菅公学生服株式会社(本社:岡山市北区駅元町 代表取締役社長:尾崎 茂)のカンコー学生工学研究所と、株式会社クリスタルロード(東京都中央区日本橋 代表取締役社長:加藤 路瑛)の感覚過敏研究所が共創した、感覚過敏※1の子どもたちが安心して着用できる「やさしいワイシャツ」が、この度、第18回キッズデザイン賞(主催:特定非営利活動法人キッズデザイン協議会)を受賞いたしました。
※1 感覚過敏…視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などが非常に敏感で、日常生活に支障が出る状態のことをいいます。
キッズデザイン賞は、「子どもたちが安全に暮らす」「子どもたちが感性や創造性豊かに育つ」「子どもを産み育てやすい社会をつくる」という目的を満たす、製品・サービス・空間・活動・研究の中から優れた作品を広く社会に発信していくことを目的に2007年に創設された賞です。「やさしいワイシャツ」は「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門」で受賞いたしました。
2024年9月25日(水)に第18回キッズデザイン賞表彰式が開催され、受賞作品の中から、最優秀賞「内閣総理大臣賞」など優秀作品の表彰式が行われる予定です。
カンコー学生服は、これからも「すべての子どもたちが心身ともに快適でいられる制服」を目指し、取り組みを続けてまいります。
■開発背景・取り組み
カンコー学生工学研究所では、「誰一人取り残さない制服・体操服作り」を目指し、まだ可視化されていない・広く知られていない子どもたちの悩みを調べていくうちに「感覚過敏」という言葉に出会いました。感覚過敏ゆえに制服が着られず、不登校になってしまう子どもたちがいるという事実も知りました。子どもたちの学校生活に寄り添うものであるはずの学校制服が、一定数の子どもたちの困り感を生んでしまっている。そんな現状を変えたいと強く思い、商品開発をスタートさせました。
商品開発は、「感覚過敏研究所」所長であり、感覚過敏の当事者でもある加藤 路瑛さんとの共創によって進められました。制服にはさまざまなアイテムがありますが、肌に一番近いワイシャツに焦点を当て、「みんなと同じものが着たい」という子どもたちの思いを大切にしながら、アンケートやヒアリング調査を行い、縫製仕様・素材感・デザイン面から4つの課題を抽出しました。
4つの課題にアプローチした「やさしいワイシャツ」は、感覚過敏や敏感肌、アトピーの子どもたちが安心して着用できるよう、肌触りの良い生地を使い、肌側の凹凸を極力減らした長袖シャツです。やわらかい襟周りのつくりや肌に触れにくい縫製方法を採用し、着心地を重視しました。生地は綿100%で、細く長い品質の高い糸を使用しているため、非常になめらかな仕上がりで、シワになりにくくお手入れも簡単です。
■商品名
やさしいワイシャツ
■商品概要
学校、会社、冠婚葬祭などのオフィシャルでの正装が必要な場面で、感覚過敏や敏感肌、アトピーによってワイシャツ着用にお困り事をお持ちの方のために、縫製仕様や素材で肌への刺激を軽減したやさしい着心地とフォーマルなデザインを兼ね備えた、ワイシャツです。
感覚過敏や敏感肌で悩みを抱えている方にとっても、そうでない方にとっても、「着たい」という気持ちに寄り添えるワイシャツであることを目指しています。
■着眼点
「誰一人取り残さない制服・体操服作り」を目指して。
感覚過敏とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などが非常に過敏で、日常生活に支障が出る状態のことをいいます。当事者への調査から、「感覚過敏ゆえに制服が着られず、不登校になってしまう子どもたちがいる」「感覚過敏という言葉の認知度がまだまだ低く、周囲に理解されなかったり、自分が感覚過敏だと気づいていない人もいる」「みんなと同じものが着たいと思っている」といったことがわかり、学生服メーカーとして困りごとを解決したいと考えました。
■商品特長
①縫い目やタグなどが肌に触れないデザイン
・生地の端を巻き込む「巻き伏せ縫い」を採用。フラットな縫い目で肌への刺激を減らしました。
・裾の生地端を外側に折り込んでおり、折り込み部分が肌に当たらないようになっています。
