CNIEL(フランス全国酪農経済センター)は、欧州連合 (EU)の支援を受け、2024年から2026年までの3年間、EU産チーズ、特にフランス産チーズの魅力を伝えるキャンペーン「Authentic Cheeses ~Crafted in Europe, Perfected in France~」を実施しています。
このキャンペーンでは、M.O.F.(フランス国家最優秀職人賞)を持つフロマジェ フランソワ・ロバン氏と協力し、様々な活動を行っています。その活動の一環として、本年6月には、ロバン氏を講師に迎えたチーズプロフェッショナル協会会員様向けのセミナーを東京で開催しました。
CNIELは、そのフランソワ・ロバン氏と、フランスのチーズに関する情報を提供するウェブサイトLe Guide du Fromage が2年前から行っている「フランス産チーズの正確な数を調べるプロジェクト」を、プロジェクトの開始時から支援しています。
今回、プロジェクトの経過を発表するウェブサイト「touslesfromages.fr」が公開されました。
「フランスには何種類のチーズがあるか」、フランスではこの問いに関して、何十年もの間議論が繰り広げられてきました。ある専門家は246種類という数を出し、別の専門家は365、または 400種類という数をあげます。ただし、これらの数字には、どれも明確な論拠がなく、実際には、より多くのチーズがフランスに存在していると考えられています。
CNIELが、フランソワ・ロバン氏、Le Guide du Fromageが進めるフランス産チーズの正確な数を調べるプロジェクトを支援しているのには、3つの理由があります。
一つ目は、フランス産チーズの多様性と豊かさを広めるためです。それぞれのチーズは、独自のノウハウ、地域の歴史、特定のテロワールが組み合わさった結果つくられています。今回、さまざまな品種を正確に数えることで、フランス産チーズがこんなにも多様性に富んでいることをより多くの方に伝えていきます。
二つ目は、チーズとは何であるかを、あらためて知ってもらうためです。多くの人は、牛乳の処理や製造方法の違いによって、同じカテゴリーのチーズにいくつもの種類が存在することを知りません。農場製か工場製か、生乳か加熱乳か、また熟成状況によってもチーズの味わいは異なってきます。この違いを伝えることで、チーズとは何かを、チーズ専門家から、一般の消費者にまで広く訴求していきます。
最後に、生産者、特に小規模農場の生産者や職人をサポートすることも、今回のプロジェクトの大きな目的の1つです。チーズの正確な数を調べることで、こういった小規模の生産者によって作られるチーズにスポットライトをあて、彼らの仕事に対する理解を深めていきます。
2024年12月現在、今回のプロジェクトで明らかになったフランス産チーズの数は、3400を超えました。
この数字は、今後も随時更新されていく予定ですので、ぜひ「touslesfromages.fr」で、今まで知らなかったフランス産チーズを見つけてみてください。
【CNIEL について】
CNIEL (フランス全国酪農経済センター) は、フランス国内の酪農家、酪農協同組合、製造業者、および流通関係者からなる非営利団体であり、国内外で以下の活動を行っています。
1. 酪農業界の経済動向、および乳製品が健康に与える影響に関するリサーチ
2. チーズを中心としたフランス乳業製品の良質なイメージの促進と消費拡大のための広報活動
3. 国際規格ISO26 000「社会的責任」の創設原則を尊重した社会活動「フランス・テール・ド・レ」
【CNIEL Instagramアカウント】