株式会社オンワードホールディングス(本社:東京都中央区 代表取締役社長:保元 道宣)は、業務効率化とワーク・ライフ・バランスの実現により生産性を向上することを目的に、2019年8月から社員の働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」 を推進しています。この度、2023年度の成果を発表します。
2023年度はこれまでの取り組みが奏功し、同プロジェクトを実施している中核事業会社の株式会社オンワード樫山において、女性執行役員2名の登用や、部長職の男性社員において初めて2週間の育休取得などを実現。また、平均勤続年数が、プロジェクトスタート前の2018年度と比較して3年11か月増加しました。さらに、当社で働く人財への投資を強化するため、販売職の新人事制度による平均昇給率10%アップや、60歳定年を迎えたスキルの高い販売人財が、長期にわたって適切な待遇で働き続けられる仕組み「ストアマイスター制度」の導入を行いました。
今後も、オンワードグループは、多様化するマーケットの変化に対応した事業戦略を推進するために、組織・人財プラットフォーム改革を実行し、「社員の多様な個性をいかしたお客さま中心の経営」の実現を目指し、 「働き方デザイン」 を推進していきます。
【2023年度の主なトピックス】
-
リーダーにおける女性比率50%をめざした取り組みを実施。2024年3月、女性執行役員を2名登用へ
-
部長職の男性社員において初めて2週間の育児休暇を取得。男性育休平均取得日数は91日に
-
人事制度の見直しを実施。販売職における平均昇給率10%を実現、初任給も16%アップ
-
「D&I AWARD 2023」において最高ランク「ベストワークプレイス」に認定
-
多様な人財の活躍を推進する各種制度の活用
■取り組み内容
1.リーダーにおける女性比率50%をめざした取り組みを実施。2024年3月、女性執行役員を2名登用へ
2030年度までにリーダーにおける女性比率50%をめざし、様々な取り組みを継続して実施しています。その結果、2024年3月に女性の執行役員を2名登用し、リーダーにおける女性比率は29.4%(※1)となりました。
① 「メンター制度」の本格導入
「メンター制度」とは、経験豊かなメンター(役員・先輩社員)が双方向の対話を通じて、メンティ(後輩社員)のキャリア形成上の課題解決や悩みの解消を援助して個人の成長をサポートする制度です。メンターが面談スキルなどの研修を受けた後に、メンティとのメンタリングを隔週で実施し、経営幹部候補の育成を目指しています。
2023年度はメンターとして役員16名、メンティとして部長職7名、課長職9名が参加しました。
② ダイアログ・セッションの実施
代表取締役社長の保元と部長職の女性社員が集まり、すべてのステークホルダーにとってプラスとなるダイバーシティ推進について課題の共有と解決策を議論する機会を設けました。
◆参加した社員の声
「社長が何を考え、どのような女性活躍を思い描いているのか、直接対話することによって理解を深めることができました。形ばかりではないか、世の中の流れにとりあえず乗ることが目的ではないかなど、全く根拠のない思い込みを払拭できたこと、社長の迷いや疑問など、本音を聞くことができたことなど、双方の思いを共有でき、オンワードが進むべき方向に一歩近づけたように感じました。」
「セッションに参加した女性社員同士での情報共有・業務改善の場が増えていることも有効であり、今後は、女性活躍推進がオンワードの新たな一歩に繋がるよう、積極的に業務改革をしていきたいと考えています。」
③ 全役員に対する心理的安全性研修の実施
オンワードグループのすべての役員が参加し、フラットな組織風土とコミュニケーションを醸成するための研修を2022年度から継続して行っています。
④ キャリアプランニング研修の実施
女性の経営幹部候補が参加し、ダイバーシティの中でより自分を活かせる働き方・考え方を身につけ、これまでの管理職像にとらわれないキャリア形成を考える研修を2022年9月から実施しています。
2. 部長職の男性社員において初めて2週間の育児休暇を取得。平均取得日数は91日に
