株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)は2024年7月17日、プライベートカンファレンス「FRONTEO AI Innovation Forum 2024」を開催しました。「特化型AI『KIBIT』の特異性がもたらすイノベーション 社会実装経験から培われた技術が切り開く未来」をテーマに、経済安全保障、国際訴訟・フォレンジック、ライフサイエンス、ビジネスインテリジェンスの各分野における、FRONTEO自社開発の特化型AI「KIBIT」搭載ソリューション導入企業による社会課題解決の事例、業界の最新動向、並びにKIBITの特異性について紹介しました。
本カンファレンスでは、ライフサイエンスAI、経済安全保障、ビジネスインテリジェンス、リーガルテックAIの4つの分野について計13の講演が行われ、企業・官公庁等の関係者を中心に、約800人に会場およびオンラインでご参加いただきました。なお、本カンファレンスの講演の一部は、アーカイブ動画として、FRONTEOウェブサイトの下記ページにて公開しています。
【FRONTEO AI Innovation Forum】
講演別では、三菱電機株式会社 専務執行役 CRO(法務・知的財産渉外、リスクマネジメント、経済安全保障、輸出管理、産業政策渉外担当)日下部 聡氏によるオープニングキーノート「経営戦略としての新しいリスクマネジメントの姿」が最も多くの参加者に聴講されました(表)。次いで、「AIを利用した競争法内部監査について」「有事・平時の不正調査実務とAI活用の現在・未来」などの視聴が多く、経済安全保障などに関するリスクマネジメントやコンプライアンス対策におけるAIの活用への社会的な関心の高さがうかがえました(全プログラムは文末参照)。
演題 |
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1 |
経営戦略としての新しいリスクマネジメントの姿 |
2 |
AIを利用した競争法内部監査について |
3 |
有事・平時の不正調査実務とAI活用の現在・未来 |
4 |
経済安保の最新国際動向と今後の展望 |
5 |
KIBITの独自性と新たな文献検索の幕開け |
オープニングトークでは、FRONTEO 代表取締役社長の守本が、専門家がAIを活用するための要件を踏まえ、専門家のインスピレーションを刺激し、高度な判断支援を通して社会課題解決に貢献するFRONTEOの特化型AI「KIBIT」の特異性について紹介しました(図1)。
基調講演では、三菱電機株式会社の日下部氏が、近年、国際秩序が激変する中での新たなリスクマネジメントの在り方を経営の視点から論じました(図2)。リスクマネジメント戦略は経営戦略の基礎であり、企業価値の毀損を回避しながら事業を拡大するには新たな規制や世界秩序に対応することが不可欠だと指摘した上で、実施すべき対策として①多様化するリスクの類型化・重点の明確化、②リスクに対する司令塔を設け制御態勢を組む、③意思決定プロセスを確立する、④AIを活用したデータドリブンのリスク制御、の4点を挙げ、「変化を単にリスクと捉えるだけではなく、AIという新たな武器を装備してデータドリブンのリスクマネジメント戦略を講じ、それを乗り越える先に新たな未来がある」と述べました。
CTO講演では、FRONTEO 取締役の豊柴 博義が、従来の自然言語処理技術の活用の成果が連続的発見にとどまっていることに対し、非連続的発見を導くアルゴリズムであるKIBITの特異性を解説しました。一例として、論文に記載のない疾患と創薬標的の関連の発見し、さらに、KIBITが概念類似性に基づき描出するネットワーク図を基に、極めて新規性が高くエビデンスに基づく仮説を作ることなども可能であると示した上で、「KIBITは、文章や会話データなどから、非連続的な発見を、セレンディピティを超えてシステマティックにユーザーに届けることができる。つまり、FRONTEOは、世界でまだ誰も見つけていない遺伝子と疾患の関連性を論文情報から体系的に見つけ出せる。」と強調しました。
分野別講演では、KIBIT活用による社会課題の解決への多様な貢献の事例が提示されました。ライフサイエンスAI分野では、自然言語処理AIの社会実装による、どこにいても必要なときに迅速に診断・治療を受けられる環境の整備を通した健康支援や、創薬において従来の論文検索では発見することのできない新規性の高い標的遺伝子探索の実現などの事例が紹介されました。また、ビジネスインテリジェンス分野では、顧客との面談記録のモニタリングへのKIBIT導入効果や、製造業におけるナレッジシェアと技能伝承、リーガルテックAI分野では、内部監査における有効なコンプライアンス・プログラム導入による不正の予防や早期発見・早期対処、監査の網羅性・効率性向上、負担軽減など、KIBITの社会実装によるベネフィットが紹介されました。
開催後に実施した参加者アンケートでは、回答者の96.6%が「興味深い内容であった」と評価しました(図4)。
FRONTEOは今後も現代社会の課題解決に挑む専門家の支援に注力し、その目的に資する技術革新・開発力の向上に取り組んでまいります。
【AI Innovation Forum 2024 講演一覧】
<オープニングトーク>
守本 正宏:株式会社FRONTEO 代表取締役社長
<基調講演>
「経営戦略としての新しいリスクマネジメントの姿」
日下部 聡氏:三菱電機株式会社 専務執行役 CRO(法務・知的財産渉外、リスクマネジメント、経済安全保障、輸出管理、産業政策渉外担当)
「人は「にぎわい」のエキスパート〜この進化をAIは学習できるか?〜」
大澤 幸生氏:東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻 教授
<CTO講演、テクノロジー講演>
「KIBITの独自性と新たな文献検索の幕開け」
「自然言語処理の課題を解決する独自技術」
豊柴 博義:株式会社FRONTEO 取締役/CTO、博士(理学)
<分野別講演>
ライフサイエンス分野
「SHIONOGIがKIBITの活用で描く世界」
柳川 達也氏:塩野義製薬株式会社 診断薬事業室 室長
「核酸医薬品開発における新規標的遺伝子探索に向けた自然言語処理AI/KIBITの活用」
杉本 正志氏:日東電工株式会社 全社技術部門 核酸医薬開発本部 薬物送達研究開発部
主任研究員 グループ長
「〈ビデオメッセージ〉Springer Nature and FRONTEO: Collaborating for Innovation in Drug Discovery」
Prathik Roy氏:Product Director, Data Solutions & Strategy, Springer Nature, Ph.D.
経済安全保障分野
「経済安保の最新国際動向と今後の展望」
井形 彬氏:東京大学 先端科学技術研究センター 特任講師
ビジネスインテリジェンス分野
「イオン銀行のAI旅路 ~KIBITとの出会いから現在まで~」
小杉 剛雄氏:株式会社イオン銀行 法務・コンプライアンス部 部長
草野 貴文氏:同 人事部 部長
「デジタル技術を用いた技術・技能伝承」
野中 帝二氏:トリニティプログラム 代表
リーガルテックAI分野
「AIを利用した競争法内部監査について」
愛甲 剛士氏:旭化成株式会社 法務部 法務第2グループ長
「有事・平時の不正調査実務とAI活用の現在・未来」
沼田 知之氏:西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 弁護士
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日米特許取得)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、KIBITの技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。
KIBITの独自技術およびアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障、リーガルテックAIの各分野で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。資本金3,048,772千円(2024年3月31日時点)。
※FRONTEO、KIBITはFRONTEOの日本における登録商標です。