スコットランド国際開発庁(SDI)のサポートのもと、イオン系列の水産売場ではスコットランド産サバの魅力をアピールするキャンペーンを継続的に行っている。
ここ数年、国産サバの不漁などを背景に大きく存在感を増しているスコットランド産のサバについてイオンリテール食品本部水産商品部の初瀬雄二バイヤーは「この2カ月だけみてもスコットランド産サバを使った製品(ろく助塩使用の塩サバ)の売り上げは、前年同期比125%と非常に良い伸びを見せている。いろいろな食品が値上がりをしている中で、売り上げが伸びているというのは脂乗りの良いスコットランド産サバの美味しさを消費者の方が認識してリピートしてくださっているからだと思うし、実際にそういう声も聞いている」と話し、全国の店舗のうち6店舗でデモンストレーション販売をするなどキャンペーンを行ってきた。
スコットランドのサバの漁期は9月から1月ごろまで。北大西洋西部と北海の2カ所が主漁場で、9月に北大西洋西部からスコットランド海域に入り、西に移動しながら3月にビスケー湾に到達するまでサバは南下していく。9月から1月にかけて北大西洋西部で獲れるサバは身質もよく、脂乗りも良質な状態だという。トロール船とまき網船で獲る漁法があるが、近年では身質に差異が出ることもなくなっているようだ。
そして特筆すべき点としては、日本のサバの輸入では9割近くと圧倒的なシェアを誇っていたノルウェーだが、一昨年からスコットランドが伸長し、2023年度は全体の2割にまでシェアを伸ばしてきている。一つの要因としては、サバの関税率に優位性があることで、今後は段階的な撤廃の方向にあり、33年度までにはゼロになることから日本水産業界からの関心は高い。
SDIの吉田圭吾上席商務官(食品飲料担当)は「消費者に受け入れられるには品質がよいことが大事。ここ数年確実に伸びてきたのは、スコットランド産サバが上質な脂がのった適切な時期に漁獲されており、日本人の好みに合った霜降りの素晴らしい製品になっているから。今年も8月のインターナショナル・ジャパン・シーフードショーには出展予定だが、毎年出展してきて、認知度も高まってきたスコットランド産サバの品質を宣伝してきたからに外ならない。まだまだ成長の余地はあると確信しており、今後も積極的にプロモーションを続けていきたい」と話している。
なお、カネジョウ大崎(千葉県銚子市)がイオンリテールで販売するスコットランド産サバを使った「ろく助塩使用 塩さば」は5月半ばから6月上旬までXキャンペーンを実施、好評を博した。初瀬バイヤーも「今後もまたタイミングを見ながらキャンペーンを実施していき売場の活性化を図りたい」と話している。