2019年に「男性育休100%宣言」に参加のうえ、男性社員の育休奨励に努めてきました。
2024年1月には、当社として初めて部長職の男性社員が2週間の育休を取得しました。また、男性育児休暇の平均取得日数は91日(※2)となりました。
【2週間の育休取得をした部長職 第一カンパニー自由区Div.中山さん】
「年初に待望の長女が誕生し、2週間の育児休暇を取得しました。改めて育児の大変さを実感するとともに、新たな視点と知識を得た貴重な体験となりました。今しかない家族との貴重な時間を過ごすことをバックアップして頂けた会社と職場メンバーに感謝しています。」
【育児休業取得促進に関するこれまでの当社の動き】
・2014 年 配偶者の出産日や退院日、子供の1歳の誕生日に休暇を推奨する育児奨励休暇を設け、対象者への育児休業および育児奨励休暇取得の通知や、産休取得前の面談および復職前の面談を実施
・2014 年 「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣より「くるみん」認定を取得
・2019 年 「男性育休 100%宣言」に参加のうえ、男性社員の育休奨励に努める
・2019 年 社員の働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」をスタート
・2020 年 男性育休取得率が 2 年間で 7.7%→20.0%(※2)へと向上
・2021 年 「管理職向け男性育休研修」実施
・2022 年 「プレパパママセミナー」実施
・2022 年 「仕事と育児の両立支援ガイドブック」を制定
・2024 年 部長職の男性社員において初めて2週間の育児休暇を取得
3. 人事制度の見直しを実施。販売職における平均昇給率10%を実現、初任給も16%アップ
当社で働く人財への投資を強化するため、人事制度を2024年3月から順次改定しています。
お客さまの満足度をより向上させるためには、接客やサービスを提供する販売力の強化が欠かせません。当社は、お客さまとの接点であるファッションスタイリスト(販売職)が、ファッション業界にとって最も重要な存在であると考えており、販売の最前線で活躍するオンワード樫山の2,451名のファッションスタイリスト(販売職)の人事制度を大幅に見直し、人財のモチベーションアップを図るとともに、初任給を引き上げることで、採用面も強化しました。
-
年収を平均10%アップ(上限なく高い給与水準を目指すことが可能な仕組みへと変更)
-
初任給を24.0万円*へ3.3万円アップ(+16%)(2025年卒採用より適用)*首都圏/4年制大学卒
4. 「D&I AWARD 2023」において最高ランク「ベストワークプレイス」に認定
「D&I AWARD 2023」とは、D&Iに取り組む企業を評価する認定・表彰制度です。「ジェンダーギャップ」「LGBT」「障害」「多文化共生」「育児・介護」の5つの要素で構成された独自の評価指標で採点し、スコアに応じて認定が授与されるもので、当社の女性活躍推進の取り組みや仕事と育児・介護の両立支援などの取り組みが評価され、最高ランク「ベストワークプレイス」に認定されました。
<参考資料>プレスリリース:「D&I AWARD 2023」において最高ランク「ベストワークプレイス」に認定
5. 多様な人財の活躍を推進する各種制度の活用
① シフト選択制
社員が仕事とプライベートのバランスをとりながら充実感をもって働くことができる環境を目指すために、2022年9月から、13種類のシフトの中から個人で勤務時間を決定する「シフト選択制」を導入しています。
【第一カンパニーTOCCA Div. 販売Sec. 波多野さん】
基本シフトは、9:50~18:30。
用事がある時に、8:00~16:40を選択。
「大好きな宝塚のディナーショーへ出かけるときや、愛犬の病院へ行きたい時などにシフトを変更しています。これまでは早退しなければ行くことができなかった場所にも、フルタイムで出勤してから行けるので、働き方の幅が広がりとても働きやすくなりました。」
② 副業制度
社内の通常業務では得られない知識・スキルを習得することで社員のキャリアアップにつなげるため、2022年7月から副業制度を導入しています。
