CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間5月8日に、
J.D. Power 2024 North America Airline Satisfaction Study℠(J.D. パワー 2024年北米航空会社顧客満足度調査℠)
の結果を発表した。
本調査は、直近1ヶ月以内に北米の主要航空会社を利用した乗客を対象に、ファースト/ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミー/ベーシックエコノミークラスの3部門に分け、航空会社に対する満足度を測定している。20回目となる今回調査では、調査設計の変更が行われている。
国内線旅客数が前年から更に増加し*¹ 、搭乗ゲートの混雑、機内収納棚のひっ迫、高額な運賃*² に終わりが見えない中、航空会社は顧客満足度の維持に追われている。本調査によると、スタッフのトレーニングのための多額の投資や、フレンドリーで行き届いたサービスで総合的なフライト体験を向上させるための取り組みが、混雑した状況の中でも一部の航空会社において優れた顧客体験を提供することに寄与している。
*¹ IATA “Passenger Demand Up 21.5% in February”
https://www.iata.org/en/pressroom/2024-releases/2024-04-04-01/
*² Federal Reserve Bank of St. Louis, “Consumer Price Index for All Urban Consumers: Airline Fares in U.S. City Average”
https://fred.stlouisfed.org/series/CUSR0000SETG01
2024年調査の主なポイントは以下の通り:
乗客は、簡単かつ安全に目的地にたどり着くことを期待
パンデミックによる航空旅行の停滞後、航空運賃は依然として高いため、料金が乗客の満足度に大きな影響を与えると予想する人もいるかもしれない。しかし、本調査によると、実際に航空会社の総合的な顧客満足度に影響を与える最大の要因は「旅行のしやすさ」と「信頼性」である。「料金に対する価値」等も重要ではあるが、乗客にとってはスムーズなフライトができることはより重要である。
メディアの報道は「信頼性」スコアに大きく影響
航空会社に対する乗客の信頼度は、その航空会社に関する報道と相関関係がある。過去1年間において、航空会社のパフォーマンスに関する否定的な報道を目にした乗客では、「信頼性」ファクターの満足度スコアが400ポイント(1,000ポイント満点)低かった。
トップ評価の航空会社では人材への投資が高評価に寄与
今回調査で部門トップ評価のサウスウエスト航空とデルタ航空は、人材に多大な投資を行ってきた。このような努力が、対人サービスで差がつく全ての調査領域において著しく高い評価につながった。
J.D. パワー、シニア・マネージング・ディレクター マイケル・テイラー(トラベル、ホスピタリティ、リテール、カスタマーサービス部門)のコメント
「航空旅行全般の顧客体験には、航空会社がコントロールできない多くの側面がある。しかし、スタッフ対応は航空会社が顧客体験に大きな影響を与え得ることの1つである。今回の調査で、『人の力』がフライト体験全体にポジティブな影響を与えるということが示されたことは大きな収穫である。スタッフのトレーニングや採用に投資している航空会社は、シンプルに顧客に対して親切な対応をすることで、ゲートや機内の混雑による悪影響を克服する方法を見出している。」
顧客満足度ランキング
【ファースト/ビジネスクラス部門】
第1位:Delta Air Lines(デルタ航空)(743ポイント)
第2位:JetBlue Airways(ジェットブルー航空)(736ポイント)
【プレミアムエコノミークラス部門】
第1位:Delta Air Lines(デルタ航空)(716ポイント、2年連続の総合満足度第1位)
第2位:Alaska Airlines(アラスカ航空)(687ポイント)
第3位:American Airlines(アメリカン航空)(684ポイント)
【エコノミー/ベーシックエコノミークラス部門】
第1位:Southwest Airlines(サウスウエスト航空)(685ポイント、3年連続の総合満足度第1位)
第2位:Delta Air Lines(デルタ航空)
(
651ポイント)
第3位:Allegiant Air(アレジアント航空)(633ポイント)
《J.D. パワー 2024年北米航空会社顧客満足度調査℠概要》
直近1ヶ月以内に北米の主要航空会社を利用した乗客を対象に、ファースト/ビジネスクラス、プレミアムエコノ
ミークラス、エコノミー/ベーシックエコノミークラスの3部門において航空会社に対する満足度を明らかにする
調査。今回で20回目の実施となる。今回は調査設計の変更が行われ、ファクターと評価スケールが変更された。
■実施期間:2023年3月~2024年3月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:アンケート回答時の直近1ヶ月以内に北米の主要航空会社を利用した顧客
■調査回答者数:9,582人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
【ファースト/ビジネスクラス部門】:「旅行のしやすさ」(19%)、「機内での体験」(19%)、「信頼性」(15%)、「料金に対する価値」(14%)、「スタッフ」(11%)、「デジタルツール」(11%)、「フライト前後の体験」(10%)
【プレミアムエコノミークラス部門】:「旅行のしやすさ」(18%)、「スタッフ」(16%)、「信頼性」(16%)、「機内での体験」(16%)、「料金に対する価値」(13%)、「フライト前後の体験」(11%)、「デジタルツール」(10%)
【エコノミー/ベーシックエコノミークラス部門】:「旅行のしやすさ」(18%)、「信頼性」(16%)、
「機内での体験」(15%)、「料金に対する価値」(15%)、「スタッフ」(12%)、「フライト前後の体験」(12%)、「デジタルツール」(11%)
*本報道資料は、現地時間2024年5月8日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-north-america-airline-satisfaction-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、
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