アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、シグナル クオリティ アナライザ-R MP1900Aの機能を拡張し、データ転送速度80 Gbit/sを実現した最新USB通信規格「USB4® Version 2.0[※1]」(USB4 v2)向けレシーバテストソリューションの販売を開始いたします。本ソリューションにより、HD動画などの大容量データを転送するUSBデバイスを評価できるため、USB4 v2の普及に貢献いたします。
開発の背景
4K/8K HD動画の大容量データ転送や、AIを活用したIoT機器間の高速通信の需要増加により、データ転送速度の高速化が求められ、スマートフォンやタブレットPCと周辺機器との通信をサポートするUSB通信の高速化が必要になってきています。最新のUSB通信規格USB4 v2は、従来のUSB4 v1と比べ、データ転送速度が2倍に高速化されています。そのため、USB Type-C® [※2]ケーブルを介した、動画データのディスプレイやストレージドライブへの高速転送を、よりスムーズに行うことが可能です。
一方で、Baud[※3]レートの高速化とPAM3[※4]変調の採用により、USB4 v2通信時に生じるノイズや信号の揺らぎ(ジッタ)が、通信速度の低下や通信品質劣化を引き起こすことが考えられます。そのため、USB4 v2のレシーバ評価では、USBデバイスのデータ送信規格より高品質な信号を用いる必要があります。加えて、高品質な信号にノイズやジッタを擬似的に付加して通信品質の悪い状態を模擬して評価を行えるパターン発生器(PPG)が求められています。
製品概要
シグナル クオリティ アナライザ-R MP1900A
MP1900Aは、USB、PCIe、Thunderbolt、400 GbE/800 GbEなど、ハイスピードコンピューティングやデータ通信インタフェースのレシーバテストをサポートする高性能BERT[※5]です。
すでにUSB 3.2やUSB4 v1レシーバテストに対応済のMP1900Aは、新製品のPPGモジュールを追加することにより、USB4 v2へのアップグレードが可能です。
また、本モジュールによるPAM3出力信号は、低ジッタ・高品質波形性能により、確かなレシーバテストをサポートします。さらに、USB接続時に安定した通信状態を確立するためのトレーニング機能を評価するために、USB4 v2コンプライアンステスト仕様に追加された、Receiver Frequency Variation Training Testもサポートしています。
MP1900Aについてもっと詳しく
https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/products/mp1900a
USB4 v2テストソリューションリーフレットはこちら(PDF)
用語解説
[※1] USB4® Version 2.0
2022年9月に公開されたUSB(Universal Serial Bus)通信規格。信号方式は25.6 Gbaud、PAM3を採用。USB4®はUSB Implementers Forumの登録商標です。
[※2] USB Type-C®
2014年に策定された上下左右対称24ピンのUSBコネクタ。USB Type-C®はUSB Implementers Forumの登録商標です。
[※3] Baud
単位時間あたりの変調回数を表す単位。
[※4] PAM3
Pulse Amplitude Modulation 3の略。3値の電圧レベルで表現する信号方式の一つ。[※5] BERTBit Error Rate Testerの略。デジタル信号の誤り率を測定する測定器。
[※5] BERT
Bit Error Rate Testerの略。デジタル信号の誤り率を測定する測定器。
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