アメリカやヨーロッパで次々と生まれる権威主義的政権は、やがて独裁政権へと突き進むのか。独裁者になる政治家の特徴、独裁者が権力を手にするまでの道筋、彼らが民主主義を破壊する手順を示した衝撃の書『民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道』(スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット著、濱野大道訳、新潮社)が8刷となりました。
本書の著者は、ヨーロッパや南米で起きた民主主義の崩壊を20年以上にわたって研究してきた米ハーバード大学の第一線の研究者です。民主主義の崩壊を経験した国々を横軸に、アメリカの歴史を縦軸に、「民主主義の死に方」を徹底的に解説し、フランシス・フクヤマ(『歴史の終わり』)やティモシー・スナイダー(『暴政』)、ダロン・アセモグル(『国家はなぜ衰退するのか』)らに激賞されました。
憲法や選挙だけでは民主主義を守ることはできず、「規範」や「政党」が重要な役割を担っていることを指摘し、「民主主義のガードレール」「民主主義を守る門番」など重要な概念を提示。また司法を抱き込み、メディアを黙らせ、憲法を変えるという「合法的な独裁化」の手順も明らかにした画期的な内容で、第二次トランプ政権が誕生した今だからこそ読みたい一冊です。
本書の続巻『少数派の横暴:民主主義はいかにして奪われるか』も好評発売中です。
■著者プロフィール
スティーブン・レビツキー Steven Levitsky
ダニエル・ジブラット Daniel Ziblatt
ともに米ハーバード大学政治学教授。レビツキーはラテンアメリカと世界の発展途上国を研究対象とし、著書に“Competitive Authoritarianism”(共著)などがある。ジブラットは19世紀から現在までのヨーロッパを研究し、著書に“Conservative Parties and the Birth of Democracy”などがある。二人ともニューヨークタイムズ紙やウェブメディアVoxなどへの寄稿多数。
訳)濱野大道 ハマノ・ヒロミチ
翻訳家。ロンドン大学・東洋アフリカ学院(SOAS)卒業、同大学院修了。訳書にレビツキー&ジブラット『民主主義の死に方』、同『少数派の横暴』、ケイン『AI監獄ウイグル』(新潮社)、ロイド・パリー『黒い迷宮』『津波の霊たち』(早川書房)、グラッドウェル『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』(光文社)などがある。
■書籍データ
【タイトル】民主主義の死に方:極化する政治が招く独裁への道
【著者名】スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット著、濱野大道訳
【発売日】2018年9月27日
【造本】ハードカバー
【本体定価】2,700円(税込2,970円)
【ISBN】978-4-10- 507061-8