「小学館児童出版文化賞」(主催/小学館、日本児童教育振興財団)は、毎年度、児童出版文化の向上に貢献すると認められる幼年ならびに少年少女に奨めたい優れた作品および作家を選定し顕彰しています。この度、2024年度の受賞作が2作品に決定し、11月14日(木) 都内にて贈呈式が行われ、正賞としてブロンズ像「わかば」(笹戸千津子作)、副賞として賞金100万円が授与されました。
《写真》
前列左から、最上一平氏、ザ・キャビンカンパニーの吉岡紗希氏、阿部健太朗氏。
後列左から、鈴木のりたけ審査委員、森絵都審査委員、富安陽子審査委員、舘野鴻審査委員、荒井良二審査委員
【受賞作】
『じゅげむの夏』
最上一平/作 佼成出版社/刊
『ゆうやけにとけていく』
ザ・キャビンカンパニー/作 小学館/刊
(作品名 五十音順)
*受賞作について詳しくはこちらをご覧ください。
【審査委員】
荒井良二、鈴木のりたけ、舘野鴻、富安陽子、森絵都
(敬称略・五十音順)
【受賞のことば】
最上一平氏
『じゅげむの夏』は四人の小学四年生が夏休みに小さな冒険をする、という物語です。小学校時代の夏休みというのは誰にとっても大切な時間。自分の小学四年生の時の思い出は、山形の山奥にあるいとこの家で夏休みを過ごしたが日記帳をなくしてしまったこと。夏休みの最後にその一か月の出来事をひと晩で書きあげたことを覚えている。小学四年生の時の最上少年はけなげだった。これからももう少し頑張って書いていこうと思います。
ザ・キャビンカンパニー氏
いつもは「足し算」ですきまなく埋めていくような作画なのですが、今回の『ゆうやけにとけていく』は「引き算」ですきまや余韻を大切にした。夕暮れ時は、美しく幻想的で、感情を大きく震わせる時間帯。喜びと共に夕焼けを見つめると、祝福を受けているような気持ちになります。しかしその反面、哀しみを背負っているときには感情が翻り、夕焼けは強い悲哀を帯びて映ります。本作はそんな悲哀の夕焼けこそ美しく描きたいと思いました。
受賞者の皆様、おめでとうございます。
なお、来年度の実施要領はこちらをご確認ください。