発達障害グレーゾーンの困りごとを大人に持ち越さないことを目指すリサーチ機関「パステル総研」を運営する株式会社パステルコミュニケーション(本社:東京都豊島区/代表取締役:吉野加容子)は、祖父母との関係を解析するアンケート調査を実施。同居はしていないご家庭が85%だった一方で毎週子どもが祖父母と接触している家庭が32.8%でした。また、「祖父母が子どもの特性を理解しない」が母親の悩み第1位ということが分かりました。TOP5と合わせてアンケート結果をご報告します。〈https://desc-lab.com/186452/
発達グレーゾーンの困りごとを大人に持ち越さない、5年かかっても見つからなかった悩みの解決方法が5分で見つかることを目指す「パステル総研」です。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、「第 1 子が 3 歳になるまでの間に夫妻の母親(子の祖母)が子育ての手助けをした割合は上昇しており、夫婦全体(総数)では 2015~18 年生まれの子どもで 57.8%であった。子育ての担い手として祖母の存在は重要な位置を占めている。…3割程度の夫婦が夫、妻の父親から子育ての手助けを受けており、祖父も子育てにおいて一定の役割を果たしている。 」ことがわかりました。(2021年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)図表 9-4-1よりhttps://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16_ReportALL.pdf)
祖父母が子育てに関わる機会が増えていることがわかります。しかしながら、発達障害グレーゾーンのお母さんからの相談の中で多く聞くことの1つにも、祖父母との関係があります。そこで問題を解決していくために、発達障害グレーゾーンの子育てをするママが、実際にどのような困りごとを抱えているのかアンケート調査を実施しましたのでご報告いたします。
【調査概要】
調査期間:2024年8月16日~8月18日(2日間)
回答者:パステル総研読者/メルマガ読者、Nicotto!塾生、発達科学コミュニケーショントレーナー・リサーチャー 計107名
調査方法:インターネット調査
祖父母とお子さんは同居していますか。
ほぼ毎日と週に数回を合わせると32.8%が週に毎週必ず接触していることがわかりました。月に数回が29%で、近すぎず遠すぎない距離感があるようです。年に数回が35.5%で、物理的に祖父母宅から離れているご家庭も少なくないことが伺えました。
祖父母とお子さんの関係で困りごとを抱えていますか。
このように65.4%の方が祖父母との関係で困りごとがあると回答しました。
過去に困りごとはあったが現在は解消したという方も含めると76.6%の方が祖父母と困りごとを持った経験があると言うことになります。
祖父母と子どもが接触する頻度別に困りごとがある割合を見てみました。
祖父母と子どもが接触する頻度が、ほぼ毎日だと5.25%が過去に困りごとがあった、89.5%が困りごとがあると回答。合わせると94.75%が困ったことがあったことになります。
週に数回では、18.75%が過去に困りごとがあった、62.5%が困りごとがあると回答。 合わせると81.25%が困ったことがあることになります。月に数回では16.1%、61.3%、合わせて77.4%。年に数回では7.9%、57.9%、合わせて65.8%と接触する頻度が少なると困りごとがあると回答された方の割合は減っていました。
ほとんど接触がない方は、66.7%が困りごとがあると回答され、困りごとがあるためにほとんど接触を取らないようにされている可能性も伺えました。
接触頻度が多いとそれだけ関係も密になるので、困りごとを持つことが多くなってくることが伺えます。
祖父母との関係に初めてお悩みを持ったのはいつですか。(困りごとが現在もある方の回答)
1年未満は12.6%で、3-4年が14.6%と一番多く、1-4年の間を合計すると37.5%、5年以上を合計すると45.8%でした。大半の方々が長期間に渡って祖父母とお子さんとの関係に困りごとを抱えていることがわかりました。
何歳の時から祖父母と子の関係に困りごとがありますか。
5歳からが一番多く15.5%、次に1歳からが12.1%、10歳から10.3%と続きました。小学校に入学する6歳では6.9%で、小学校1年生までに49.9%が祖父母とお子さんの関係の困りごとを持ち始めていることが伺えました。
