微笑みの国タイ。東京のような大都会バンコク。旅行者天国‥‥。こうした景色が“表の顔”だとすれば、普通に行っただけでは見えない“裏の顔”もあります。そのひとつが、タイに逃れてきた多くのミャンマー人たちの実情です。
タイにはいま、多くのミャンマー人が押し寄せています。バンコクや漁業の町マハチャイなどではかねてから、大勢のミャンマー人は働いていましたが、ここ数カ月でその数は激増。バンコクに逃れたミャンマー人からの報告によると、バンコクの入国管理局の建物の中にいたのは「7~8割はミャンマー人。ごった返していた」とのこと。
こうしたことが起きた最大の要因は、2021年にクーデターを起こして実権を掌握したミャンマーの軍事政権が今年2月、8歳以上の男女に対して兵役の義務を課す「徴兵制」を導入すると発表したからです。国軍兵士にされることを恐れた若者たちがこぞって隣国タイに逃れたのです。ミャンマー人にとってタイへの入国は14日以内の滞在であればビザは要りません。
3年以上にわたって軍事政権と民主派勢力との間で戦闘が続くミャンマー。多くの一般市民が民主化への回帰を望むなか、国軍は兵士の不足を懸念しています。そこで兵士を補完しようと徴兵制を導入したところ、多くの若者が国を去り、タイへ流れてきました。
バンコクに逃げてきたミャンマー人の若者は言います。
「民政に戻りたいのに、その逆の国軍の兵士にされるのは絶対嫌だ。軍のために命を懸けたくない」
とはいえ、バンコクに行ったところで仕事にありつけるのか。彼らはどんな仕事に就き、どんな暮らしをし、何を考えているのか‥‥。
こういった取材をこの夏にしてみませんか? 英語の通訳を参加者ひとりひとりに付けるので、ビルマ語やタイ語ができる必要はありません。
途上国に特化したNPOメディア「ganas」が主催する現地取材プログラム『Global Media Camp in タイ』では、バンコクに逃れたさまざまなミャンマー人などを取材し、記事を書き、ganas編集長とのやりとりを重ねた後、ganasのウェブサイトで発信します。
取材して記事を書くことで、普通なら見えないことが見えるようになります。期間限定のジャーナリストになってそうした経験をしてみませんか? アポ取り以外は、プロのジャーナリストとほぼ同じ動きをします。取材の仕方、視点のもち方、記事の書き方といったノウハウはganas編集長から直接学べます。
タイ、ミャンマー、民主化、難民に関心がある社会人・学生にとっては生の声を自分で聞き出せるチャンス。ジャーナリスト志望者にとっては取材して発信した記事はポートフォリオになります。
途上国を取材し、記事を書き、それを発信する『Global Media Camp』は唯一無二のプログラムとして大きな支持を得てきました。2014年の春以来これまでに38回(9カ国12カ所)開いてきた実績があります。2024年夏(8、9月)の開催地は、タイ・バンコクのほか、南米のコロンビア(メデジン)、西アフリカのベナン(トタ村)を予定しています。
■『Global Media Camp in タイ』の概要
◎場所:タイ・バンコク
◎期間:2024年8月15日(木)~8月22日(木)
*8月15日に現地集合、8月22日に現地解散、7泊8日の現地研修プログラム
◎料金:一般18万9800円、学生16万9800円
*渡航費(5月23日時点で往復5万円台から。航空券は早めに買われた方がお得です)、保険代(2000円台から)は含みません
*含まれるもの:講習費、宿泊費、宿泊先と取材先の移動費、通訳の費用(英語が通じない場合)、その他取材費用、食事代(朝、昼、夕。飲み物やデザートなどは除く)
*ganasサポーターズクラブのパートナーは3万円、サポーターは2万円の特別割引があります(早割との併用のみ可。このプログラムへのお申し込みと同時に、ganasサポーターズクラブに入会されても割引を受けられます。大変お得です)
*6月17日(月)までのお申し込みは「早割」として1万円割引(入金が完了していること)
*ご友人同士で申し込むと「友だち割」として、それぞれに5000円キャッシュバック(早割との併用のみ可)
◎〆切:2024年7月16日(火)
*6月17日(月)までのお申し込みは「早割」として1万円割引(入金が完了していること)
◎定員:最大8人程度(先着順)、最少開催人数4人程度
◎主催:特定非営利活動法人開発メディア(ganasの運営団体)
◎問い合わせ先:devmedia.ganas@gmail.com
◎申し込み方法:お問い合わせいただければ申込書をお送りいたします。
■『Global Media Camp in タイ』の基本的なスケジュール(予定)と取材先候補
8/15(木)現地集合
8/16(金)取材
8/17(土)記事の執筆&フィードバック
8/18(日) 取材
8/19(月) 記事の執筆&フィードバック
8/20(火)取材
8/21 (水)記事の執筆&フィードバック、フェアウェルパーティー
8/22(木) ふりかえり、現地解散(昼ごろを予定)
下のような取材先を候補として考えています(ご要望があればお気軽にお問いあわせください)。
↓↓↓
さまざまなミャンマー難民、タイのローカル工場など。
■『Global Media Camp』に参加すると得する3つの理由
1)途上国を取材できる!
