東京理科大学(学長:石川 正俊)は、創立150 周年(2031年)に向けた本学の歴史を振り返る企画として、21人の創設者たちの功績を辿る連続企画を開催しています。
昨年開催した初代東京物理学校校長の寺尾壽没後百年を記念した企画展につづき、今年はシリーズ第2弾として、中央気象台(現在の気象庁)で日本の気象事業の発展に貢献した中村精男と和田雄治に焦点を当てます。
中村は、第3代中央気象台長を28年間務め、同時期に、本学の前身である東京物理学校の第2代校長を34年間務めました。和田は、中央気象台では台長に次ぐ職位に就き中村台長を支え、ともに気象事業の推進に尽力しました。
本企画では、彼らが1880年にお雇い外国人のメンデンホールらとともに行った日本初の本格的な富士山での重力測定実験を紹介し、未知の分野であった高山観測や気象観測を切り拓いた歴史を紐解きます。また、富士山で初の冬季レスキューと言われる、野中到(至)・千代子を救助した和田の功績についても紹介します。
常設展も含めて、どなたでも予約不要・無料でご見学いただけますので、ぜひご来場ください。
皆様のご来場をお待ちしております。
関連トークイベントも開催しますので、詳細は企画展HPをご覧ください。
企画展概要
-
期間:2024年9月26日(木)~12月14日(土)
-
開館時間:水・木・金 12:00~16:00 /土 10:00~16:00
-
休館日:日曜・月曜・火曜・祝日
-
場所:東京理科大学 神楽坂キャンパス 近代科学資料館 2F多目的室
(〒162-8601 東京都新宿区神楽坂1-3) -
主催:東京理科大学 近代科学資料館
-
展示協力:一般財団法人日本エスペラント協会/ウースター工科大学(WPI)/気象庁大気海洋部 観測整備計画課気象測器検定試験センター/萩博物館/新宿区立新宿歴史博物館/認定NPO法人富士山測候所を活用する会/東京海洋大学明治丸海事ミュージアム/福島県二本松市教育委員会
展示の見どころ
1882年の日本気象学会の創立とともに刊行が開始された機関誌「気象集誌」をはじめ、「中央気象台欧文報告」「日本環海海流調査業績」など、中村の蔵書を中心とした明治・大正期の本学所蔵の書籍を紹介します。
そのほか、ロビンソン式風力計や転倒ます雨量計、自記温度計などの観測機器、富士山測候所建設の寄付金を募るため作成された冊子「富士山巓観象臺」、世界共通言語としてのエスペラント語の普及に尽力した中村への追悼集としてエスペラント語で書かれた論文集「Verkoj de D-roNakamura」など、企画展に際し各所から借用した貴重な資料も展示します。
関連トークイベント
-
「近代気象学の先駆者・中村精男:吉田松陰と松下村塾の影響を踏まえて」講演
10月26日(土) 14:00~15:00
講 師 牛見 真博(大島商船高等専門学校 教授) -
「富士山での大気観測」講演
11月9日(土) 15:00~16:00
講 師 三浦 和彦(東京理科大学理学部第一部物理学科 嘱託教授/NPO法人富士山測候所を活用する会 理事長)
東京理科大学 近代科学資料館
近代科学資料館は東京理科大学創立110周年を記念して平成3年11月に故二村冨久氏(昭和16年東京物理学校理化学部卒・二村化学工業株式会社の 創立者:現フタムラ化学株式会社)のご寄付により建設されたものです。明治39年に本学ゆかりの地である神楽坂に建設された東京物理学校の木造校舎の外観を復元しています。東京理科大学では、この建物に二村記念館の副称を付け、永くその意志を称えることとしました。