10歳は「10際の壁」と呼ばれ、学習面の難易度が上がり、発達障害・グレーゾーンの子どもが自信を失いやすい時期です。親でさえも子どもとの対応の仕方を試行錯誤する必要がある時期なので、祖父母との関係にも困りごとが現れていることが想像できます。
5歳は、ASDやADHDの特性があることがはっきりとしてくることが多く、ママと祖父母の間の認識のズレがあったり、祖父母が子どもへの悪循環になりがちなしつけの対応をし続けたりといった、困りごとが現れたりしていることが想像されます。
◆祖父母との関係の困りごとトップ5
身内である祖父母と子どもの関係に困りごとがあると、心配です。
「祖父母とお子さんの関係に困りごと」があると言っても、厳しすぎると言った困りごとから、甘やかしすぎると言った困りごとなどさまざまです。
困りごとがある・あったと回答された82名の方に、具体的にどんな困りごとか当てはまるものを答えていただきました。
◆1位「祖父母が子どもの特性を理解しない」49.4%
「祖父母が子どもの特性を理解しない」を困りごとと捉えている方が一番多く半数近くの方が選ばれました。
具体的なエピソードを伺ったところ、
✓普通の子と何にも変わりないといつも言われます。これが発達障害の特性で本人が困っていると伝えても「へぇ、でも私の頃なんてそんな子たくさんいたけどね。今は違うんだね。」と言われます。
✓息子の状態は、母親の愛情不足だと言われたこと。
難しい子育てに日々奮闘して頑張っているところに、「普通の子と何も変わりない」「母親の愛情不足」と祖父母に言われてしまうと現状を否定されたような感じがして、とても辛いものです。
◆2位は「祖父母が子どもを否定する」 43.2%
第2位「祖父母が子どもを否定する」 を43.2%のママが選びました。
具体的なエピソードとしては、
✓宿題をしない、ごはんを出されたものを全部食べない、すぐにやらない、一つ一つのことにグチグチ言っている。
✓私が「ご飯食べなさいよ」と言うと、祖母「まだ食べてないの?!」、私が「宿題しなさいよ」と言うと祖母「まだしてないの?!」といちいち被せて息子に言う。
✓思い通りに行かないと癇癪を起こしたり大声を出す息子に対して、うるさいと大声をだしたり、物に当たったりする。
✓偏食を否定し「何でも食べないと大きくなれないよ」などと言う事がある。
困りごととして2位に入っていると言うことは、回答したママたちは子どもを否定することを避けようと努力されていることが伺えます。
発達障害・グレーゾーンのお子さんは、注意されたり、できていないことを指摘されがち。それがいつもだとやる気も自信もなくなっていって、行動することも減ってしまいます。
できることならおばあちゃん、おじいちゃんにも子どものやる気を育てる関わりをしてもらいたいものですね。
◆3位「祖父母が母親の育児・しつけが悪いと言う」 30.9%
第3位「祖父母が母親の育児・しつけが悪いと言う」 を30.9%のママが選びました。
具体的なエピソードは、
✓実家に遊びに行った時に、子どもがふざけたり、癇癪を起こしたり、偏食をしている姿を見た時に、「もっと厳しくしつけないといかん」とか「どういう育て方をしているんだ」と言われることがある。
✓私は母に怒って育てられ、同じく子どもに怒ってしまうことがあるが、子どもをそんなに怒るな、やり方が良くないと私を注意してくる。
難しい子育てに苦労しているママに対して、否定の言葉が飛んできてしまっている現状が明らかになりました。
ただでさえしんどい思いをしているママの自信ややる気が削がれかねない、とても気がかりな状況です。
◆4位「祖父母の子どもへの要求が高すぎる」 28.4%
第4位「祖父母の子どもへの要求が高すぎる」は、子どもの発達段階に合わないレベルを祖父母が望んでいて、それが子どもにあっていないとママが理解されていることが伺われます。
発達障害・グレーゾーンの子どもの発達への祖父母の理解がないと、要求が高すぎてしまうことも。できることなら、理解をしてもらい子どもにあった発達のサポートをしてもらいたいものですね。
◆5位 祖父母が子どもによくお説教をする 27.2%
◆5位 祖父母が子どもを甘やかしすぎる 27.2%
5位 「祖父母が子どもによくお説教をする」が、困りごととして入っていました。お説教は、ザ・昭和な「しつけ」ともいえます。
5位に入っていると言うことは、お説教をしても子どもにはいい影響がないと言うことをママが理解されていることが伺えました。
