ポーラ・オルビスホールディングス(本社:東京都中央区、社長:横手喜一)は、温泉宿のお湯について、化粧品研究の肌分析技術を活かして肌の角層や皮脂への作用を科学的に分析し、これまでに見つかっている6つの美肌泉質に加え、この度、7つ目の美肌作用を発見しました。本知見は、温泉を肌科学の視点で見つめ直し、さまざまな温泉を分析して導き出されました。また、これに伴い美肌泉質の温泉施設を検索できるウェブサイト「美肌温泉ガイド」を新たに公開しました。
これまで未確認だった新たな美肌泉質を確認
美肌温泉プロデュースタスクフォースでは、角層や皮脂への作用に注目して実際にお客様の肌にふれる浴槽に注がれる温泉水の肌への作用を評価しています。この度、「角層細胞に働きかけ肌の保護機能を高める作用」と、「不要な皮脂を取り除くクレンジング作用」の両方を併せ持つ温泉※1が新たに見つかりました(図1)。これは今までの分析で見つかっていなかった新しいタイプの作用です。
※1 東京・太田区 黒湯天然温泉(SPA&HOTEL和
https://spa-nagomi.com/
)
計7種となった美肌泉質の分類
美肌温泉プロデュースタスクフォースでは、今回発見された美肌泉質を「第7の美肌泉質」として認定しました。この泉質を加えると、現時点で確認できている美肌泉質は計7種となります(図2)。
ウェブサイトで効果や所在地から温泉宿を検索可能
この度新たに、研究知見をまとめたウェブサイト「美肌温泉ガイド」を公開しました。ご自分にぴったりの温泉をお肌の調子やお好みに合わせて探したり、異なる作用の温泉を組み合わせ「きき湯」を計画したり、地域別に探したりと、ユーザーのさまざまなニーズに応えるサイトです。ぜひ多くの方にご活用いただきたいと考えています。
今後も、肌への効果実感や満足感、温泉選びの楽しさなど、温泉の魅力をより感じていただける研究活動を進めてまいります。
美肌温泉ガイド
【補足資料1】 美肌作用の分析について
本研究では、各温泉の角層や皮脂に着目して影響を分析し(図3)、分析結果から、角層細胞への作用と皮脂を取り除く作用の組み合わせにより温泉の美肌効果を7タイプに分類しています(図4)。
【補足資料2】分析方法
●角層細胞への作用の分析
41℃の温泉水または精製水をろ紙に含ませ、腕に10分間置いた(図5)後、角層細胞を粘着テープで採取し染色・観察しました。肌のうるおい力や保護力との関連が分かっている「角層細胞のはがれ具合・大きさ・形」をもとに温泉の作用を判定しました。
●皮脂への作用の分析
皮脂成分の一つであるオレイン酸を付着させたろ紙を41℃の温泉水または精製水に16~18時間浸し、その後ろ紙に残った油分を染色・観察しました。不要な皮脂は肌トラブルの原因となるため、適切に取り除く必要があります。