泉大津市は、今月23日から帰宅困難者対策として、南海本線泉大津駅に隣接する商業施設を一時滞在施設として活用することを決定。また、先月1日からは駅前ホテルの宴会場を避難所として利用する取組も開始。これにより、市内での災害時の帰宅困難者支援が強化します。泉大津市は災害リスクが高い南海トラフ地震防災対策推進地域であり、夏には野外音楽フェスが開催。人口7万3千人のまちに1
日最大2万人が来場するため、一時滞在施設の確保対策を進めてきました。協定締結式は8月23日に市役所で行われ、市長や地元企業の代表らが参加予定。
駅前の企業と連携!帰宅困難者に “安全な一時滞在施設” を提供
協定を締結するのは、不動産企業の株式会社KWS(代表取締役社長 川崎治)。同社が管理する商業施設「アルザタウン泉大津」(地下1階、地上6階)を一時滞在施設として活用することで、安全な場所を提供します。場所は現在、空き店舗となっている3階を想定。内閣府のガイドラインに基づいて、約1700人の受け入れが可能と見込んでいます。
また、7月1日から同社のグループ企業が経営する「ホテルレイクアルスターアルザ泉大津」の宴会場を台風の避難所として利用する取り組みも開始し、6月27日、市職員も運営方法を確認しました。駅前は多くの人が集まる交通の要所であり、民間企業との協力で帰宅困難者対策を強化していきます。
泉大津市の帰宅困難者対策強化の必要性/大型野外音楽イベントが市内に及ぼす影響
泉大津市が帰宅困難者対策を強化する理由のひとつは、県外からも多くのファンが訪れる野外音楽イベントが「泉大津フェニックス」で毎年開催されることです。
▼泉大津フェニックス
https://izumiotsu-phoenix.com/
8/31、9/1には関西を代表する野外ロックフェス「RUSH BALL」が予定されており、二日間で最大4万人の観客が泉大津市を訪れ、市内が賑わいます。過去には大型イベントを開催した市町で他府県からの来場者が帰宅困難者になった事例もあります。
実際、今年5月5日と6日に開催された野外音楽イベントでは、市が来場者アンケート(n=178)を実施し、回答者の42%の方が、徒歩帰宅が困難な「大阪府外」から来場と回答。帰宅困難者問題が差し迫った課題として浮かび上がっています。
【写真 / フェス開催時は駅前の様子が一変。会場行きシャトルバスに乗るため、駅を取り囲むように行列ができる。】
【写真 / 泉大津駅から徒歩10分。シャトルバス発着場 / シーパスパーク公園】