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本書で得られる3つのポイント
・戦略も戦術も操ることができるリーダーになれる
・リーダーに必要な問題解決力が身につく
・良い戦術、悪い戦術の違いがわかるようになる
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全体=「戦略」、部分=「戦術」という思い込み
日本人は「戦略」(戦争や政治・社会運動などを実行するための計画・方法、駆け引き)が大好きな民族のように思われます。その割には、「戦術」(戦闘に勝つための技術、争いに勝つための手段・方法)を軽視する傾向が強いのです。しかしながら、当初に立てた「戦略」を遂行するために、刻一刻と移り変わる戦局にあって、積み重ねる作戦が「戦術」です。現場で作戦を遂行するリーダーに、なくてはならない能力といっていいでしょう。
戦術は、目標を「最短ルート」で達成するための手段として、きわめて有効です。その意味で日本の歴史をふり返ると、一戦一戦を重ねた「戦術」が、きわめて重要であったことがよくわかります。
人もお金もない中で、現場のリーダーは知恵を絞って「戦術」を考え出し、目標を達成しなければなりません。古今を問わず、リーダーの仕事は「現有戦力」で戦い、勝つことです。歴史上のリーダーはどのようにして不利な状況から逆転勝利をつかんできたのでしょうか。
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城攻めが苦手な家康の「勝利の戦術」とは?
例えば、徳川家康は、実は城攻めが苦手な武将でした。にもかかわらず、城攻めを決行しても、目的である勝利は得られなかったはずです。戦術を切り替えて、相手を城に籠らせず、おびき出して野戦に持ち込む戦術の方が、勝利への早道となったでしょう。
関ヶ原の戦いの直前、西軍の主将である石田三成をはじめとする西軍の主力は、美濃の国(現・岐阜県南部)の大垣城に集結していました。三成は、家康率いる東軍をこの城で迎え撃ち、戦局が膠着した段階で大坂城から豊臣秀頼(秀吉の忘れ形見)を迎える、との作戦を立てていました。
これに応じて城攻めをしていては、家康は戦いの主導権を握ることができません。城攻めを嫌った家康は、「東軍は大垣城を無視して、三成の居城・佐和山城を落とし、大坂城まで一気に攻め込む」というニセ情報を西軍陣営に流します。それを聞いた三成は、それはまずい、とすぐさま城を出て、結局、関ヶ原で東軍と戦うことになりました。家康は思惑通り三成をおびき出して、得意な野戦に持ち込むことに成功しましたが、これなどは「戦術」重視の家康が、戦局を変えた事例──「戦略」を「戦術」がねじ伏せた勝利といえるでしょう。
「戦略」を支えている一つひとつの「戦術」について、逆転勝利を積み上げていくことができれば、この家康の例のように、「戦略」は思いのほか簡単に崩壊するものなのです。本書は「戦略」よりも「戦術」を鍛える重要性や、リーダーがなぜ「戦術」に磨きをかけるべきなのか、そしてその具体的な⽅法を、⽇本史の事例を通して、わかりやすく解説しています。
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戦術を立て、実行するうえで大切な五つのこと
戦術を実行する上で、「集中」と「スピード」は不可欠です。そのことを念頭に、著者は次の五つの要素も、戦術を成功させるうえで重要なポイントになると考えています。
一、得意な戦術を使う
二、新しい戦術が勝つ
三、相手の強みを消す
四、チームメンバーが戦術を理解・共有する
五、リスクヘッジを怠らない
もちろん、この五つ以外にも大切なことはありますが、これらは戦術の成功確率を上げるうえで、とくに大事な要素になります。まずはこの五つを習得すれば、今後、新規プロジェクトなどを進めるときに、間違いなく成功の確率が上がるはずです。
本書では、「小よく大を制す逆転戦術」「戦わずして勝つ無力化戦術」「絶対に負けない不敗戦術」など、リーダーが知るべき戦術の立て方から、チームを動かす方法、そして戦術を変える際の注意点まで、リーダーとしての問題解決力を格段に高めるノウハウが満載です。
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本書の構成
第一章 戦術に不可欠な五つの条件
第二章 小よく大を制す! 逆転戦術の立て方
第三章 戦わずして勝つ! 無力化戦術の立て方
第四章 絶対に負けない! 不敗戦術の立て方
第五章 部下を動かす! チーム戦術の立て方
第六章 戦術を変える時の注意点
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著者情報
加来耕三(かく・こうぞう) 歴史家・作家
1958年大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科を卒業。学究生活を経て奈良大学文学部研究員。 現在は大学・企業の講師をつとめながら、歴史家・作家として著作活動をおこなっている。監修を務める『コミック版日本の歴史』(ポプラ社)は300万部を超えるベストセラー。 テレビ・ラジオ出演多数。近著に『徳川家康の勉強法』(プレジデント社)、『教養としての歴史学入門』(ビジネス社)など。
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書籍情報
『リーダーは「戦略」よりも「戦術」を鍛えなさい』
著者:加来耕三
定価:1,580円(本体1,738円+税)
体裁:四六判 / 256ページ
ISBN:978-4-295-40918-2
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング(クロスメディアグループ株式会社)
発売日:2024年2月2日
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