株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は、30年以上前から男女を問わず働きやすい環境の整備に取り組んでおり、今年3月末には女性社員の割合が60.2%と6割を突破しました。1990年代前半に取り組みを始めて15年程度は成果は芳しいものではありませんでしたが、あきらめずに制度を更新したり追加するといった地道な取り組みによる結果であり、その取り組みを以下にまとめます。
制度設計は、老若男女を問わず受けられることが基本。
使用者の多くが女性や子どもである化粧品を開発している当社にとっては、女性が長く働き能力を発揮することは、世の中が女性活躍を掲げる以前からの課題であり、30年以上前から環境の整備に取り組んできました。当初から制度を作る時に大切にしてきたのは、男女の差をなくすこと。女性が働きやすい環境を作るために必要なのは、女性だけに適用される制度ではなく、男女ともに受けられる制度とすることで不公平感を取り除き、相互理解や共感を増やすことを大事にしてきました。妊娠・出産・育児に関する制度以外の制度もすべて老若男女を問わず、該当社員に公平なものとしています。(男性は産休のみ適用されませんが、それ以外はすべて同じです。)
常時社員の1割超が休職中。カバーするために必要な個人の能力アップを支援。
当社では、常時全社員の1割超が産休・育休などにより休職している状況が続いており、時短制度を利用している社員も約2割ですが、基本的に休職や時短による人員補充は行っていません。それを支えるのは休職社員の業務をカバーできる会社の総合力であり、個人の能力を向上させることに注力しています。全社員を対象に通信教育の費用負担(業務内容や職種、受講後の修得レベルにより負担額は異なります。)や、業務内容に合わせた研修に加え、昨年4月からは個人の能力アップを目的とした申告不要の「バリューアップ手当」(月額12,000円)を支給。また、最も大事なのは空気感。多くの社員が産休・育休を取得した経験からの経年効果もあります。取得した社員が先輩となり、後輩の休職社員のフォローをすることや、自身の数年後をイメージできる若手社員が休職している先輩社員のフォローをできる「お互いさま」の意識。男性育休を取得した社員が、その経験を活かしてチームや女性社員へのマネジメント能力が向上することや、本人が休職を通じて自身の時間の使い方や周囲との情報共有などの面で能力アップすることなどにより、滞りのない業務遂行を行える環境ができています。
基本はすべて公平。マネージャーとスペシャリストが同格の人事制度。
当社の女性管理職比率は43.2%で、そのうち半数以上が育児をしているママです。当社では女性社員比率が増えることや、女性管理職比率が増えることは良いことだと考えますが、それがすべてではないと考えています。当社では、管理職だけでなく、スペシャリストの能力を持つ社員にもその力を発揮してほしいと考え、マネージャーと研究職・技術職などのスペシャリストは同格と考え、給与も同じです。昨年度は当社で初めてスペシャリスト出身の女性役員(監査役)やママ事業部長、ママの執行役員も誕生。目指したいロールモデルを増やし、若手社員の育成につなげたいと考えます。
【働きやすさに関する当社の取り組み】
1985年 産休・育休制度開始 男女雇用機会均等法施行により制度作成
1989年 産休からの復職社員第1号
1993年 自己申告制度 社員が上司を介さずに人事部に直接悩みや希望を申告できる制度
1996年 全社禁煙
時短制度開始 始業時間は他の社員と同じで、終業時間のみを早められる時短制度を開始
1997年 時短制度利用社員第1号
1999年 姻後の旧姓使用許可
時短制度の更新 始業と終業時間を社員が自由に決められる制度に改定
2010年 育児休暇期間を2年までに延長 それまでは法令と同じ1年6か月もしくは1歳を超えた4月まで
短時間勤務を小3までに延長
法令と同じ3歳までを延長。5時間から7時間30分の間で30分刻み、1か月単位で変更可能。
勤務時間のシフトを小3までに延長 法令は3歳まで。繰り上げ・繰り下げ対応可能
勤務地限定制度 全国転勤ありから、希望の勤務地限定を選択可能に
2012年 短時間勤務を小6までに延長 それまでの小3までをさらに延長
