ハイケム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:高潮(たか うしお)、以下ハイケム)は、トウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)繊維「HIGHLACT®(ハイラクト®)」を、9月18日(水)・19日(木)に、イタリア・ミラノで開催される国際的な糸とテキスタイルの見本市『第62回 Filo(以下「フィロ」)』に出展いたします。
ハイケムのフィロへの出展は、昨年9月、今年2月に続き3回目となります。今回の出展を通じてPLA繊維「HIGHLACT®(ハイラクト®)」の、石油由来ポリエステルに代わる新たなサステナブル素材としての更なるプレゼンス向上を目指します。
「HIGHLACT®(ハイラクト®)」は、2021年の発表以降、日本や欧米マーケットを中心に市場開拓を進めてまいりました。現在では、PLA繊維のサステナブルな特性とハイケムの優れた繊維化の技術力が評価され、幅広いブランドからの採用が始まっています。
また、ハイケムは、ヨーロッパおよびアメリカにおけるプレゼンスを強化するため、現地の生地工場やブランドとのパートナーシップ構築、人材と製品開発への投資、そしてリーチ向上のため、ツールやコミュニケーションの現地化に取り組んでいます。これらの活動を通じて、「HIGHLACT®(ハイラクト®)」の2025年度からの本格的な採用を目指します。
【出展概要】
The 62nd edition of Filo
会期:2024年9月18日(水)・9月19日(木)
会場:Allianz MiCo: Milano Convention Centre
Gate16・Via Gattamelata5, Milan・Italy
当社ブース:C1
トウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)繊維「HIGHLACT®(ハイラクト®)」とは?
− ポリ乳酸(PLA)のマーケット
2023年における世界のPLA生産能力は、年間約80万トンです。ポリエステルの原料であるPETの世界生産量は約8,000万トンとされており、未だ代替には至りませんが、現在、中国を中心に大型PLAプラントの建設が進行中です。発表されている増産計画を合計するだけでも、2025年には年間約130万トンにまで生産能力が増加する見込みです。
− PLAのエコフレンドリーな特長
1. トウモロコシ由来の土に還る繊維
PLAは、生分解性プラスチックの一種であり、微生物の働きにより水と二酸化炭素(CO2)に分解されるため、廃棄時の環境負荷が低いことで知られています。また、原料であるトウモロコシは成長過程でCO2を吸収するため、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)の実現にも貢献します。
2. 石油由来の繊維に比べ原料製造時のCO2排出量が少ない
PLAは、石油由来の素材に比べ、製造時のCO2排出量が少ないことから、サステナブルな素材として注目されています。例えば、世界の繊維生産量の約6割を占めるポリエステルの原料であるPETに比べ、PLAのCO2排出量は72%少なくなります。これにより、ポリエステルからの置き換えが進むことで、CO2排出量の削減が期待できます。
『第62回 Filo(フィロ)』出展製品
ハイケムが開発したフィラメント糸、スパン糸、ニット糸などの最新コレクションを展示します。また、ハイケムが今般開発に成功した靴下用の糸やPLA100%のフリース、デニム、チノなども展示します。
PLA糸最新コレクション
◀︎ PLA100%ニット糸
ハイケムが開発する、PLA100%のフィラメント糸、スパン糸、ニット糸のコレクションを展示します。また、PLAにコットンやテンセル、紙をブレンドした糸も展示します。
PLA100%フリース
ハイケムが約3年の開発期間を経て完成させたPLA100%のフリース生地。石油由来の素材をPLA繊維に置き換えることで環境負荷低減につながります。
靴下用糸
靴下は伸縮性が必要なため、通常裏糸としてポリウレタンの周りにナイロンやポリエステルを巻き付けたものを使用します。今般の開発品は、ナイロンやポリエステルの代替としてPLAを使用し、環境負荷を低減させました。また、PLAは弱酸性で抗菌性を有しているため、靴下などの衛生用品に適した素材です。
デニム・チノ
デニムやチノ生地は主にコットンから製造されています。コットンの製造には大量の水と殺虫剤などの薬品が使用されるため、代替としてPLA繊維を使用することで生地製造にかかる水と薬品の使用量軽減につながります。