報道関係者各位
株式会社ヘルステック研究所(本社:京都府京都市、代表取締役:阿部 達也、以下「ヘルステック研究所」、または「当社」)は、指定国立大学法人京都大学(所在地:京都府京都市、総長:湊 長博)及び沖電気工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森 孝廣、以下「OKI」)と2020年1月より実施したスマートフォンアプリによる睡眠改善効果に関する共同研究開発の成果を社会実装した、睡眠習慣を改善する行動変容サービス「Wellbit™ Sleep」がOKIから4月より販売開始されたことをお知らせいたします。
背景・目的
現在、日本人の約4割が睡眠負債を抱えると言われています。日本人の平均睡眠時間は7時間22分でOECD加盟国33カ国中最下位(※1)、日本人の睡眠不足による経済損失は年間約15兆円(※2)と試算されています。心理的、身体的疾患との関連や仕事のパフォーマンス低下、ミス、事故といったリスク、またQoL(クオリティ・オブ・ライフ)との関連が指摘され、働く世代における重要な課題となっています。不眠症治療には考え方や行動の変化を促す認知行動療法が効果的で、インターネットやスマートフォンアプリを活用したものも利用されつつありますが、不眠症の診断を受けて通院している重症者への効果しか示されていません。
本研究ではOKIが持つ適切なタイミングで適切なメッセージを届ける「プロンプト技術」に、京都大学及び当社が有する生涯PHRアプリ「健康日記」を組み合わせた睡眠プロンプトアプリケーション(SPA)を開発し、働く世代の睡眠に関わる課題の改善効果を検証いたしました。
※1:OECD(経済協力開発機構) 2021年調査
※2:RANDA Europe(2016):Why Sleep matters-the economic costs of insufficient sleep
本共同研究成果の社会実装にあたって
企画段階から社会実装を視野に入れ、企業と研究者という異なる文化背景の中でも率直な意見交換を続け、議論しながらシステム構築を行い商品化が実現できたことは一つのモデルケースと考えられます。睡眠改善を促す認知行動療法のエッセンスを含むメッセージが、OKIの有するプロンプト技術によって、適切な対象に、対象が受け入れやすいタイミングで届くことになり、効果的なアプリケーションが開発できました。この睡眠プロンプトアプリケーション(SPA)は労働者の軽度な睡眠問題の改善に有効で、身体的疲労も改善するなど社会における睡眠問題の悪影響を軽減する重要な役割を果たす可能性があります。
<京都大学医学研究科 社会健康医学系専攻 予防医療学分野 教授 石見 拓>
これまでの経緯
【2020年1月〜3月】
京都大学、OKI、当社の3社で「睡眠プロンプトアプリケーション(SPA)」を共同開発
【2020年11月〜2021年3月】
京都大学にて睡眠に関する自覚症状がある労働者116名を対象に臨床試験を実施
【2022年7月25日】
本研究成果が国際学術誌JMIR(Journal of Medical Internet Research)に論文掲載
【2023年4月〜6月】
OKIにてグループ社員約200名を対象に社内検証を実施
【2024年4月16日】
OKIが睡眠習慣を改善する行動変容サービス「Wellbit™️ Sleep」販売開始
●記者発表会の様子(2024年4月16日撮影:OKI本社にて)
左:OKIビジネス開発部 武市 梓佐 氏
中央:OKI執行役員 藤原 雄彦 氏
右:京都大学 石見 拓 教授
Wellbit™️ Sleepについて
Wellbit™️は、OKIが行動変容技術に基づいて独自開発した行動変容プラットフォームです。スマートフォンやIoTセンサーなどから収集した利用者の行動や環境の時系列データを分析し、習慣化させたい対象行動に合ったタイムリーな利用者向けメッセージを生成して送信することが可能です。Wellbit™️ Sleepは、京都大学及び当社を含む3社の共同研究により得られた睡眠医学の知見を生かした「メッセージ規則」を搭載し、利用者がLINEなどのスマートフォンアプリに日々の睡眠時刻や睡眠に関するアンケートを入力することで、パーソナライズされた行動アドバイスのメッセージを受け取ることができるクラウドサービスです。
提供:沖電気工業株式会社
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Wellbit™️紹介サイト:
https://www.oki.com/jp/Wellbit/index.html
補足資料
本件に関する過去プレスリースは下記よりご確認いただけます。
・2022年7月26日付「ヘルステック研究所、京都大学・OKIとの共同研究-スマートフォンアプリによる睡眠改善の有効性に関する論文が国際学術誌に掲載されました-」
ヘルステック研究所について
当社は、データに基づく健康管理の質の向上を目的とした京都大学における産学連携共同研究「京大データヘルス研究会」の発足を機に設立された大学発のベンチャー企業です。京都大学との共同研究をはじめ、健康・医療・介護に関わる個人データ(Personal Health Record:PHR)の標準化および利活用促進を目指し、研究開発を行なっています。生涯PHRアプリ「健康日記」や医療従事者向け勤怠管理アプリ「医働日記」、大学向け健診サポートシステム「CAMPUS」など多岐に渡るサービスを展開するとともに研究・分析に関するコンサルティングも実施しています。
詳しくは以下URLをご覧ください。
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ヘルステック研究所:
https://htech-lab.co.jp/
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京大データヘルス研究会:
https://dh-lab.org/
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ヘルステック研究所 公式X:
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