勤務時間のシフトを小6までに延長 それまでの小3までをさらに延長
子の看護休暇を小6までに延長 それまでの法令通りの小学校入学までを延長
時間外勤務免除を小6までに延長 それまでの法令通りの小学校入学までを延長
電話相談窓口を新設 人事部に電話・メールでの専用窓口を新設
通信教育支援 育休中でも通信教育の費用負担を開始
育休期間を勤続年数に加算
退職金支給の減額を軽減。社内褒賞制度の10年・25年の永続勤続表彰の対象に
復職支援金の支給
3か月以上の育休取得者が復職する際の手当。就学前の子どもの人数×月額2万円
2014年 くるみんマーク取得
2016年 新人事制度開始 マネージャーとスペシャリストが同格の新人事制度を導入
育児・介護両立支援サポート開始
育児に加えて家族の介護を行う社員に対してのサポートと管理職への教育実施
2018年 肌休暇制度 心と体と肌を健康に保つための休暇制度
フレックス勤務制度 それまでの限定した職種の社員に対しての制度を全社員に適用
2019年 社内呼称「さん」付けに 役員・管理職を含め、全社員の呼び名を「苗字+さん」に統一
2020年 時間有休制度 1日もしくは半日単位の有休取得を1時間単位で取得可能に
パパブック作成 男性育休取得推進のサポートブック。本人用と管理職用で啓蒙
2022年 ママスペシャリスト執行役員誕生 ママでスペシャリストの執行役員誕生
2023年 プラチナくるみん取得
女性スペシャリスト役員誕生 女性スペシャリスト役員・ママ事業部長・ママ執行役員誕生
【休暇を推進している取り組み】
肌休暇・リフレッシュ休暇・メモリアル休暇
【その他の取り組み】
ノー残業デー(年間16日)・全社フレックスタイム制度・時間有休
時短勤務は1か月ごとに本人の申請によりフレキシブルに変更可。
【女性活躍関連の受賞歴】
2018年12月 Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018受賞
2020年2月 大阪市女性活躍リーディングカンパニー 優秀賞受賞
■参考資料(過去に発行した働き方に関するニュースリリースのタイトル)
2016/03/30 過去10年の育児休業復職率100%
2017/04/19 育児休業後の定着率3年連続100%
2018/02/28 ナリス化粧品、「肌休暇」制度導入へ
2018/04/25 ナリス化粧品、女性管理職比率10年間で2倍以上に
2018/12/25 ナリス化粧品、日本最大の女性アワード FORBES JAPAN WOMAN AWARD受賞
2019/04/24 ナリス化粧品、正社員の女性比率10年間で34%から53%に
2020/02/04 ナリス化粧品、大阪市女性活躍リーディングカンパニー 優秀賞受賞
2020/06/30 ナリス化粧品、男性育休取得増を目指し、「パパブック」作成
2021/03/26 ナリス化粧品、ママ昇進10年でのべ11人
2021/06/17 ナリス化粧品、男性育休取得者のうち2/3が3か月取得
2022/06/01 ナリス化粧品、男性育休取得者の100%が、「取得期間1か月以上」
2023/01/05 ナリス化粧品、「プラチナくるみん」企業に認定
2024/04/05 ナリス化粧品、女性社員比率・管理職比率・管理職ママ比率2倍に
2024/04/12 ナリス化粧品、自己能力・価値向上応援手当を支給
2024/06/08 ナリス化粧品、男性育休取得率44%。5年で約3倍に
■ 会社概要
社名 株式会社 ナリス化粧品 所在地 本社 大阪市福島区海老江1丁目11番17号 資本金 16億円 代表者 代表取締役 村岡弘義 社員数 673名(正社員のみ2024年3月末・連結) 男性 265名/女性408名
グループ事業内容
■訪問販売事業 化粧品・健康食品・美容機器・補整下着等の販売/エステティック事業/教育事業
■海外事業 東南アジア・中国など世界各国における化粧品の開発と販売
■開発事業 OEM事業(相手先ブランドによる製品生産受諾販売)
■通信販売事業 媒体を通した化粧品販売
■店頭販売事業 化粧品商社等を通したドラッグストア・量販店での化粧品販売
直営店による店舗独自の化粧品の販売、エステティックサービスの提供
関連URL :