キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:足立正親、以下キヤノンMJ)は、一般消費者向けの新規事業・サービス構築に取り組んでおり、この度一般家庭での利用を想定した口腔内の汚れを可視化する口腔ケアサポート技術を、株式会社システム・ケイ(代表取締役:鳴海 鼓大、以下システム・ケイ)、国立大学法人 東京科学大学(理事長:大竹尚登、以下東京科学大学)、合同会社WSPTジャパン(代表社員:武藤亜星、以下WSPTジャパン)と共同開発しました。
キヤノンブランドの製品などを一般消費者向けに提供するキヤノンMJのコンスーマビジネスユニットでは、新規事業創出を目指す「BoXプロジェクト」に取り組んでいます。この度「BoXプロジェクト」において「健康」をテーマに新規事業を検討し、一般家庭において手軽に口腔ケアを実践できる環境の提供を目指して、システム・ケイ、東京科学大学、WSPTジャパンとともに、「口腔ケアサポート技術」を共同開発しました。
●背景
健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間は健康寿命と呼ばれており、超高齢社会となった日本において、生活習慣を整え健康寿命を延ばすことは、豊かな人生を過ごすための一つの要素となっています。健康寿命の延伸対策の一つに、適切な食生活を実践することが挙げられ、「BoXプロジェクト」では全身の健康や適切な食習慣の実践には歯の健康維持が欠かせないことに着目しました。
●「口腔ケアサポート技術」について(※1)
この度システム・ケイ、東京科学大学、WSPTジャパンとともに共同開発した「口腔ケアサポート技術」は、一般家庭での利用を想定した口腔内の汚れを可視化する技術で、スマートフォン、専用口腔内カメラ、クラウド上の画像認識AIサーバーにより構成されます。
一般家庭において自身で口腔内を視認することは難しく、また汚れの付着状況を確認するには歯垢染色液を利用する方法が挙げられますが、洗面台、歯ブラシ、衣類への着色が課題となっていました。そこで「BoXプロジェクト」では、歯石・歯垢・食渣(しょくさ)など口腔内の汚れ(※2)の付着状況を、一般家庭において染色液を使用せず手軽に確認し、口腔ケアができる環境の提供を目指しました。
「口腔ケアサポート技術」では、専用口腔内カメラを使用して自身で撮影した口腔内画像を画像認識AIサーバーへ送信すると、画像認識AIが汚れ付着箇所を認識し着色を行います。
なお本活動では、口腔内画像を1000枚以上収集して画像認識AIを構築し、本AIによる汚れ発見の精度はIoU0.421(※3)です。
※1.疾患の鑑別には対応していません。
※2.歯周ポケットの中など、口腔内カメラにて撮影できない歯石・歯垢・食渣については、測定は行えません。
※3.IoU(Intersection over Union)は、物体検出やセマンティックセグメンテーションにおいて、正解の領域と予測の領域の重なりをあらわす精度指標。
●BoXプロジェクトとは
BoXプロジェクトは、キヤノンMJのコンスーマビジネスユニットにて取り組んでいる新規事業創出活動です。テーマに制限を設けず、社員の挑戦したいテーマに取り組んでいます。
本活動は「健康」をテーマにしたチームから生まれたアイデアであり、本活動に共同で取り組んでいただけるコラボレーション企業、歯科医院および歯科流通業を募集しています。
キヤノンMJコンスーマビジネスユニットでは、今後も新規事業創出の取り組みを通じて、お客さまの豊かな暮らしに貢献すべく、未来の社会課題解決に挑戦してまいります。
一般の方のお問い合わせ先:コンスーマ新規ビジネス企画部/BoX運営事務局 0570-07-9264