お説教をしてもその言葉は子どもの耳には届かずに、ただ祖父母に対して嫌な記憶だけが残ってしまいかねません。できることなら、祖父母と孫の関係は暖かい記憶として残してあげたいものですね。
また同じ5位に「祖父母が子どもを甘やかしすぎる」が入っていました。おやつやおもちゃ、ゲームやYoutube、テレビなど制限なく与えたり、見させてしまうと言う具体的なエピソードが上がっていました。
祖父母にとっては孫が可愛いために、ただ甘やかしているだけということもあるかもしれませんが、発達障害・グレーゾーンのお子さんには、切り替えの難しさがあったり、思い通りにいかないとかんしゃくを起こしてしまうことも。
ママでも対応に苦労していることが多いので、祖父母がうまく切り替えてあげることができていなかったり、かんしゃくを起こすならとOKにしている可能性も伺えます。
これらの困りごとがあった相手はどなたか伺いました。
母方の祖母が64%とダントツで一位でした。母方の祖母と母親の関係が母娘関係であることからより近くなりがちで、子どもとの関係も近い分困りごとが起こりやすいことが伺えます。
対応しても改善されない!69.6%
祖父母と子どもとの関係に困られているママはどんな対応をしているのでしょうか。
これまでに困りごとを解決するために、具体的に取り組まれたことがありましたら教えてください。
「祖父母に子どもの特性を説明し、子どもの特性にあった対応をするようにお願いする」 69.6%と多くの方がされた取り組みでした。祖父母にもママと同じように子どもの特性を理解して、その特性にあった対応をして欲しいと願われていることが伺えます。
次に多いのは、「祖父母ができていることを母親が肯定する・感謝する」 26.1%
ママが祖父母に対して肯定したり感謝して、祖父母との関係をスムーズにすることで、祖父母の子どもに対する肯定的な行動が増えていくことを願われていることが伺えます。
具体的なエピソードは、
✓◯◯(行動)してくれて助かったよ!と具体的に感謝を伝えること。
✓いつもお世話になった時は、感謝を伝えるようにしたり、母の日などにプレゼントをする。
✓祖父母が子どもに何かしてくれた時には、些細な事でも「子どもが喜んでいた」と伝えるようにしている。
✓こまめに感謝を伝える。
✓1ヶ月に一度くらいは実家に帰って顔を見せる。実家からもらう果物などがおいしかった、よく食べたなど正のフィードバックをする。
そして、「父親から祖父母に子どもの特性と子どもの特性にあった対応を説明してもらう」13%です。
こちらは主に父方の祖父母への対応と想像できます。ママから話すと角が立つかもしれないところを息子であるパパから説明してもらうことで子どもへの対応を改善してもらうことを望まれていることが伺えます。
このことから、ママが祖父母とお子さんとの関係の困りごとをママ自身の対応を変えながら試行錯誤している様子がよく分かります。様々な対応をしている中で、状況が改善されているか伺いました。
取り組まれた結果、改善されましたか。
68.6%の方が「いいえ」と回答。
多くのママが、子どもの特性や発達の知識、子どもの発達にあった関わり方を祖父母に共有したりして対応していますが、祖父母と子どもの関係が改善されていないということが分かりました。
改善していない原因
改善していない原因を伺いました。
✓親自身が自分は正しいと思いがちで、昔にこだわる。
✓祖父母の考え方は変えられない。
✓祖父母の知識不足。
✓そもそも発達障害だと思っていない。
というようにママの話を聞いてもらえない状況にいることが分かりました。
✓祖父母では手に追えない息子の状態と、預かってもらっているからと強く言えない夫の気持ちから、改善を諦めているところがある。
と言うように「気兼ね」もあるようでした。
✓夫自身も自分の障害を受け入れきれていない。
✓祖母にも特性があり、思った事をなんでも口にしてしまう部分があるので、ある程度は諦めている。
✓祖母自身のadhd特性。とても自己肯定感が低いのでそこへのアプローチが必要だと思う。
というように夫や祖父母の発達特性があることから、改善が難しいと感じられていることも分かりました。
説明してもわかってもらえなかったり、話を聞いてもらえない、辛い状況が伺えます。
祖父母と子どもの関係がよくない状況が続くと、実家へ足が遠のいたりしがちです。
祖父母との関係の困りごとを解決したママの対応法、大公開!ポイントはお家での対応
どのように改善しましたか?