‥‥『Global Media Camp』は、途上国を本格的に取材でき、記事を書き、それを発信する唯一無二のプログラムです。スタディツアーのように、担当者からレクチャーをひたすら受けるのではありません。参加者自らが取材対象に自由に質問します(基本は英語を使います。コロンビアのみ日本語でも可能)。取材は、その国のことを短期間で少しでも深く、また多角的に知る手段のひとつ!
2)スキルアップできる!
‥‥『Global Media Camp』では新しい体験をするだけではありません。ネタ(良い話も悪い話も)や視点(切り口)を見つける力、情報を引き出すために質問する力、物事を掘り下げる力、要点をまとめる力、伝わる文章を書く力など“一生モノのコミュニケーションスキル”の向上を目指します。各回の参加者を最大8人に絞っているため、ganas編集長からマンツーマンでフィードバックを受けられます。頑張った実績として、現地取材をベースにした「署名記事」が残ります。記事には1万以上の「いいね!」が付いたことも。ステレオタイプでない記事の発信にも意義がありますよね。
3)途上国を「複眼の視点」で見られる!
‥‥「途上国=貧困 or 幸せ」などと決めつけていいのでしょうか? 物事に対する見方はさまざま。『Global Media Camp』では複眼の視点で物事をとらえる方法を学びます。世の中には自分が知らないこと、自分自身で無意識に決めつけてしまっていることがたくさんあります。取材も含め、現地の人と話す時間をたっぷりとっていますので、疑問を直接ぶつけてみてください。脱ステレオタイプを目指しましょう!
■『Global Media Camp』で得られる5つのスキル
1)発見力
‥‥記事を書くには「ネタ&切り口」が不可欠です。毎日の取材ではまず、具体的なネタ探しと格闘します。ネタは、問題や長所を指す場合も少なくありません。ネタ探しの日々は「見つける力」(発見力)を向上させます。
2)質問力
‥‥ネタ&切り口を見つけたらおしまい、ではありません。関係する情報をいかに集めるか(インプット)が重要。質問の仕方によって、得られる情報の質・量、ひいては記事の内容・レベルは大きく変わります。取材現場では毎日、記事を書くために必要なたくさんの質問をします。質問力(情報を聞き出す力)を集中的に鍛えます。
3)考察力
‥‥質問による情報収集(インプット)・ブレインストーミング・記事執筆(アウトプット)・講師からのフィードバックを繰り返すことで、物事を掘り下げる体験をします。「これまで見えなかったこと」が見えるようになることも。ここでカギとなるのは、“関係が一見なさそうなもの同士”をつなげて考える発想です(たとえば「宗教」+「SNS」=どうなるでしょう?)。意外なこと・つながりを見つけた瞬間はまさに快感!
4)要約力
‥‥要点をまとめる力もつきます。言いたいことが不明瞭な長い話は、とりわけ社会に出ると聞いてもらえません。内容を薄めずに/抽象化せずに、いかに簡潔に表現できるか。これは記事(特に見出し、リード)の書き方に通ずるものがあります。要約力はいま注目のスキルのひとつ。これを毎日特訓します。
5)文章力
‥‥カッコいい/美しい文章よりも、いかに伝わるか/読まれるかが大事ですよね? そのテクニックを学びます。文章力はコミュニケーションスキルの基本。レポートやエントリーシート(ES)の作成にも当然役立ちます。とりわけ最近は、電話よりも、メールを書く機会が激増しているだけに、文章で伝える重要性は高まっています。
■『Global Media Camp』はこんな方におススメ(社会人&学生)
◎途上国を掘り下げたい人
・途上国を深く知りたい(世界人口のおよそ8割は途上国で暮らしています)!
