■プロジェクト開始の背景
専門高校を卒業後、学んだ分野を活かして就職しても「学校の学び」と「現場」のギャップを感じ、早期離職してしまうケースは少なくありません。「かながわデュアルシステム」はこうした社会課題を解決する職業教育システムです。
専門分野のスキル習得など「学校の学び」と、習得したスキルを実際に使ってみて得られる「職場の学び」の双方の教育機会（デュアル教育）を得ることで、卒業後のギャップを無くし、社会で活躍できる職業人を育てる取り組みです。
神奈川県教育委員会では、『デュアルシステム推進センター*2 』を設置し、専門高校と民間企業が連携し生きる力を学ぶ「かながわデュアルシステム」に取り組んでいます。
■「DX整備士プロジェクト」の概要と生徒たちの声
近年の、中小企業DX化の加速を受け「DX整備士プロジェクト」が始動します。DXの知識・実務経験が無くても基礎から必要なスキルを学ぶことができる点が評価され、当協会の『DX整備士資格』のカリキュラムが採用されました。
生徒たちは『DX整備士資格』の資格取得を通して、DX人材に求められるスキルをゼロから学びます。さらに、実際に地元企業などと連携し、学んだスキルを活かした職業教育の機会を予定しています。デュアル教育を経て、中小企業のDX化の現状や課題をレポートとしてまとめ、2025年1月頃に発表する予定です。事前のオリエンテーションを経て、15名の生徒が受講予定です。生徒たちからは「将来役に立つ経験を学びたい」「将来の目標のために様々な分野の知識を吸収したい」などの声が寄せられています。意欲的に生徒たちが活きたスキルを習得し、自信を持って社会に出て、DXの担い手となれるよう、当協会では今後も全面的に支援してまいります。
*1：かながわデュアルシステム（みらいてHPより） https://www.miraite.net/
*2：委託事業者：NPO法人 未来の担い手支援機構(住所:東京都渋谷区、理事長:石橋 卓郎）
特定非営利活動法人 IT整備士協会
DX整備士プロジェクト担当理事 泉 もときより
DX整備士プロジェクト担当理事 泉 もとき
デュアルシステムへの参画は、産業界のニーズに即した人材育成を目指す重要な取り組みです。現場では、学生の実践的スキル向上と企業の若手育成ニーズのマッチングに手応えを感じています。一方で、カリキュラムと研修の調整や、受入企業の拡大が課題です。長期的には、地域産業の活性化と若者の地元定着につながると期待しています。今後は、企業と教育機関の連携をさらに深め、より効果的なプログラム開発を進めたいと考えています。加えてデジタル技術の活用により、遠隔地の企業とも連携を強化し、学生の選択肢を広げることも検討しています。また、卒業生の追跡調査を通じて、システムの有効性を継続的に検証し、改善につなげる体制づくりも重要だと考えています。
経歴 教育事業やシステム開発に８年間従事。現在は株式会社アソシエーションオフィスの代表取締役を務め、生成AIを活用したプロダクト開発事業を展開。2022年より、IT整備士協会 理事として、ITのスキルセットの策定や教育プログラムの開発に従事。これらの経験をもとに、産業界と教育機関の橋渡し役として、デュアルシステムの設計と実施にも携わる。
特定非営利活動法人 IT整備士協会
理事長 ：家喜 信行
設立 ：2002年1月8日内閣府認証
所在地 ：〒160-0004 東京都新宿区四谷4丁目25番5号 KDビル2階
事業内容：パソコン整備士資格・スマートフォン整備士資格・DX整備士資格および仮想化基礎検定試験の実施・認定、パソコン・スマートフォンの整備および修理・社内DX推進に関する講習会の実施、会報及び出版物の発行
協会HP：https://www.it-seibishi.or.jp/
DX整備士資格：https://www.it-seibishi.or.jp/about-corporate/about/