米焼酎蔵がつくる、まったく新しい日本の酒※特許出願中
“ほぼ”日本酒のリキュール「HOBO」って何だ?
ユネスコエコパークに認定された自然首都・福島県只見町で、米焼酎「ねっか」をつくる「ねっか奥会津蒸留所」。2021年5月には輸出用清酒製造免許(交付第一号)を取得し、日本酒「流觴 -Ryu Sho-」を香港へ輸出してきました。その日本酒の醸造技術と焼酎の蒸留技術を融合させ、搾った甘酒を添加するという独自製法(※特許出願中)を採用。米のみを原料にした、まったく新しい日本の酒「HOBO(ホボ)」が誕生しました。
■■■
HOBOについて
甘酒を搾り、日本酒に加える前代未聞の酒づくり
酒米を蒸し、その米の中に麹菌を繁殖させて麹をつくり、酵母と水と麹を加えた醪を発酵させる工程までは、日本酒も米焼酎も同じです。違いは後工程にあり、醪を搾ると日本酒に、醪を蒸留すると米焼酎になります。「HOBO」は日本酒の醸造技術と焼酎の蒸留技術を融合させ、独自の製法でつくりあげるリキュールです。醪を搾った日本酒に、醪を蒸留した米焼酎を醸造用アルコールとして添加し、そこに搾った甘酒を加えるという、前代未聞の製法(※特許出願中)を採用しています。
香り高く品質が変わりにくい特許取得の新たな醸造製法を確立
ねっか奥会津蒸留所は、2021年5月に輸出用清酒製造免許を取得し、日本酒の醸造を開始しました。その際に開発したのが、香りが高く酒の品質が変わりにくい、輸出に最適な日本酒です。華やかな香りの日本酒は人気がある一方で、温度管理が難しく品質保持の面で課題がありました。その課題をクリアにしたのが、当蔵独自の醸造製法(※特許取得)です。米焼酎「ねっか」を醸造用アルコールとして添加することで、ほぼ変性することがない吟醸香をまとった日本酒が出来上がります。この香り華やかでキレのある日本酒をベースに、搾った甘酒を加えるという前代未聞の製法(※特許出願中)を採用したのが「HOBO」です。米焼酎「ねっか」由来の華やかな吟醸香に誘われ、口に含むと甘酒由来の甘さを感じながらも、しっかりとキレる酒。その味わいは“ほぼ”日本酒ですが、酒税法上は「リキュール」扱いになります。
甘と酸のバランスは自由自在 味わいは無限の広がり
「HOBO」シリーズ第一弾として発売される今作「HOBO Standard」は、自社田圃栽培の酒造好適米「夢の香」を使い、一般的な日本酒の約3倍の吟醸香を含む米焼酎「ばがねっか」を贅沢にも醸造用アルコールとして使った大吟醸規格の日本酒をベースにしています。(ベース酒に使用した「流觴 大吟醸」は、日本酒コンテスト「Hong Kong Tasting Trendies® Sake Awards 2024」でベストカテゴリーを受賞しました)
さらに、適度な甘さに調整した甘酒を搾り、その基盤となる大吟醸酒にブレンドしています。発売前の試飲会では、「甘いのにキレるから、食中酒に最適!」「7号酵母を使いながら、なぜこんなに吟醸香がするの?」などの感想をいただいています。
「HOBO」の味わいは、添加する甘酒の甘さと酸味のバランスを調整することで無限の提案が可能。例えば、甘酒に使用する麹を白麹でつくると酸味の高い甘酒になり、酸が印象的な「HOBO」が出来上がります。基盤となる日本酒の精米歩合を調整する(純米吟醸・純米など)ことでも、味わいは無限に広がります。今作「HOBO Standard」の発売後には、低精米酒をベースにした地元限定酒「HOBO Local」も順次リリース予定。おいしさのバリエーションにもご期待ください。
■■■
「HOBO」誕生秘話
ピンチをチャンスに変えた「ねっかさすけねぇー」の精神