・途上国の人と深い話をしたい!
・多様な途上国を多角的に見る方法を学びたい!
・途上国で将来、仕事したい!
・貧困、教育、ジェンダー、少数民族、難民、国内避難民、ソーシャルビジネス、開発援助など特定の分野を取材したい!
・過去(歴史)と現在、未来のつながりを取材であぶり出したい!
・フィールドワークをやってみたい!
・途上国の若者と仲良くなりたい(友情は、その国をウォッチし続ける「基盤」となります)!
・JICA海外協力隊、海外インターン・ボランティアに興味がある!
◎メディア・広報・コミュニケーションに関心のある人
・メディアに疑問を感じるから、自分で取材・記事執筆に挑戦してみたい!
・自分の足で取材した途上国のことを多くの人に発信したい!
・プロのジャーナリストになりたい!
・ジャーナリストの動きを体験してみたい!
・「ネタや切り口を見つける力」「質問する力」「深掘りする力」「要点をまとめる力」「伝わる文章力」を高めたい!
・英語(タイ語、ビルマ語、スペイン語、フランス語など)を使って、取材にチャレンジしてみたい!
・ESなどでアピールできる実績を積みたい!
『Global Media Camp』は2014年の春以来、フィリピン(セブ、ネグロス)、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、コロンビア、ベナン(コトヌー、トタ村)、インド(プネー、コルカタ)、タイ、ルワンダの9カ国12カ所で合計38回開いてきた実績をもちます。参加者は合計196人。年齢は18~59歳と幅広いです。
大学生の場合、参加者が多いのは慶応大学、東京外国語大学、上智大学、早稲田大学、神戸市外国語大学、明治大学、立教大学、青山学院大学、東京大学、筑波大学、法政大学、横浜国立大学、大阪大学、北海道大学、立命館大学、中央大学、津田塾大学、東京女子大学、ICU、日本大学、同志社大学、奈良女子大学、茨城キリスト教大学、名古屋大学など。文系の学生はもちろん、医学や看護学、都市開発、建築、プラントエンジニアリング、農業などを学ぶ理系の学生の参加者もいます。
社会人ではJICA職員やNGO職員、会社員、大学教授、公務員、医師、看護師、会社経営者、青年海外協力隊の経験者・候補者・志望者、地域おこし協力隊、フリーランサーなどにご参加いただいています。
■帰国後はこんな特典も!
・ganas主催の「2024年秋 グローバルライター講座」(5万5000円相当)を2万円で受講できます。ただし簡単なお手伝いをお願いする場合があります。
・ganasのボランティア記者として活動し続けたいとコミットの高い方は、ganas主催の「2024年秋 77日記者研修」(6万9000円相当)に2万円で参加できます。
*いずれも、ganasサポーターズクラブに入っている/入ることが条件です
■講師
長光大慈(ganas編集長)
途上国・国際協力に特化したNPOメディア「ganas」編集長/特定非営利活動法人開発メディア代表理事。上智大学法学部を卒業後、アジア最大の日本語媒体であるNNA(現在は共同通信グループ)のタイ支局とフィリピン支局を立ち上げる。電気新聞記者、フリーライター、デベックス・ジャパン・メディア部門責任者などを経て現職。合計10年以上の海外在住経験(米国、タイ、フィリピン、インドネシア、ベネズエラ)、およそ50カ国の渡航経験をもつ。青年海外協力隊のOBでもある。ハンモックのコレクター。
■現地コーディネーター
バンコク在住のミャンマー人 *身の安全を考慮して名前は伏せます。
■主催団体
特定非営利活動法人 開発メディア
2012年8月17日設立。途上国・国際協力を専門とするNPOメディア「ganas」を運営。下のボードで記事を発信中。キャッチフレーズは「途上国を知る。世界が広がる。」。
・ウェブサイト:http://www.ganas.or.jp
・フェイスブックページ:https://www.facebook.com/ganas.or.jp
・ツイッター:https://twitter.com/devmedia_ganas
・インスタグラム:https://www.instagram.com/devmedia_ganas
・ライン:https://page.line.me/ganas
