テレビ大阪で放送中「やさしいニュース」の人気コーナー、「LBS(ローカルビジネスサテライト)」。日本経済新聞とTXN系列5局の共同で、躍動する地域経済、地方から全国へ向け活躍する企業を発信していく企画です。
今回の特番でスポットライトを当てるのは、人口流出と衰退が進む「企業城下町」。立ち上がった地元出身の男性がスタートアップ企業を設立し、「次世代の乗り物」を通じて地方から社会を変えていく姿に密着しました。
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移動革命の火は灯るか~老いる企業城下町の光~
日本経済を支えてきたニッポンの企業城下町が、全国的に衰え、老い始めている。その一つが和歌山市。かつて“住友の城下町”と呼ばれ、市内にある住友金属の製鉄所に依存していて、商店街も「大阪ミナミに並ぶ繁華街」と称されるほど賑わった時代があった。
ところがバブル期の前後、重厚長大型だったニッポンの産業構造が時代とともに変わり、鉄の業界も生産縮小・人員削減が続いた。その時代の流れとともに、和歌山市からも賑わいが失われてしまった。
そんな老いゆく企業城下町に今、希望の火が灯ろうとしている。
「新時代のモビリティ」を開発するスタートアップが、和歌山に誕生したのだ。
率いるのは地元出身の鳴海禎造社長(44)。元来車好きだった鳴海は、アメリカで誕生した電動モビリティのシェアリングサービスが、日本に成長市場として波及し始めたことなどにいち早く目を付け、2017年、和歌山市郊外にモビリティメーカー「glafit」を立ち上げた。
斬新なビジネスモデルで注目されるglafit。鳴海が20代で中国で築いたサプライチェーンから部品を輸入、その組み立ては和歌山の社外メーカーに委託するという、自社工場を持たない「ファブレス方式」を地域の力で実現した。
「町が栄えていたあの時の光景を見たい!」地域貢献にこだわる鳴海の思いが、和歌山から全国・世界へとはばたくロールモデルを築いたのだ。
2021年には家電メーカー最大手・パナソニックや未来創生ファンド(トヨタ自動車などが出資)から、実に約10億円もの資金を調達。規模拡大とともに、様々な有名企業から人員が集結した。
さらに、2023年「特定小型」原付というカテゴリーが導入され、ルールを守れば自動車免許が無くても一般道路の走行が可能に。それに伴い、チェーンのない新車両を発表。
しかし…各社が開発・販売する電動マイクロモビリティが国内に広がりつつあった当時、違法改造の横行、ルールを守らない利用者による交通事故の多発が社会問題となってしまっていた。
「危険な乗り物」というイメージを持たれ、市場全体に吹き荒れた思わぬ逆風。しかし、鳴海はこの逆境に打ち勝つ秘策を用意していた。
glafitが自動車部品大手・アイシン(本社・愛知県刈谷市)と開発したのは、「高齢化社会」に寄り添う新たな四輪モビリティ。その驚くべき機能とは?
そして、東京で行われた新車発表会。社運をかけた一台は、人々にどのように評価されるのか…?