日本の色のスペシャリストであり「伝統とモダンの融合」をコンセプトとして、和紙や麦わらを使った現代アート作品の発表を続けているアーティスト魚田昌美は、2024年8月27日(月)、初の書籍 『歴史とともに楽しむ日本の美しい色 古代からたどる287の伝統色』を河出書房新社から刊行、全国の書店で販売を開始しました。
私たちの日常は、色で溢れています。そうした日々当たり前に存在する「色」に対して意識を向けると、日本ならではの美しい色である「伝統色」に出合うことができます。日本の伝統色は、四季折々の自然と日本人が持つ豊かな感性の中で育まれてきた色彩で、古来より染織物や建築、陶芸、絵画、文学など、暮らしや文化の中に取り入れられてきました。
本書は、そうした美しい伝統色を、日本の歴史をたどりながら解説します。
これまでの「伝統色の解説本」は、学者や研究者による専門書が一般的でした。それに対して本書では、デザイン制作において伝統色と深く関わってきた著者のキャリアを生かし、実務経験者の目線から、伝統色を紐解いています。古代から近代までの歴史を簡単におさらいしながら、その時代に親しまれた色、逸話が面白い色、ネーミングが独特な色など魅力的な色たちを、わかりやすく解説しています。
伝統色の知識を得るだけでなく「伝統色は今も身近に満ちている」という気づきと、色の持つ魅力を存分に感じることができる、日本の美しい色を知るための「最初の一冊」として最適な書籍です。
■ 本書の特徴
日本の色の「美しさ」「面白さ」「魅力」が満載!
日常を豊かにする日本の伝統色の世界
本書は、日本の歴史を6つの時代に分けて「歴史とともに楽しむ」というコンセプトのもと、各時代に関わりのある日本の美しい色を優しく温かみのある文体で分かりやすく紹介しています。日本人がもつ豊かな感性や遊び心にも思いを巡らせ、深堀りが必要な内容は「もっと詳しく」として別途解説し、理解をさらに深められる点もポイントです。
また、伝統色の美しさを視覚的に感じていただけるよう、豊富な図版をオールカラーで掲載しています。伝統色彩で創り出された著者作品なども章扉で使用することで、知識を養うだけでなく「目で見る楽しみ」も味わっていただけます。
さらに、著者と関わり深い京都と城崎温泉での「所縁(ゆかり)の町で見つけた日本の色」や「時代×現在をつなぐ」などの読み物コラムも充実させました。現代でも伝統色を感じる視点を取り入れることで、読者が日常的に日本の色彩を楽しむきっかけができる、従来の「伝統色の本」とは一味違う構成です。伝統色を通して、日本人の美意識や文化に触れるだけでなく、日常をより豊かにする楽しさを詰め込んだ一冊だといえます。
■ 著者の紹介と本書刊行の背景
日本人が持つ素晴らしい色彩の魅力を
新たな視点で伝えたい
プランニングの仕事で色彩を扱ってきた著者が、伝統色と深くかかわるきっかけとなったのが、2016年に連載がスタートした新聞コラム「色いろいろ」でした。当時、すでに色彩講師の仕事もしており、伝統色にはある程度の知識があった著者は、伝統色を一日一色紹介する「色いろいろ」を執筆するにあたり、改めて文献や書籍を読み込んだところ、日本の伝統色の面白さに一層気づかされることになります。
現代に生きる我々には思いもつかない視点からのネーミングや、天才的な芸術家が作る色の世界観、何より「季節」と「物語」が掛け合わさった日本人の豊かな感性が作りだす色彩に感動し、これがのちの伝統色彩を使った現代アートの制作へとつながりました。
しかし、現在の日本で伝統色と関わりが深いのは、和装や伝統芸能、 民藝、日本画の世界など、かなり限定的です。今の洋風化したライフスタイルの中ではうまく生かしきれていません。そこで著者は、「日本人が持つ素晴らしい色彩を生活の中に溶け込ませたい」という思いから、本格的にアーティスト活動を開始します。
その後、色彩講師やアーティストとしてのキャリアを積んだ実務経験者の目線から伝統色を解説することで、学者や研究者が書く専門書とは違った視点で、その美しさや魅力を伝えられるのではないかと考えるようになります。
伝統色は、決して古臭いものではない——、伝統色の事を知らない人が初めて本書を手にとり、その美しさや面白さを感じられる内容、尚且つ今もいろいろな場面で見かける日本の伝統色に興味を持ち、ご自身の生活の中に「日本の色彩を取り入れる」きっかけとなる一冊を届けたい。そうした思いから、本書を執筆することになったのです。
■ 本書の構成・概要
日本の美しい色の魅力が詰まった一冊!
