自転車の正しい利用方法や安全安心な自転車の選び方、メンテナンスの重要性を啓発する自転車の安全利用促進委員会と一般社団法人自転車協会は、2024年8月7日(水)に県庁で初めて行われた三重県教育委員会主催の『令和6年度三重県高校生バイシクルサミット2024』にて自転車通学セミナーを実施し、三重県内の高校生12校28名と教職員が参加されました。
三重県の高校生は、通学時1万人当たり自転車事故件数ランキングは全国で35位と低いものの、第一当事者割合事故件数ランキングはワースト6位(およそ4人に1人)と高く、注意が必要です。(当委員会調査による)本講演では、自転車走行の法律・ルール、事故を防ぐポイントを参加した生徒に質問しながら具体的に説明しました。
講師の遠藤 まさ子(自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト)は、「自分はルールを守っていると過信しないこと、自分の身を守るだけでなく、相手の身を守る自転車の利用ができていますか。」と問いかけ、若者が加害者側となった自転車事故を説明しました。自転車事故を防ぐポイントとして「逆走や民地寄りの走行はドライバーからの死角が発生しているために事故が起こることもあります。ルールには理論があるので、その理論を知ることで理解度が上がると思います。」と解説しました。
また、「万が一事故が起きた際には、ヘルメットの着用有無が被害の大きさの分かれ目になり、保険加入の有無がその後の自分や家族の人生を左右します。事故に遭わない・起こさない、事故に遭ってしまった・起こしてしまった時のことを考え、ヘルメット着用や自転車保険の加入は重要です。」と強調しました。
「通学自転車は毎日乗るため、BAAマークなどの安全マークが付いた自転車を選び、車検のように定期的にメンテナンスをすることが重要です。」と解説しました。
講演後は5つのグループに分かれ、生徒自身や周囲の「自転車ヒヤリハット体験」を意見交換し、「事故率を減らすために自転車側が心がけたいこと」について議論しました。各グループから議論を基に導き出したスローガンを発表し、最終的に高校生・教員が1つのスローガンを選び、「思いやり1つで変わる交通安全」に決定しました。
交通ルールや、自転車の車体の安全性についても改めて理解いただき、高校生、教職員の皆様が自転車通学の交通安全について考える機会となりました。
【参加した生徒の感想】
・時間に余裕をもって行動することが事故の減少につながると思うので、気をつけたいと思いました。
・交通ルールをきちんと理解しなければならないと思いました。
【参加した教職員の感想】
・ヘルメットを着用することが命を守る上でどれだけ大事か理解できました。生徒にとっても非常にわかりやすい内容でした。
・基本の確認から知らなかった内容まで、教員側も勉強になりました。改めて交通ルールも教えていきたい。
■参考資料
≪講師略歴≫
遠藤 まさ子
自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い各誌に寄稿。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアで自転車の利活用、安全指導等解説を行う。
≪自転車の安全利用促進委員会≫
自転車の安全利用促進委員会とは、一般社団法人自転車協会の協力を受け、安全安心な自転車利用のための啓発活動を行う団体です。自転車の利用者の方々に快適な自転車生活を送って頂くため、購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーなどの情報発信を行っています。また、活動の一環として教職員や学生を対象とした、自転車通学指導セミナーも全国で開催しています。
≪BAAマーク≫
BAAマークは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準に適合した自転車に貼られています。自転車安全基準には全部で約90項目の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などの検査に合格する必要があります。