株式会社TNCが運営する「TNCアジアトレンドラボ」(https://tnc-trend.jp/)では、韓国・中国・台湾・タイ・インドネシアのアジア5地域で、Z世代の間で「いまキテる!これからクル!」日本のカルチャーについて、Z世代に対するヒアリングや実態調査を行いました。
トレンド感度の高いアジアのZ世代が、いま注目している日本のカルチャーをキャッチすることで、日本のカルチャーのプレゼンスと、アジアのそして各国のZ世代の価値観を探ることを目的としています。
調査結果の詳細をまとめた資料は下記からダウンロードいただけます。
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■アジアのZ世代が注目する“日本のカルチャー”5選
【音楽】YOASOBI/藤井風・King Gnu・羊文学
アジア各国の総合ではYOASOBIを選定。各国での選出はインドネシアのみでしたが、これは台湾・タイではすでに人気が定着しているということで選外に。いまアジアで最も影響力のある日本のアーティストということで選びました。YOASOBIが圧倒的な人気の中、タイではTikTokなどのSNSをきっかけに藤井風が、台湾では「呪術廻戦」や「【推しの子】」というアニメをきっかけに、King Gnu や羊文学の注目度が上がっています。
【アニメ】ちいかわ/ハイキュー!!
アニメは東アジアと東南アジアではっきりと2つに分かれたため、「ちいかわ」と「ハイキュー!!」を選定。
「ちいかわ」は、韓国と台湾で爆発的な人気になっています。日本のエンターテインメントの親和性や、「Kawaii」に惹かれる感覚などが見てとれます。
「ハイキュー!!」は、タイとインドネシアで選出。どちらの国も「友情」をポイントに上げる人が多く、両国は主要な宗教はことなりますが、Z世代が感動するポイントに共通点がありました。また、このアニメを通して「男子バレーボール日本代表」に興味を持つ人が増えているのも共通点です。
【ゲーム】プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク
中国・タイ・インドネシアと3か国で選出。「原神」など中国初のゲームの人気が高まっている中で、「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」は子どもから大人まで幅広い年代から支持されています。なお「原神」を日本のゲームと認識している人も多くいました。
【著名人】男子バレーボール日本代表
男子バレーボール日本代表が、「ハイキュー!!」と同様にタイとインドネシアで選出。両国での人気はアイドル並みで、推しの選手をSNSなどで応援をするファンが急増しています。男子バレーボール日本代表に”リアルハイキュー!!”を感じているようです。
【食べ物】スイーツ系
日本食人気の高いアジア各国。さまざま注目されているものは多いですが、共通して人気なのがスイーツ系です。アイスやパフェのほか、和菓子や日本のお菓子などを好む人が多くいます。まだ自国に入って来ていない「まだ見ぬスイーツ」を、SNSで発見して注目している傾向もあります。
ここからは各国の5選と、一部のトピックを抜粋してご紹介します。
各国の詳細は「調査レポート」の資料をご確認ください。
■韓国のZ世代が注目する“日本のカルチャー”5選
【音楽】青い珊瑚礁/80~90年代の日本の音楽
2024年6月に東京ドームで開催された公演と7月の音楽番組で、New JeansのHANNI(ハニ)が松田聖子の「青い珊瑚礁」を、HYEIN(ヘイン)が竹内まりやの「PLASTIC LOVE」という日本の80年代の名曲をカバーし、韓国国内でも大きな反響を呼びました。
【アニメ】ちいかわ
サンリオ人気が高い韓国で、人気が急拡大している「ちいかわ」。ペンケースやスタンプ、ステッカー、キーホルダーなど豊富な種類のキャラクターグッズが販売され、「癒される、とにかくかわいい」とポップアップストアも盛況です。韓国限定グッズも話題となっています。
■中国のZ世代が注目する“日本のカルチャー”5選
【音楽】90年代アーティストの音楽
中国で2021年にシティ・ポップのブームが起こり、Z世代が日本の音楽に注目するようになりました。そこから「親世代(70〜80年代生まれ)が好きだった音楽を聴いてみたい」と、J-POP全盛期だった90年代のアーティストに関心を持ち始めています。
特に宇多田ヒカルは「どのアルバムもとてもよい。天才だと思う」と高評価を受けています。近年、音楽好きな若者たちに人気なのが「FUJI ROCK FESTIVAL」。2023年以降中国人来場者が増加。中国でもライブ配信も人気で、ライブ配信で見たアーティストに興味を持つケースも多く、折坂悠太や七尾旅人、羊文学、坂本慎太郎、曽我部恵一などが注目されました。
【ゲーム】プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク
2024年6月にリリースされた中国版『初音未来:缤纷舞台』(プロジェクトセカイ カラフルステージ!feat. 初音ミク)が大ヒット。初音ミクは2012年に中国初ライブを開催以来大人気で、2024年7月に北京、上海、広州で開催されたツアーではライブ配信の視聴者が8,304万人に上りました。「たくさんのキャラの中から自分っぽいキャラを選べ、友達とも遊べる。曲数も多く難易度もバランスがいい」と、男女共に人気があるゲーム。初音ミクのグッズを持つ小中学生も多く見かけられます。
