娘は4年間いじめられるために学校に通っていました。ひとりでいじめに耐え、隠し続けた娘。いじめの存在を否定する我が子からは話を聞けず、なかったことにする担任は当てにならない。いじめの本当の加害者は、被害者は誰? 家族が希望を取り戻すまでを描いた、実話をもとにしたコミックエッセイです。
「お姉ちゃん 学校でいじめられてるんだって」きっかけは息子の一言だった。
娘の様子はおかしなところもなく、いつも通りに思えたが、次第に娘の言葉の矛盾に気づくようになる。
いじめの手がかりを探すため娘の部屋を探していると、自然教室での写真を見つけた。そこに写っていたのはひとりきりで過ごす娘の姿ばかり……。
娘へのいじめが確信に変わった時、同級生の母親から4年間もいじめられていたという事実を告げられる。
問いただしても、いじめの事実を否定する娘。しかし、言葉とは反対に、体は拒否反応を示し、学校に行こうとすると立てなくなってしまう。
無視されに行かないといけないと言う娘。なぜ4年間もいじめを隠し続けていたのか。そして明らかになるいじめの実態と娘の本当の気持ちとは? それを聞いて親ができることとは――?
SNSで作品を公開後、「我が子が同じ目に遭うのではないか「うちの子も昔からいじめを受けていて」と話題になり、物語が進むにつれて「誰もが加害者にも被害者にもなりうる」といった声も寄せられました。いじめに気づいたらどう行動すればいいのか、いじめ自体をなくすために、大人ができることは何かを考えるきっかけにもなる1冊です。
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著者メッセージ
「我が子が学校でいじめ被害に遭っている」こんな事実を知った時、多くの親はきっと「誰にいじめられているのか」「どうしていじめられなければならなかったのか」と真実を追い求め、事実が少しずつ明らかになる中で「許せない」という憎しみの感情を抱くこともあるでしょう。
いじめというものは、被害者と加害者と簡単に位置付けられるものばかりではなく、その裏側ではとても複雑で、未熟な感情が渦巻いていることが多くあります。もしかしたら、相手を想うあまり傷つけてしまったり、思い込みや不器用な正義感が発端になっていることもあるかもしれません。
一部の情報や印象だけで全てを判断するのは難しいことであることはわかっていながら、大切な我が子が傷つけられたという事実を前に、冷静に判断し行動できる人間がどれほどいるでしょうか。
このお話を、単なる「いじめ被害を受けたどこかの知らない家族の話」としてではなく、登場人物と共に「自分ならどうするだろうか」と考え悩みながら読み終えた時、学校で、社会で、ネットの世界で、「いじめ」を引き起こさないためにどうすればいいか、自分なりの答えを見出すきっかけになれば嬉しいです。
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著者プロフィール
2歳差育児に奮闘する主婦でゲーマーでイラストレーターでデザイナー。優しきお調子者の長男ことげと、頑固なしっかり者の長女まるみの育児日記や、同じくゲーマーで自称愛妻家の夫けむりんとの夫婦エピソードを漫画化し、ブログで公開している。
・書誌情報
『家族全員でいじめと戦うということ。』
さやけん著
定価 1320円(本体1200円+税)
刊行日 2024年6月14日
・商品ページ
【楽天ブックス】
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