この度、株式会社マルトは、表記タイトルにあります「第12回 健康寿命をのばそう!アワード」にて、厚生労働大臣 優秀賞(企業部門日本一)を受賞いたしました。
創業当初より「医食同源」を企業使命とし、一昨年より展開しております「福幸プロジェクト」のマルトの薬剤師、管理栄養士、地元医師、惣菜バイヤーが監修開発した「ふくふくデリ」ブランドのお弁当を販売しております。こちらは福島県が実施する「福島県食環境づくり推進事業」、いわき市が実施する「いわき市減塩食普及プロジェクト【いわきひとしお】」とタイアップした塩分摂取と低エネルギーにも配慮しております。
※「第12回 健康寿命をのばそう!アワード」
厚生労働省及びスポーツ庁は、健康増進・生活習慣病予防、介護予防推進に資する優れた取組を行っている企業・団体・自治体を表彰し、他の模範となる取組を奨励・普及することにより、健やかで心豊かに生活できる社会の実現を図ることを目的とした、「健康寿命をのばそう!アワード」を実施しています。
1.背景
【いわき市における健康及び医療課題】
・いわき市は塩分過多が原因の一つと言われている心疾患、脳血管疾患での死亡割合が高い。
・心疾患死亡割合はワースト2位、脳血管疾患死亡割合はワースト3位(福島県内13市中)
・さらに男女ともに健康寿命が短く3期連続ワースト1位(福島県内13市中)
・特に、心不全は患うと入退院を繰り返し、やがて死ぬと言われ、他の疾病より入院日数も長い。
・2025年には、いわき市内で400病床以上が不足すると予測されている。
【上記課題を引き起こす要因のひとつ】
・いわき市は厚生労働省が定める塩分摂取目標値(男性7.5g/女性6.5g)と比較して、
男女ともに塩分摂取過多(男性9.5g/女性8.8g)の状況にある。
【課題解決のための取り組み】
・深刻な状況に対して、実際に塩分摂取量を減らすのは大変で、市総人口32万人全体の取り組みは容易ではない。
・だからこそ、しっかりと足元から着実に地域の方々の健康改善に繋がるよう重要な役割を担っているという使命を持ち、長期的に確実に取り組めるところから着手してきた。
2.目的
いわき市が直面している健康寿命ワースト1位や病床不足問題に対し、「日々の食事から、不健康の人を減らす」こと
・まず本プロジェクトメンバーである、スーパーマーケットマルトとドラッグストア及び薬局のくすりのマルトができる取り組みがあると考え、連携して健康測定や健康指導、レシピPR等を展開。
・令和3年からは、薬剤師、管理栄養士、惣菜バイヤーを中心とした「ふくふくデリ」を開始。減塩やフレイル予防の弁当の開発販売を毎月手掛けている。
・令和4年からは、いわき市医師会心不全プロジェクトや心疾患や脳血管疾患予防を担う内科医2名、いわき市減塩食普及プロジェクト、福島県減塩環境づくり推進事業、茨城県、味の素、高校や大学等と連携し、毎月17日減塩デーを月単位の販売開始日と定め、報道機関と連携したPRを実施。
・一方で、「減塩食は美味しくない」というマイナスイメージは根強く、スーパーでの減塩弁当は売上に繋がらないことを痛感していました。
・しかし、私たちの使命として、減塩に興味が無くても、いつもの惣菜や弁当といった日常的な食から、意図せず減塩になっていること、また将来的に「塩分過多による生活習慣病で入退院を繰り返したり、亡くなる人を減らす」ことを目的に強い信念を持ち取り組んでいます。
3.実施内容
本プロジェクトは、以下の4つの取り組みの柱に沿って展開しています。
【 ① “食べる”を支える取り組み 】
・塩分、たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維、食感等に配慮した弁当を開発。
・美味しさの追及。いくら健康に配慮しても美味しくなければ食べてもらえないため、試食と意見交換を行ない、改良したうえで商品化販売。
・令和4年度は6万205食販売。減塩に興味が無くても食べたくなるよう焼き鳥重、プルコギ丼等も展開し、手に取っていただけるよう試行錯誤。
・減塩対策やフレイル予防の重要性等の医師コメントをPOPに用い、売り場での理解の浸透。
【 ② “自分の身体を知る”取り組み 】
・スーパーマルトやくすりのマルトにて、20年以上続けている健康相談会、健康測定等。
・体重、体脂肪、筋肉量、内臓脂肪レベル、骨密度、AGEs糖化物質の測定のほか、健康改善パンフレットを配布。
【 ③ “情報を広める”取り組み 】
・減塩&バランス食レシピのPR、減塩特設コーナー、パンフレット等配布。
・減塩商品サンプルやレシピ等を配布。興味を持つきっかけづくり。
・健康寿命ワースト1や心疾患、脳血管疾患の死亡割合が高いこと、2025年に迫るいわき市の病床不足問題等に対する減塩やフレイル予防の必要性、取り組み等をいわき市HPやYoutube等にて公開。
・本プロジェクトの医師や市役所職員を講師とした勉強会を実施、理解浸透を図る。
【 ④ “共に進める人を増やす”取り組み 】
・福島県内各高校、茨城県常盤大学等と連携し、学生考案の健康改善レシピの具現化。
4.成果と課題
「健康食は美味しくない」を払拭、魅力商品開発と販促改善に注力したことで売り上げ拡大
・減塩やフレイル予防の開発弁当の販売実績は、昨年度6万205食。
・一方で、減塩食、バランス食への美味しくないという根強いイメージは、依然高い。
・販売の際に、デジタルサイネージやPOPを用い、健康改善PRの販売促進を工夫した場合と、しなかった場合の販売数についても、検証を重ねています。
・昨年は無興味の人にも分かりやすいよう販売促進した結果、市内23店舗中同規模店舗における同規模店舗における販売実績を比較すると、健康改善PRをしながら健康弁当を販売するほうがしない場合に比べて3.39倍の販売数へと改善。
・社内報や勉強会を経て、徐々に効果がみられました。
・各高校や大学と連携することで、将来、薬剤師、管理栄養士、販売員等を目指す若い世代に向け、共にプロジェクトを推進することで、食がもたらす健康改善の重要性を認識して頂ける機会に繋がっています。
【今後の課題】
・今後の課題は、市や県等の自治体規模での減塩、フレイル予防、バランス食の効果を生み出し波及させていくことが大事だと考えております。現在連携している、マルト、医師、行政の取り組みをより強化し、地域の方々の健康改善に向けて努力して参ります。
・さらには、日本全国にこの取り組みが広がり、それぞれの地域の様々な専門家が連携することで、健康寿命の延伸につながり、健康で楽しく生涯を過ごすことのできるような社会づくりに向けて努力して参ります。
【マルトHP・SNSリンク】
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