2019年度より「食と食文化の分野における新たな活動・技術・人材」の発掘・支援を目的として開始した顕彰制度「bean47」は、第4回となる本年度は、昨年に続き、「生産者」「流通関係者」「技術・研究者」「フードビジネス」の4区分として、各自の分野でエントリーしてもらいました。
本制度では、日本の食と食文化の発展のために寄与する「食の知られざる活動・技術」を「食学会顕彰活動」として支援することで、更なる業界の発展を目指すものです。
毎回、優れた活動をしている方(団体)を推薦・決定し、食学会としてサポートしてまいります。全日本・食学会のネットワークを活用し、世代・ジャンルを超えたインタラクティブな交流を図るとともに、自己実現の場を提供することで、受賞者たちの今後の幅広い活動を支援してまいります。これにより、業界全体の活性化を促し、知名度の向上や話題づくりへと繋げ、日本特有の伝統的な食文化の継承や持続可能な食の実現、社会貢献等、食の新たな可能性や発展を目指してまいります。
【2024年度『bean47』大賞】(敬称略、以下同様)
■西居 希(にしい のぞむ) 有限会社ヤマサ水産 四代目
びわ湖の魚のリブランディング化で、琵琶湖=ビワマスだけではない、より多くの魚の価値化を考える。大学生時代から故郷「びわ湖」の活性化、水産業界の向上に何が必要かをテーマに勉強・研修を重ね、高鮮度処理技術や魚の売り方のノウハウを研究し続けている。「ヤマサ水産」に就職後、それまで学んだ技術を活用し、魅力的な商品を作り上げる。漁師・魚屋・飲食店(客)の三方良しのモデルを形成した。
びわ湖の魅力あるストーリーの情報発信し、琵琶湖・沖島でオーベルジュを開く準備も進める。
【2024年度『bean47』大賞】
■新家 崇元(しんけ たかゆき) 紀州新家 代表
従来のチリトリ型おろし金と全く違った形状で、依頼主からの要望を聞き取り、食材と料理に合わせたタガネによる目立てで、70種類以上のオリジナルの手打ちおろし金を制作。日本固有の調理器具が、今では日本に数人しか残っておらず、その保存継承のために独自で修業・制作を続けている。日本のモノづくりに興味を持つように美術的アートな商品として、技術伝承とデザインで世界へ発信している。
【2024年度『bean47』生産者賞】
■林 徹(はやし とおる) poro wacca 代表
北海道移住後、周りのエゾシカ被害環境を目の当たりにした自分が、何ができるかを考えて始めた事業。信頼のおける一流契約ハンターの一撃で仕留めたシカのみを使う長期熟成肉を加工。いただいた命はすべて使うため、ペットフード食品加工や皮製品制作も手掛ける。収益の一部を北見市の森林保護に寄付している。
【2024年度『bean47』流通関係者賞】
■大森 圭(おおもり けい) 株式会社ダイスイ 代表取締役社長
「(量)獲ったもん勝ち漁業から、(質)良い処理したもん勝ちの漁業へ」をスローガンに、大森式流通として【魚の収獲→下処理→梱包→保管→提供】工程を研究し、うま味成分向上の魚を提供。活魚の処理技術指導と高品質・高価格化への活動で、その魚や提供料理に合わせた処理の技術も地域の漁師に指導
【2024年度『bean47』技術・研究者賞】
■MIRACORE🄬(植物性・食のコア技術) 不二製油グループ本社㈱
植物性の油脂とたん白で動物性食品の風合いを演出する技術を開発。これを土台に、ご当地の野菜や名産物を加えたり、和洋中の料理で使うことで、元の特徴が活きる食品を製造、販売することができる。現在でも様々なシェフとの共同開発やコラボレーションが進んでいる。また、かつお出汁を含む食品は規制により通常なら輸出しにくいが、MIRACORE🄬を利用することで海外対応の可能性が広がる。
【2024年度『bean47』フードビジネス賞】
■宮井 一郎(みやい いちろう) リストランテコンテ オーナーシェフ/島本ジビエ販売所 代表
狩猟歴20年の試行錯誤で、安定した高いレベルの品質を保つ処理技術を取得。島本町の猟友会での指導や子供たちへの食べることの食育授業も行う。また島本町全体を食の町としてのブランディング化に携わる。
本件に関するお問い合わせ先
一般社団法人 全日本・食学会 事務局
info@aj-fa.com
石田/濵砂