アリババグループのデータ・インテリジェンスの中枢であるアリババクラウドは本日、同社独自のLLMモデルQwenが、資生堂のスキンケアブランド「DRUNK ELEPHANT(ドランク エレファント)」の中国における顧客対応強化アプリケーション「DRUNKGPT」に導入されたことを発表しました。これにより、ドランク エレファントは、商品の推奨からスキンケアのアドバイスまで、より繊細でパーソナライズされた対応が可能となります。
資生堂傘下ブランドである「ドランク エレファント」は、資生堂中国のデジタルトランスフォーメーションオフィスとともにアリババクラウドと提携し、独自のインタラクティブな消費者向けアプリケーションを開発しました。この取り組みは、革新的なデジタルエンゲージメントの機会を提供することで、より豊かなブランド体験を届けることを目的としています。その中核となるのは、消費者のスキンケアに関する懸念に対応し、パーソナライズされたアドバイスを提供する24時間365日対応のAI搭載スキンケアアシスタントです。
ドランク エレファント中国のブランドディレクターである蔡軼軒(アンディ・ツァイ、Andy Cai)氏は、次のように述べています。
「ドランク エレファントでは、お客様にユニークなショッピング体験を提供するため、リテール・イノベーションの開拓に取り組んでいます。アリババクラウドのAIの変革力を活用し、スキンケア小売業を新たなレベルに引き上げることができ嬉しく思います。アリババクラウドとのコラボレーションが、当社のブランド価値をさらに高め、テクノロジーに精通した若い消費者とのエンゲージメントを高めることに役立つと信じています。」
アリババクラウドジャパンのリージョナル・プロダクト・ディレクターであるロッキー・リュウ(Rocky Liu)は、次のように述べています。
「生成AIを導入し、ビジネスチャンスを模索する企業が小売業をはじめ、多岐にわたる業界で増加していることを目にしています。アリババクラウドは、インフラストラクチャから多様なAIモデル、AIアプリケーション開発のためのツールやサービスに至るまで、AI製品のフルスタックソリューションを提供できることを嬉しく思います。これにより、クライアント企業が急成長しているAIトレンドをより効果的に活用できるよう支援します。」
アリババクラウドの数千億のパラメータを持つ最新の基盤モデル「Qwen-max」を活用し、ドランク エレファントはDRUNKGPTという独自のカスタマーチャットボットを開発しました。このチャットボットは、新しい顧客エンゲージメントプラットフォームとして設計され、ブランドの哲学を伝え、スキンケアに関する顧客の問い合わせに対応することを目的としています。応答の精度と関連性をさらに向上させるため、DRUNKGPTはブランドの知識データベースを基にさらにトレーニングされ、SFT(Supervised Fine-Tuning、教師ありファインチューニング)、RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)、ベクターリコール、マルチエージェントフレームワークなど、アリババクラウドのさまざまなAIサービスで最適化されています。このデジタルイニシアティブは、ドランク エレファントの中国でのオフラインローンチイベントにも統合され、ブランド認知度を高めるとともに、中国市場における同ブランドの哲学である「成分引き算主義」への理解を促進します。
中国の消費者は、ドランク エレファントのミニプログラム内の「Drunk Moment」ページにアクセスできるようになりました。ユーザーはこのページでDRUNKGPTにアクセスし、テキストまたは音声入力で対話ができます。アリババクラウドの自動音声認識 (ASR) と音声合成 (TTS) 技術が音声対話機能を支え、チャットボットはテキストと音声の両方の形式でリアルタイムの応答を提供し、消費者とのエンゲージメントをさらに高めます。
2016年以来、アリババクラウドは資生堂の信頼できるクラウドサービスプロバイダーとして、中国で強力なソリューションを提供してきました。これには、クラウドネイティブなアプリケーション、エッジコンピューティング、セキュリティサービスが含まれ、ビジネス成長を支援しています。この強化されたパートナーシップは、クラウドコンピューティングやAIなどの先進技術を活用し、美と文化を通じて生活を豊かにするという両社の共通のコミットメントを強調しています。