■台湾のZ世代が注目する“日本のカルチャー”5選
【音楽】King Gnu/羊文学
人気アニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」のオープニングに起用されたKing Gnuの「SPECIALZ」は〝洗脳メロディー〟と話題になり、人気が定着。4月6、7日に台湾で開催したライブの収益を、4月3日に発生した花蓮地震への支援として全額寄付すると発表したことで、音楽ファン以外にも知名度を上げました。
エンディングに「more than words」が起用された羊文学の注目度も高まっています。震災の翌日である4月4日に台湾でライブを行った事も話題になりました。現在放送中の『【推しの子】』第2期のエンディング曲に「Burning」が起用されたことで、「YouTubeでも聴くようになった」と新たなファンを開拓しています。
【アニメ】ちいかわ/【推しの子】
日本の流行を取り入れるスピードがどの国よりも早いと言われている台湾で、ブームとなっているのが日本の人気キャラクター「ちいかわ」。子どもや女性のみならず、「自分の生活のワンシーンと重なり共感できる」と、Z世代男性をも魅了しています。YouTubeで更新される日本語版アニメはすぐに中国語に翻訳され、ファンページで公開される状況です。
アニメファンから推す声が強かったのが「【推しの子】」。「ただのアイドルアニメではないストーリーで、第二期が始まっていまアニメファンがネット盛り上がっている」と、ちいかわとは違った層から支持されています。テーマソングに起用されたYOASOBIの1月に開催されたライブは、チケットが数秒で売り切れた事がネットで大きく報じられました。
■タイのZ世代が注目する“日本のカルチャー”5選
【音楽】藤井風
2022年頃から藤井風の「死ぬのがいいわ」が、「曲の雰囲気がとにかく良い」とタイのTikTokやInstagramで投稿されトレンドに。「曲も本人もかっこよくて、大好き!」「歌詞の意味を知ってさらに引き込まれた」とZ世代の間で藤井風が人気になり、多くの熱烈なファン“Kazetarians”が誕生しました。
【アニメ】ハイキュー!!
Netflixなどの動画配信サービスで視聴されている『ハイキュー!!』が、タイで大人気。タイではバレーボールが身近なスポーツで、『ハイキュー!!』が描くリアルな練習風景とプレイが、「メンバーも同じように頑張っているのが感じられ、応援できるところが好き」と心を掴んでいます。「体の動きがプレイの参考になり、練習が楽しくなった」と、バレーボールをするきっかけにもなっているようです。
■インドネシアのZ世代が注目する“日本のカルチャー”5選
【音楽】YOASOBI
YOASOBIの「夜に駆ける」が、「ユニークなテンポと一般的でない内容の恋愛ソングが新しく感じられる」と、インドネシアでも大人気に。
2024年1月にジャカルタで開催されたコンサートのチケットは瞬時に売り切れるほどでした。コンサート当日は、インドネシアの地方都市のみならず、シンガポールなどの隣国からもファンが押し寄せ、ジャカルタの街中は大渋滞し、会場近くは交通麻痺状態に。インドネシア人は音楽が好きで、昔のヒット曲を時代や世代を超えて聴き続ける習慣があるので、YOASOBI人気は今後も長く続くと考えられます。
【著名人】バレーボール男子日本代表/髙橋藍
アニメ『ハイキュー!!』人気をきっかけに、バレーボール男子日本代表に興味を持つ人が増えています。バレーボールはインドネシアで認知度が低いスポーツで、テレビなどで観る機会も限られていました。しかし、「『ハイキュー!!』をきっかけに日本人選手のことを調べて、髙橋藍選手が好きになった。試合も観戦している」など、オリンピックなどの国際大会の放送や結果を楽しみにするファンが急増。少し欧米感を感じる顔立ちの髙橋藍選手がインドネシア人女性に人気になっています。
調査結果の詳細をまとめた資料は下記からダウンロードいただけます。
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■調査概要
調査方法:TNCアジアトレンドラボ、現地Z世代に対するヒアリング、ライフスタイル・リサーチャーによる定性調査
調査時期:2024年7月~8月
調査対象者:各国主要都市に在住する、カルチャー・トレンドに敏感なZ世代
調査実施機関:株式会社TNC(https://www.tenace.co.jp/)
■株式会社TNC
各国の高感度層で構成される現地ボードメンバーと共にグループインタビューやリサーチを定期的に行い、ウェブサイトで情報発信や分析を行う『TNCアジアトレンドラボ』を2015年8月よりサービス開始。また70カ国100地域在住600人の日本人女性ネットワーク『ライフスタイル・リサーチャー』を主軸とした海外リサーチ、マーケティング、PR業務を行う会社です。現地に精通した日本人女性が、その国に長く暮らさないとわからない文化や、数字に潜む意味をひもとき、日本人が未だ知らない斬新なモノやコトを探すインバウンズ、日本企業が進出する際のベースとなるリサーチ・アウトバウンズや、現地の人たちの暮らしぶりや生活習慣のレポートから、海外におけるヒント探し、市場レポートなど幅広く対応します。また、レポートに基づいた視察のアテンドも行っています。
■問い合わせ先
株式会社TNC TNCアジアトレンドラボ編集部 木下・大川・上木原
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