エイベックス・アライアンス&パートナーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:丹雅彦、以下、AAP)が主催し、高校ダンス部日本一を決定する「avex presents DANCE CLUB CHAMPIONSHIP 第12回全国高等学校ダンス部選手権 (以下、DCC)」と公益財団法人 日本漢字能力検定協会(本部:京都市東山区/代表理事:山崎信夫、以下、漢検協会)が協力し、本年度より漢字二文字の作品テーマを評価する「ベストストーリーテリング賞」に、大阪産業大学附属高等学校の「人為(いつわり)」へ初の表彰を行うことを決定いたしました。
決勝大会に出場した 37校がそれぞれの思いを持って作品テーマを漢字二文字で表現しており、独創性の高い作品も多く見られましたが、その中で「漢字への理解をどのように表現するのか」という観点で審査を進め、選定されました。
■「ベストストーリーテリング賞」新設の背景
DCCは全国の高校ダンス部の頂点を競い合う大会で、2013年から始まり本年度で第12回を迎えます。開催当初より、漢字二文字で表したテーマを2分30秒以内のダンス作品で表現して競うことを特徴としていますが、昨年度は新たな取り組みとして、書道パフォーマンス甲子園とのコラボレーションを実施。決勝進出校の作品テーマを書き下ろしていただく等、漢字を使った表現を大切にして参りました。
また、漢検協会は「今年の漢字🄬 」や「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」といったイベントやコンテストなどを通じて、日本語・漢字の奥深さや面白さを広く啓蒙しています。この度、DCCの文化的、教育的意義にご賛同くださり、漢字二文字の作品テーマの審査にご協力いただきました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000221.000025862.html
■「ベストストーリーテリング賞」受賞校
大阪産業大学附属高等学校(大阪府)
作品テーマ:人為 いつわり
テーマ説明:
気づかぬ内に良い顔ばかりをする仮面をつけてしまっていませんか?
それは、他人を傷付けない為なのか。
それとも自分を傷付けない為なのか。
正体を隠して上辺を取り繕う
良い顔をして、人の心に傷をつけて逃げるようなやつを私は許さない。
▼受賞理由
【人】と【為】を組みあわせると【偽】になることに着目し、「気づかぬうちに良い顔ばかりする仮面」に現れる偽善性をクローズアップする視点が秀逸と感じられました。人の本質を巡っては古くから性善説と性悪説があり、漢字では性善説が【人】+【言】(ことば)=【信】(まこと)に、性悪性が【人】+【為】(おこなう)=【偽】(いつわり)に具現化されます。人間の本質を鋭くとらえるこの認識がダンスのテーマに投影され、多感な時期ならでは悩みが、肉体的躍動によって昇華されてゆくことを願います。
■審査員総括
最終選考まで進んだテーマには、「唄鱗(セイレーン)」などユニークな作品や、「夢溢(ゆめだらけ)」「走破(ランナウェイ)」など高校生ならではのアグレッシブな作品もありました。みなさんの思いを表現した漢字二文字を評価することはとても難しかったのですが、漢字一字や言葉の意味が、惜しくもテーマ読み・テーマ説明と不一致な部分が見られました。「唄鱗(セイレーン)」では、「歌」ではなくなぜ日本の民謡を想起する「唄」を選んだのか、「夢溢(ゆめだらけ)」では肯定的に使われる「溢(あふ)れる」を、否定的な意味合いが強い「だらけ」としたのはなぜか、「走破(ランナウェイ)」ではなぜ「走り通すこと」という意味の走破に、「逃げること」という意味のランナウェイと読ませているのかなど、皆さんが漢字とテーマにかけた思いを想像しながら審査に臨みました。
第 12 回大会より新設された賞で通常の審査とは異なる視点になりますが、漢字や言葉の意味と、皆さんが表現したいイメージを繋ぎ合わせる視点を持っていただくことで、ダンスそのものの表現力・独創性を高めることに貢献すると信じています。
山崎信夫(漢検協会代表理事)
阿辻哲次(漢検 漢字博物館・図書館館長、漢検 漢字文化研究所所長、京都大学名誉教授)
本賞をきっかけに、更なる漢字への理解と漢字から生まれる表現力の可能性を改めて考えていただける機会になることを願っております。
エイベックスでは、今後もダンス文化への貢献や、次世代を担う高校生にダンスを通じた社会経験の機会の提供を目指して参ります。
▼「avex presents DANCE CLUB CHAMPIONSHIP 第12回全国高等学校ダンス部選手権」概要
DANCE CLUB CHAMPIONSHIPは全国高等学校のダンス部の頂点を決めるダンスのイベントです。漢字二文字に込められたテーマの表現力、技術力、独創性などを競います。
公式サイト https://dcc.avex.jp/