改善しましたか?という質問に「はい」と回答した31.4%のママからのどのように改善したのか伺いました。
✓別居したので見なくていいようになった。
✓会っても数分なので何か言われなくなった。
✓当たり障りのない最低限の会話しかしない。
このように、物理的に距離を取ったり、会う時間を減らしたりすることで、関係が改善された方々がいらっしゃいました。
✓以前より、叱らず対応してくれるようになった。
✓以前より聞く耳を持つようになった気がする。
✓学校に行けないこと、従来のしつけでは通用しないこと、感覚過敏があること、を伝えると理解はしてくれ、無理に学校行けとは言わなくなった。
✓口出しせず、見守ってほしいと真剣に伝えて。
✓肯定するところを私の対応を真似ている。
というようにママが子どもについての理解を深めて対応を変えたり、それを真剣に伝えることで、祖父母の関わり方が変化していることが伺えます。
また、祖父母と子どもとの関係がうまくいくためにママが気を配っていることを伺いました。一番多かったのは、取り組みでも上がってきた感謝することでした。他にも
✓あまり心配させないように嬉しい報告(お出かけをした。お手伝いをしてくれた。など)小さなエピソードも伝えるようにしています。
✓こんなこと頑張ってるよ!っとちょこちょことLINEで共有している。
✓定期的に写真を短いエピソード付きで送っている。
このようにお子さんの様子を祖父母に定期的に伝えるようにされている方もいらっしゃいます。
✓子供達とおじいちゃんおばあちゃんの話をする。
✓おばあちゃんがくれた物、作ってくれた物があれば、これはおばあちゃんがくれたんだよ、と子どもに伝える。
このように、お子さんにもおじいちゃん、おばあちゃんの話をして身近に感じられるようにされていることが伺えます。
✓祖父母がしつけの言葉をかけた時に「お祖母ちゃんから大切なことを教えてもらったのね。話を聞こうとしていたね」と子どもに声かけをして、祖父母も子どもたちも不快にならない声かけ(実況中継)を探った。
✓無視するときには、思春期で恥ずかしいからだとフォロー。
このように、子どもと祖父母の間で衝突が起こりそうな場面でもママがとっさにフォローを入れている姿が伺えます。
アンケート結果からはママたちが日頃から子育てに苦労しながらも、祖父母と子どもの関係がよりよくなるように努力されている様子がヒシヒシと伝わってきます。そして、祖父母との関係の困りごと解決のカギは、やはりお家でのママの対応にあることがわかります。
敬老の日は、祖父母に感謝を伝える特別な日です。この機会に、祖父母と育児の現状や子どもの発達特性について話し合い、理解を深め、より良い関係を築いていっていただけることを願っています。私たちは、子どもたちが安心して成長できる環境作りをサポートしていきます。
こちらのデータリサーチをもとに、パステル総研では、長期化する祖父母とお子さんの関係の困りごとを早期に解決する方法をお届けしたいと考え、小冊子にまとめる準備をしています!メールレターで出来上がり次第お伝えしますので、こちらからご登録ください。
https://desc-lab.com/maillesson/?pr
アンケートの概要
○調査期間:2024年8月16日から8月18日 (2日間)
○調査方法:インターネット調査
〇回答者数と内訳:107名
グラフ回答者属性
〇お子さんの性別
〇お子さんの発達タイプ
〇お子さんの学年
【データリサーチに関する詳しい報告はこちら】
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【会社概要】
社名:株式会社パステルコミュニケーション
代表者:吉野加容子
所在地:〒170-6045 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 45階
事業内容:子育て講座の運営/発達に関するリサーチ・開発/起業支援事業
「すべての子どもが健やかに育つ社会」の実現を目指し、関係するすべての人々、関連機関・団体が一体となって取り組む国民運動、「健やか親子21」応援メンバー
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