1990年の創設以来、Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、毎年かわる「ひとりの選考委員」によって受賞作を選出してまいりました。
第34回となる2024年度の受賞作は『イラク水滸伝』(2023年7月 文藝春秋刊)に決定し、この度、著者の高野秀行氏と選考を務めた桐野夏生氏による受賞記念対談の全編映像を公開しました。
10月21日(月)に東京日仏学院で開催した受賞記念対談の模様を収録。冒頭、本賞がひとりの選考委員によって選ばれていることを受け、自身の作品を選んだ桐野氏に対して「本当に度胸があるなと思いました」と高野氏。それに対して、桐野氏は「現地での体験をただの好奇心に終わらせず、“ノンフィクションの原理主義者”だと思いました」と称賛しました。その他にも桐野氏が作品を通じて高野氏に抱いた印象や、受賞作では書かれなかった探検の裏話など、笑いあり、驚きあり、内容盛りだくさんの対談となりました。お互いの思いを伝え語り合う、本賞ならではの対談です。フルバージョンでお楽しみください。
▶受賞記念対談の配信はこちら
https://www.bunkamura.co.jp/streaming/article?id=20241223
▶贈呈式&記念対談レポートはこちら
https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/topics/9172.html
視聴期間 |
2024年12月23日(月)12:00 ~2025年8月31日(日)23:59 |
販売期間 |
2024年12月23日(月)12:00 ~2025年8月31日(日)22:00 |
視聴券 |
無料 ※視聴にはMY Bunkamuraへの登録が必要です(登録無料)。 ※期間中、何度でもご視聴いただけます。 |
<<第34回Bunkamuraドゥマゴ文学賞>>
【受賞作】『イラク水滸伝』(2023年7月 文藝春秋刊)
【受賞者】高野秀行氏
【選考委員】桐野夏生氏
【主催】株式会社東急文化村
【受賞作内容】
世界最古のメソポタミア文明発祥の地の至近にある、ティグリス川とユーフラテス川に囲まれ、2016年にユネスコ世界遺産にも登録されたイラクの巨大湿地帯〈アフワール〉。馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組むその土地は、まさに“現代最後のカオス”だった。
取材・執筆に6年、3回にわたる渡航の中で出会った数多の魅力的な人物と、そこに根付く豊かな暮らし、食、手工芸、宗教、生態……。現地に赴いたからこそ解き明かされる中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録が凝縮された空前絶後のノンフィクション大作。
【プロフィール】
桐野夏生(きりの なつお/Natsuo Kirino)
1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、11年『ナニカアル』で読売文学賞、21年に早稲田大学坪内逍遙大賞、23年『燕は戻ってこない』で毎日芸術賞と吉川英治文学賞を受賞。24年に日本芸術院賞を受賞。21年から日本ペンクラブ会長を務める。
高野秀行(たかの ひでゆき/Hideyuki Takano)
ノンフィクション作家。1966年東京都生まれ。ポリシーは「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」。『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。『ワセダ三畳青春記』で酒飲み書店員大賞、『謎の独立国家ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞、『イラク水滸伝』で植村直己冒険賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞(選考委員:桐野夏生氏)を受賞。他の著書に『酒を主食とする人々』、『世界の納豆をめぐる探検』、『語学の天才まで1億光年』などがある。
桐野夏生氏による「選評」と高野秀行氏の「受賞の言葉」はホームページにて公開中
https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/34.html
【Bunkamuraドゥマゴ文学賞とは】
パリの「ドゥマゴ賞」のユニークな精神を受け継ぎ、1990年に創設。権威主義に陥らず、既成の概念にとらわれることなく、先進性と独創性のある、新しい文学の可能性を探りたいと考えています。受賞作は、毎年交代する「ひとりの選考委員」によって選ばれ、選考委員の任期は1年です。
次回、第35回(2025年度)選考委員は最相葉月氏です。
Bunkamuraドゥマゴ文学賞ホームページ https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/