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・三大都市圏の平均時給、初の1700円台へ。

・販売・サービス系は、夏商戦に備えた経験者募集が時給を押し上げ、過去最高を記録。

・高時給はスタッフの定着を支援する一方、一部では派遣会社の利益を圧迫する側面も。

概況解説

2024年7月度の三大都市圏平均時給は

1,702円

（前月比+12円・0.7％増、前年同月比+35円・2.1％増）で、過去最高時給を更新。集計を開始してからの10年間で、初めての1,700円台を記録しました。前年同月比を上回るのは23ヵ月連続です。

職種別では、

オフィスワーク・事務系

が1,655円（前年同月比+41円）で過去最高を更新。集客の難度が高まる中で、各社時給を引き上げる動きを取っています。実務経験や語学力を求める、外資系企業に就業する求人は特に時給が高く、平均の上昇をけん引しています。また、健康診断の予約受付やデータ入力、エアコンの修理受付や工事に関する電話対応など、時期的に需要が高まるポジションも派遣求人として多数登場しました。

販売・サービス系

も、時給1,615円（前年同月比+38円）で過去最高を記録。オフィス系同様に語学力が求められる「旅行関連」の求人が増えているほか、販売系は夏商戦の繁忙期に備えて、販売職経験者の獲得が急務に。時給を引き上げて募集を行なっていたため、平均が底上げされる結果になりました。最近ではスポットワーカーの活用も増加していますが、一定期間の勤務や職種経験が必要な場合には、引き続き派遣スタッフが重宝されています。

7月度の平均時給は初めての1,700円台を記録。10月に最低賃金の引き上げを控えていますが、既に大幅に上回った状態が続いています。待遇の改善は派遣スタッフの定着に寄与している一方で、派遣先企業への時給改善の交渉が叶わない一部の派遣会社にとっては、利益を圧迫する要因にもなっています。派遣先企業、派遣スタッフと長期的に良好な関係を築いていく上では、派遣会社のさらなる営業力や交渉力の強化が求められています。