歴史とともに楽しむ287の伝統色
本書は、以下の構成となっています;
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第1章 古代 始まりの時代
古代の色、神話の色、魔除けの色、古墳時代の色と、色の始まりから染色の始まりまでを紐解く。
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第2章 飛鳥・奈良 彩の時代
国の形が整い、中国の文化を吸収した時代。顔料系の色と染料系の色、日本初の「色」による身分階級制度などをわかりやすく解説。
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第3章 平安 雅の時代
優雅な貴族社会の全盛期。「国風化」で日本的な美意識が熟成、優艶で繊細な色彩や、自然の移ろいに心をはせる日本人の美しい感性が育んだ色を紹介。平安貴族女性たちの衣服配色マニュアルも図解しながら丁寧に解説。
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第4章 鎌倉・室町・安土桃山 勇壮の時代
武士階級が実権を握る時代。簡素で力強い色から、舶来志向の北山文化、「わびさび」の東山文化、派手で華やかなものを好む時代へと移り変わる色を紹介。
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第5章 江戸 粋の時代
町人が経済的な主導権を握る時代。日本初の流行色「推し」の役者色、「四十八茶百鼠」、多彩な藍染の色、など富裕な町人たちが粋と遊び心で生み出した多くの流行色を紹介。
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第6章 近代(明治・大正・昭和初期) 洋風化の時代
近代化した西洋から、くすみのない合成染料が入り大きく変わった色彩を紹介。筆者が主観で選んだ「おもしろ色名10選」では、知ればますます楽しくなる由来を解説。
■ 書籍概要
発売日:2024年8月27日(月)
価格:2,090円(本体1,900円+税10%)
出版社:株式会社河出書房新社
編集協力:株式会社アルク出版企画
全国の書店、ネット書店などでご購⼊いただけます
Amazon : https://amzn.asia/d/fWyz3rY
■ 著者プロフィール
魚田昌美
日本の色のスペシャリスト、アーティスト。京都市生まれ。
京都・嵯峨美術短期大学、東京・文化服装学院卒業。東京でファッション、インテリアのブランドデザイン・プランニング業務に長く携わる。2013年、京都に U ターンしたことをきっかけに、日本古来の色彩に関わる企画に取組み、2016年に伝統色を一日一色紹介する新聞コラム「色いろいろ」の連載をスタートさせる。同時に日本の伝統色を取り入れたアート作品の制作を開始した。
2020年には、城崎温泉に「ギャラリー2626キノサキ」をオープンし、作品を常設展示している。日本の伝統色彩を国内外に紹介するために、「伝統とモダンの融合」をコンセプトとして、和紙や麦わらを使った現代アート作品の発表を続けている。
京都嵐山と城崎温泉との二拠点生活中。
【公式サイト】
魚田昌美
WEBサイト: https://www.masamiuotaart.com
Instagram :https://www.instagram.com/masami.uota/
【本件に関するお問い合わせ先】
企業名:株式会社アルク出版企画(本書編集担当)
広報担当:三崎登美代
TEL:050-3593-8829
Email: info@arcpublishing.jp