・ポッドキャスト:https://open.spotify.com/show/0yOzlKPgVivnKoxeVGdgjj
・メール:devmedia.ganas@gmail.com
・所在地:埼玉県入間市小谷田1666-4-412
■『Global Media Camp』参加者の声(抜粋)
「『英語×途上国×書く力』という3つの学びがそろうのがGlobal Media Camp。ハードだったけれど、これまでの大学生活では積めなかった経験」(敷野雄一さん、学生)
「Global Media Campは、参加者の裁量に任される部分が大きく、思う存分取材できたのが良かった。他人の言葉を情報としてただ得るのではなく、なぜそうなったのかを考える姿勢が身についた。スキルアップしたい人にはおススメ」(石井ゆめみさん、学生)
「特に印象に残ったのは、予想外に多くのベネズエラ難民たちと出会えたこと。生きることに前向きなパワーを直接感じ取れた。国内避難民へのインタビューでも心が揺さぶられた」(渡辺卓さん、社会人)
「ベネズエラ難民や国内避難民を取材できた。逆境にいる人たちは、想像していたよりも落ち着いていて、よく笑うなと思った。ただ、悲しみの片鱗が時々垣間見えることが気になった」(洲鎌槙吾さん、学生)
「取材する際に、オープンクエスチョンに頼りすぎない必要性を身にしみて感じた。知識がなくても『なぜ』『どのように』を使えば、簡単に質問できる。でもそれでは相手は答えにくいし、なにより自分の頭で考えることを放棄することになる」(向出洋祐さん、学生)
「最大の収穫は『情報の聞き出し方』を学べたこと。インタビューしながら見出しをイメージし、それに基づいて必要な情報を収集するのは大変だった。でも徐々にコツをつかめたことが達成感につながった」(森春奈さん、学生)
「スラム街や国内避難民居住区など、自分一人ではアクセスが難しいところにも行け、またアウトプットの機会も用意されているのは貴重」(榊原麻由さん、学生)
「南米へ行ったのは初めて。麻薬都市から平和都市へと変貌を遂げたコロンビア・メデジンを見てみたかった。取材を通して、隣国ベネズエラとのかかわりの深さ、難民が流入するリアルについて知ることができた」(福田朋子さん、社会人)
「毎日がおもしろすぎた。そして大変すぎた。あの人にも取材したい、こんなことも知りたいという好奇心と、記事をたくさん書いて発信したいけれどなかなかできないという葛藤。これからも書き続け、自分をスキルアップさせたい」(加藤美希さん、社会人)
「外国人とここまで蜜にコミュニケーションをとったことはなかった。良い記事を書くためには、少しでも多くその国のことを知ることが必須だから、必死に取材した」(成田丈士さん、学生)
■タイ(バンコク)のここが魅力・興味深い!
☑「民主主義の優等生」とかつていわれていたのに、2014年からは事実上の軍政に。現在の与党は、親軍政党(クーデターで政権をひっくり返した側)と民主派政党(クーデターで政権をかつて奪われた側)による奇妙な連立政権。
☑国民から尊敬を集めたプミポン国王(ラマ9世)が2016年に崩御し、長男のワチラロンコン国王が誕生。プレイボーイであることから、国民の間で人気は低い。ただタイには不敬罪があり、批判はご法度。「王室改革」は近年、タイの選挙での最大の争点になっている。
☑高齢化が進みつつある。タイの平均年齢は39歳。これは米国や中国とほぼ同じ(日本は48歳)。東南アジアでは屈指の高さ。10年後には日本と同じ「超高齢社会」になる見込み。
☑タイは移民労働者が多い。街のいたるところで働いている。多い順に、ミャンマー人、ラオス人、カンボジア人。ミャンマーで軍事クーデターが起きて以降、タイへ逃れるミャンマー人が激増している。
☑世界屈指の親日国家。タイの小説「メナムの残照」は、戦時中のタイ人女性と日本兵の愛を描き、根強い人気を誇る。登場人物のコボリ(小堀)は“タイで最も有名な日本人”。
☑1人当たりの国内総生産(GDP)は2023年のデータで7337ドル(約115万円)と“途上国卒業”が間近だが、近年は経済成長も鈍化し、「中所得国のわな」にはまったといわれる。
■『Global Media Camp』の参加者が書いた記事
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