分散型エネルギーの接続問題の解決からカーボンニュートラルを目指すEX4Energy株式会社(本社:東京都文京区 代表取締役社長 伊藤剛 以下「当社」)は、シリーズAとしてリード投資家の東京大学協創プラットフォーム開発株式会社とArchetype Ventures、ならびに三菱 UFJ キャピタル株式会社、DBJ キャピタル株式会社等を引受先とした第三者割当増資により、3.5億円の資金調達を実施いたしました。
分散型エネルギー時代の到来に向けて、大きな障壁となる「接続問題」解決を目指す
近年、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの導入拡大に加え、電力の安定供給を支える系統用蓄電池をはじめとした分散型エネルギーへの投資が拡大しています。また需給調整市場においては、2024年度から全商品の取引が開始され、更に2026年度からは家庭用蓄電池などの低圧リソースの参入が予定されるなど、家庭分野・法人分野それぞれにおいて、分散型エネルギーを活用した新たなサービスの創出・拡大が期待されています。
これらの分散型エネルギーを活用するには、自社が使用する監視制御システムと各エネルギー機器を接続する必要がありますが、現状においては接続における課題が多く、分散型エネルギーの活用を阻む壁となっています。
EX4Energyは、東京大学 生産技術研究所 野城智也教授・馬場博幸特任准教授の研究成果を活用し、この“接続問題”を解決する情報通信基盤「Public Power HUB(以下PPH)
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」を開発し、エネルギーサービス事業者と共同してその実装を目指しています。
Public Power HUBを活用した相互接続サービス「powerhubコネクトサービス®︎」
1)個別接続業務の負担を軽減
サービス事業者は、当社の相互接続サービスである「powerhubコネクトサービス
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」を利用することで、各メーカの接続仕様の差異を気にすることなく、太陽光発電や蓄電池などの分散型エネルギーと自社の監視制御システムを簡単に安価に接続することができます。また、新しい種別の機器を接続するためには、通信関連の接続仕様情報など各機器に固有の情報を登録し、機器がシステムに接続したことを確認するといった業務が伴いますが、同サービスはこうした機器登録・接続確認業務を含んだサービスとなっています。
2) PPH-NOCを通じたネットワーク監視
当社は、PPH-NOC(PPHネットワーク・オペレーション・センター)を通じて、サービス事業者のシステムと各分散型エネルギーがPPHを介して適切にメッセージの送受信を行えているかどうかを常時監視しています。もしメッセージ送受信に不具合が生じた場合には、PPHが持つ障害区間の切り分け機能を活用し、ただちに障害発生区間を特定し、障害解消のための対策を講じます。
3)セキュアな接続を実現
お客さまのサイトに設置された太陽光発電や蓄電池は、当社のモバイル専用網を介して、インターネット網にアクセスすることなくクラウドに接続します。これにより、太陽光発電や蓄電池など分散エネルギーは、インターネット網を通じたサイバー攻撃の直接的な脅威を回避することが可能になります。
これらの強みを活用し、太陽光発電システム事業者大手のオルテナジーとの共同開発や、大手エネルギー事業者等と連携した家庭用エネルギー機器の接続性を検証するプロジェクトなどもスタートしております。
この度調達した資金は、EX4Energyの事業基盤である「Public Power HUB」の機能強化及び人材採用を通じた体制強化に活用していく予定です。
<「powerhubコネクトサービス」活用事例>
安全性の高いモバイル専用網を低コストで導入、太陽光発電システム事業者大手オルテナジー社のモニタリングシステムへ提供開始
大手商社グループ企業におけるリアルタイムデータ取得ソリューション活用事例
大手電力会社、大手都市ガス会社が参画、家庭用エネルギー機器共同接続検証プロジェクト
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社のコメント
カーボンニュートラルの実現に向けて、分散型エネルギーの社会への浸透、それを活用したサービスの創出が望まれていますが、その実現に向けて課題はまだ多く、電力業界、事業会社、大学を始め幅広いプレイヤーが役割分担をしつつ、進めていく必要があると認識しております。EX4Energyは伊藤CEOを始め業界経験の長い人材が揃っており、各々の強みを活かして、この社会インフラの変革を力強く進めていく力をお持ちと認識しておりまして、その活動にご一緒できること大変光栄に考えております。
Archetype Venturesのコメント
これからの日本社会においてますます重要性を増していく分散型電力システムというインフラのセキュアな接続を提供するEX4Energyに出資させていただきました。
電力業界における深い知見とネットワークを有する伊藤代表という稀有な起業家と東京大学生産技術研究所発の情報通信基盤の掛け合わせに強いポテンシャルを感じています。
電力システムの中では協調領域と位置付けられるポジショニングの特徴を活かして、迅速な市場展開/浸透を実現できるよう、支援していきたいと考えています。
三菱 UFJ キャピタル株式会社のコメント
EX4Energyの資金調達ラウンドに参加できたことを大変喜ばしく思います。EX4Energyは分散型エネルギー社会の実現に向けてボトルネックとなる接続問題を解決する社会的意義の大きいスタートアップです。さらにEX4Energyの技術が社会実装されることで、送配電系統を含む電力システム全般がより強靭かつ持続可能な形にアップデートされることを期待しております。今後とも、MUFGのリソースを最大限活用し、EX4Energyのさらなる事業成長に向けて支援してまいります。
DBJ キャピタル株式会社のコメント
日本政策投資銀行(DBJ)グループでは、気候変動対応を最重要課題のひとつに位置づけており、2021年度からスタートした第5次中期経営計画において「GRIT戦略」を推進し、脱炭素社会の実現に向けた各種取り組みを行っています。今回の出資を通じて、経験豊富で熱意ある経営陣を中心に、EX4Energyが手がける分散型エネルギーの接続に関する各種課題解決に向けた取り組みをサポートし、ステークホルダーの皆様とともに、かかる社会の実現に貢献していければと考えております。
EX4Energy社 代表 伊藤のコメント
この度の資金調達により、当社の情報通信基盤「Public Power HUB」の機能をさらに強化し、当社の成長を支えるチームを拡充することが可能になりました。太陽光発電や蓄電池、電気自動車充電器などを活用した新たなサービスへの期待が高まる中、私たちはパートナー企業の皆さまと共に、新たな顧客価値の創出を通じて、分散型電力システムの実現に貢献してまいります。
EX4Energy株式会社について
分散型エネルギーの接続問題を解決することによって、新たなエネルギー産業の創出に必要な社会基盤を構築し、安定かつ持続的なエネルギー需給構造と既存産業の垣根を超えたイノベーション創出を目指します。
概要 分散型エネルギーを対象とした相互接続サービス
設立 2022年6月
所在地 東京都文京区後楽2-3-21 住友不動産飯田橋ビル 2階 GROWTH文京飯田橋
代表者 代表取締役社長 伊藤剛