状況に変わりつつあります。このような常時接続が当たり前となった社会では、災害において「人」のつながりが断たれることに大きな不安を覚えるようになりました。
調査結果によると、9割の方が災害時にインターネットにつながらないことに不安を抱いており、特に災害経験者は「コミュニケーション」ツールが使えないことに不安を覚えています。これは、常に身近な人の状況を確認できることが当たり前になった現代社会で、通信手段の重要性が増していることを示しています。災害時には心配ごとが山のように生じますが、少しでも不安を和らげるための対策として、コミュニケーション手段の維持が重要であると言えます。
情報手段の維持が重要だが、個々人の対策はまだまだ進んでいない
2024年の大震災を受け、約8割の方が災害に対する警戒意識が高まったと回答しましたが、具体的な通信手段の対策ができている方はわずか2.5%でした。コミュニケーション手段が失われることに対する不安を感じつつ、具体的な対策はできていない方が多いという状況が見受けられます。
このギャップを埋めるためには、災害時の情報通信に対する対策が必要です。例えば、モバイルバッテリーや乾電池充電器、ポータブル電源の保有が有効です。また、災害用電源ダイヤル171や公衆無線LAN「00000JAPAN」の活用、デュアルSIM回線の利用も推奨されます。本調査によりこれら対策の状況を定点調査することは、防災の視点においても大変有効です。
災害時のストレス緩和と命を守るための「通信と情報の防災」が必要不可欠
平時から令和版「ネットの防災マニュアル」の “人と情報とつながる備蓄”術 を確認
スマホとSNSの普及により、災害の状況が即座に報じられ、自身が被災していなくとも、家族と連絡が取れない場合や友人の安否確認ができない状況が、大きなストレスになっています。災害時に家族や友人とつながることは、双方の不安とストレスを緩和します。また、情報収集も命を守る行動として重要です。現代では常時接続が当たり前となっているため、これを失わないための準備が重要です。
令和版「ネットの防災マニュアル」には、平時に行うべき “人と情報とつながる備蓄”術 がまとめられており、特にスマホの維持については、ぜひ対策してみてください。
■ITジャーナリスト 井上トシユキ氏
災害時、慌てて “限られた通信” を消費せず、命を守る行動に集中しよう。
大きな地震や豪雨などの災害にあった時、通信基地局も同様に被害にあうことや、停電により機能しないことが想定されます。通信の集中などの問題が加わり、普段よりもさらにつながりにくくなることが予想されます。
今回の調査でも、災害経験者の7割以上がネットへの接続が困難な状況に直面しました。在宅していた約半数、外出時では約8割もの人がネット接続に支障があったと回答しています。このような事態になると生命の危険に直面している人からの発信や、自治体・公的機関の緊急連絡などに影響を及ぼす可能性もあります。
大規模災害時には「インターネットにつながない6時間が被災者を救う」と言われています。”限られた通信” を人命救助や救援に役立てるために、さしあたって生命の危機は避けられているなら、可能な限り、電話、インターネットでのデータ通信は控え、避難所への移動など命を守る行動に集中してください。いざ通信が可能となった時、安否確認など必要最低限な連絡ができるよう、落ち着いてバッテリーの温存にも留意しましょう。
東京都が公開している大規模震災時の想定では、ある程度の通信の復旧までに7日と見込んでいます。過去には、通信会社によっては早くて3〜5日である程度復旧したというケースがありましたが、ほぼストレスなく接続するには、やはり1週間程度かかると考えておきましょう。
また、被害の度合いなどさまざまな事情により、復旧のタイミングが通信会社によって異なることも予想されます。家族で複数台の携帯端末を持つ際、非常時に備えて、ひとつは異なる通信会社との契約をしておくことも一考の余地があります。
デマやフェイクニュースに惑わされず、救護、救援を妨げないネット利用を心がけて 。
今回の調査では、被災時にネット接続ができないことに対し、約9割の方が不安を感じていることが明らかになりました。災害経験者はSNSなどのコミュニケーションツールが使えなかったこと、未経験者は情報検索ができないであろうことを不安の理由として挙げています。
しかし、避難所や役所に行けば、安否や気象、現状についての情報が行政により掲示され、用意されたテレビや新聞からも現況を知ることができます。
さらに、ネット接続が可能でも安心とは限りません。最近では、災害に便乗したデマやフェイクニュースが多発し、AIを利用した真偽の判別が難しい画像や動画が拡散されています。公的機関からもこれに対する警鐘が鳴らされています。
被災時には、何よりも自分と周囲の人の命を守る行動が最優先です。デマやフェイクニュースを確かめる手段もなく、目にした情報をそのまま拡散すると、本当に有用な情報が埋もれてしまう恐れがあります。情報発信の際は緊急性や必要性に十分注意し、被災者の救護、救援を妨げないよう心がけ、身近な人と必要な情報につながることを第一に行動しましょう。
【令和版「ネットの防災マニュアル」について】
本マニュアルは、防災やインターネット分野の専門家による監修のもと、被災場所やインターネット接続状況に関係なく “人と情報とつながる備蓄”術をまとめたものです。パソコンやスマホからの閲覧だけでなく、PDF形式でダウンロードも可能です。印刷して手元に置いておくことで、インターネットがつながらない環境でも参照できるようにしています。
https://www.sonynetwork.co.jp/corporation/sustainability/socialactivities/anti-disaster/