【秘書広報室・広報Div.兼サステナブル経営Div. 髙橋さん】
副業:ベリーダンサー・インストラクター
「シフト選択制を活用して平日にもイベント出演やレッスン業を行えるようになり、働き方の幅が広がりました。副業を始めたことによって、同等の張り合いと責任感をもって本業にも向かい合うことができていると感じています。」
③ ストアマイスター制度
60歳定年を迎えたスキルの高い販売人財が、『ストアマイスター』として、長期にわたって適切な待遇で働き続けられる仕組み「ストアマイスター制度」を2023年度からスタート。初年度は14名を『ストアマイスター』に任命しました。
【「J.PRESS」 岡島店勤務 土屋さん】
「1982年に入社、お客さまとの関わりで自分の人生も豊かになる「販売」という仕事が楽しく、ここまで続けられたと感じています。“マイスター”という形で、会社に認めてもらえた喜びで更に大きなモチベーションも生まれました。今後は、経験を活かしてマイスターの活動に邁進します。お客さまにはもちろん、会社にも、周りの人達にも「オンワードのおもてなし」が伝わるように。全ては笑顔のために。」
■人財Div. ダイバーシティ推進Sec. 青木 莉菜 コメント
多様なマーケットの変化に対応するため、ひとりひとりが個性をいかして活躍できる組織づくりの推進を行っています。2019年に「働き方デザイン」プロジェクトをスタートし、フラットな組織風土の醸成や働きやすい制度の制定を行ってまいりました。女性執行役員2名の登用や勤続年数の増加などあらゆる面で成果として表れていると感じております。
2024年度はこれまで中核事業会社の株式会社オンワード樫山を中心に行ってきた「働き方デザイン」プロジェクトをオンワードグループ内でさらに波及し、多様な人財が活躍できる企業を目指してまいります。
■「働き方デザイン」 とは
業務効率化とワーク・ライフ・バランスの実現により生産性をあげることを目的に、社員が自発的に取り組み、働き方を変化させていくという当社の働き方改革プロジェクトです。2019年8月からスタートし、現在まで週に一度、普段一緒に仕事をするチーム単位で「自分たちがより良い働き方をするために何をすべきか」を考える会議(通称:カエル会議)への取り組みや、多様な働き方を支えるための環境づくりを行っています。
【これまでの当社の 「働き方デザイン」 に関するプレスリリース】
・2021年7月 オンワードの働き方改革プロジェクト 「働き方デザイン」 の取り組みと成果を発表
・2021年8月 「働き方デザイン」 改革の対談イベントを開催、約 180 名が参加
・2022年3月 出産・育児に関する制度や休暇を周知するための 「ガイドブック」 を制定
・2022年8月 【オンワードの働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」2021年度数値公開】
・2023年5月 【オンワードの働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」2022年度数値公開】
・2023年12月 「D&I AWARD 2023」において最高ランク「ベストワークプレイス」に認定
・2024年2月 人的資本投資を強化するため人事制度を改定
(※1)オンワード樫山原籍の総合職における数値
(※2)「働き方デザイン」対象者における数値
■株式会社オンワードホールディングス概要
1927年に樫山純三が大阪で「樫山商店」として創業しました。現在は、「23区」「五大陸」「チャコット」など数多くのブランドを国内外で展開しています。「ヒトと地球(ホシ)に潤いと彩りを」というのミッションステートメントのもと、ファッションを基軸とした事業から、新しい価値の創造と、人々の豊かな生活づくりへの貢献を目指しています。
代表者:代表取締役社長 保元 道宣
所在地:〒103-8239東京都中央区日本橋3丁目10番5号オンワードパークビルディング
設立:1947年(昭和22年)9月4日
事業内容:純粋持株会社としての、ファッション領域、ウェルネス領域、コーポレートデザイン領域における国内事業、海外事業を営む傘下関係会社の経営管理およびそれに附帯する業務