・首元についていることが多いタグはすべて外し、サイズなどの必要な内容はケアラベル(肌に当たらない胸ポケットの内側に取り付け)に記載しました。
②首回りを締め付けないやわらかな襟元
・襟をひとつのパーツで仕立てることで、段差はもちろん、生地の厚みや縫い目も大幅に減らしました。
・型崩れ防止や耐久性を高めるため、生地の内側に貼る芯地もやわらかさにこだわりました。
③ハイグレードな綿100%の生地
・長さも細さも最上級のコットンを使用し、やわらかく着心地の良い風合いです。
④着心地とフォーマル性の両立
・着心地を良くする様々な仕様を盛り込みつつ、外観は従来のカッターシャツと大きく変わりません。
・一番上のボタンを外しても襟元が開きすぎないボタン間隔にこだわりました。
■共同研究者
加藤 路瑛(かとう じえい)さん
2006年2月生まれ。今春より大学生。
株式会社クリスタルロード代表取締役。
自身の困りごとである「感覚過敏」の課題解決に向き合い、13歳の時に感覚過敏研究所を立ち上げ、商品・サービスの開発・販売、感覚過敏の研究や啓発に力を注いでいる。感覚過敏課題解決アパレルブランドKANKAKU FACTORYを展開。
その他、感覚過敏に関する書籍や講演、学会発表など多方面で活躍中。
■販売について
オンラインショップ限定販売
カンコーショップ原宿オンライン:https://shop.kanko-gakuseifuku.co.jp/view/item/000000000646
カンコーショップ原宿楽天市場店:https://item.rakuten.co.jp/kanko/kn220713/
アイテム:男子長袖シャツ
素材:綿100%
サイズ展開:S、M、L
■第18回キッズデザイン賞
主催:特定非営利活動法人キッズデザイン協議会
後援:経済産業省、内閣府、消費者庁、こども家庭庁
表彰部門:
・子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門
・子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門
・子どもたちを産み育てやすいデザイン部門
https://kidsdesignaward.jp/constitution/english.html
■キッズデザイン賞とは
キッズデザイン賞は、「子どもたちが安全に暮らす」「子どもたちが感性や創造性豊かに育つ」「子どもを産み育てやすい社会をつくる」という目的を満たす、製品・サービス・空間・活動・研究の中から優れた作品を選び、広く社会に発信していくことを目的に2007年に創設されました。
子ども用にデザインされたものはもちろん、大人・一般向けに開発されたものでも、子どもや子育てに配慮されたデザインであればすべてが対象です。
■キッズデザイン協議会とは
キッズデザイン協議会は、次世代を担う子どもたちの安全・安心の向上と、健やかな成長発達につながる社会環境の創出のために、さまざまな企業、自治体、研究教育機関、医療・デザイン関係団体が業種を超えて集うNPO法人です。
設立年月日:2007年4月2日
会長:坂井和則(TOPPANホールディングス株式会社 代表取締役副社長 執行役員 COO / TOPPAN株式会社 取締役)
■カンコー学生工学研究所とは
子どもたちを「カラダ」「ココロ」「時代」「学び」の4つの視点で見つめるカンコーの「学生工学」という考え方。この考えのもと基礎研究を行い、時代性、子どもたちの成長、嗜好などを調査し、新たな価値を創出することが私たちカンコー学生工学研究所の使命です。また社外にも門戸を開き、思いを共にする企業や研究機関と共創することでこれからの活動をさらに深め、学生たちや保護者の方々、学校・地域社会の皆さまが求める 「学生にとって本当に価値あるもの」を創出していきます。そして、その先にある安心で快適な学生生活の実現を目指します。
https://kanko-gakuseifuku.co.jp/lab/
■菅公学生服株式会社
1854年(安政元年)創業。学校制服・体操服を通じて、子どもたちと学生生活を支えるすべての人々に寄り添い、さまざまな社会課題を解決するスクールソリューションカンパニーです。