独特の造語や緻密な挿絵に彩られた小説作品が高い人気を得ている酉島伝法(とりしま・でんぽう)さん。2019年に刊行され、第40回日本SF大賞を受賞した酉島さんの初長編『宿借りの星』が、このたびついに文庫化することになりました。
主人公のマガンダラは、幼馴染を殺めてしまった咎で祖国を追い出され、流刑に処されてしまいます。飢えと渇きで朦朧とするなか、出会ったのは捕食対象の種族であるマナーゾ。しかしふたりはとある出来事から仲間となり、一緒に旅をすることになりました。その道中でマガンダラとマナーゾは、この惑星を脅かす恐ろしい企みを知り……。
文庫版のためにアップデートされた50点の挿絵に加え、巻末には文庫版特別付録として登場するすべての種族のイラストも収録しています。また、装画は今回も著者の酉島さんがみずから手掛けました。
異種族たちの壮大な冒険を、文章と絵で存分に味わってください。
酉島伝法『宿借りの星』(創元SF文庫)は9月28日刊行です。ご注目ください。
■書誌情報
宿借りの星
酉島伝法
判型:文庫版
ページ数:598ページ
ISBN:978-4-488-75702‐1
Cコード:C0193
定価:1,500円(税込)
装画:酉島伝法
装幀:東京創元社装幀室
内容紹介:
その惑星では、かつて人類を滅ぼした異形の殺戮生物たちが、国を築いて暮らしていた。幼馴染を殺害して祖国を追われたマガンダラは、放浪の旅の途中で、滅ぼしたはずの“人間”たちによる恐ろしい企みを知る。それは惑星の運命を揺るがしかねないものだった。マガンダラは異種族の道連れとともに、戻れば即処刑と言い渡された祖国への潜入を試みる。日本SF大賞受賞作、文庫化。解説=円城塔
■著者プロフィール
酉島伝法(とりしま・でんぽう)
1970年大阪府生まれ。2011年「皆勤の徒」で第2回創元SF短編賞を受賞。同作を表題作とした短編集は書籍デビュー作ながら第34回日本SF大賞を受賞。2018年には英訳版が、2021年には仏訳版が刊行され話題となる。2020年、初長編『宿借りの星』で第40回日本SF大賞を受賞した。近刊に『奏で手のヌフレツン』がある。