一体なぜ、日本酒に搾った甘酒を加えるという前代未聞の製法を思いついたのか――。それは当蔵ではどうにもできない、予期せぬ事態に直面したからです。
ねっか奥会津蒸留所は、2021年5月に全国第一号となる輸出用清酒製造免許を取得しました。自分たちで育てた只見産のお米を原料に用い、同じ醪で日本酒と焼酎をつくり分け、日本が誇る蒸留技術と醸造技術の融合によって生み出される唯一無二の日本酒「流觴 -Ryu Sho-」が誕生。輸出先の香港でも話題となり、日本酒コンテスト「Hong Kong Tasting Trendies® Sake Awards)で金賞を受賞するなど、高い評価を獲得しました。しかし、2023年8月に東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水の海洋放出が決定すると、香港への輸出が停止。輸出用の「流觴 -Ryu Sho-」を国内で販売することはできず、売り先のない日本酒が蔵を逼迫しました。
現状を打破すべく思いついたのが、「日本酒ではない何か」にすること。日本国内では販売できない日本酒をベースに、日本酒と同じ麹と水を原料とする甘酒を搾って添加するという、まったく新しい日本の酒「HOBO」が出来上がりました。
只見町や南会津町南郷地域で使用する方言で「ねっかさすけねぇー」とういう言葉があります。「大丈夫・問題ない」という意味の「さすけねぇー」の強調語で、「ねっか」は「まったく」「ぜんぜん」を意味する言葉。 弊社では、可能性を否定せず前向きな気持ちでものごとをとらえる「ねっかさすけねぇー(NO PROBLEM AT ALL!)」の精神を大切に、これからも伝統産業を現代的にアップデートさせながら酒造りを続けていきます。
■■■
HOBO Standard商品概要
品名:HOBO Standard
価格:2500円(税別)
品目:リキュール
アルコール度数:15度
内容量:720ml
基盤酒:大吟醸(夢の香/精米歩合40%)
添加酒:甘酒 1型
ラベルデザイン:RIO NAKANO
@rio.nakano89
URL:
https://nekka.jp/
※地元限定酒も順次発売予定
品名:HOBO Local
価格:1500円(税別)
品目:リキュール
アルコール度数:15度
内容量:720ml
基盤酒:低精米酒
添加酒:甘酒 1型
■■■
ねっか奥会津蒸留所について
豊かな自然の中でお米を栽培し、米焼酎「ねっか」で未来をつなぐ
福島県只見町は、ユネスコエコパークにも認定される自然首都であり、日本有数の特別豪雪地帯です。夏は米やトマトなどの農業が盛んで、冬は積雪3mを超える雪と共に生きる、そんな美しい日本の原風景が今もなお広がる地域です。
この只見町で「自分たちの作る米を使いながら、地域を守り、未来にバトンを繋げることはできないか」との思いから立ち上がった4人の米農家と1人の醸造技術者が、只見町の特産品である米を使用した「米焼酎」造りに注目し、2016年より「米焼酎ねっか」の蒸留をスタートしました。
米焼酎ならば原料に米を使うので、未来にこの美しい田園風景を守り繋げ、雪深く農作業のできない冬の間でも、冬季雇用を生み出すことができます。冬場の仕事がなく出稼ぎに出る若者に対し、地元で安定就労できる場を提供することで、若者の定住にも繋がりました。
米焼酎ねっかは、自社田圃で栽培した全量只見産米にこだわり、只見町の土壌を知り尽くした米農家=米作りのプロが作る酒米と、全国トップレベルである福島県の醸造技術を高次元で融合させた米焼酎です。日本酒の2倍以上の香気成分を含みながらも香りが変性することがなく、そのキレのある味わいで和食に合うお酒としてご好評いただいています。
■■■
環境に対する、ねっかの取り組み
JGAP認証の自社圃場を所有原料の安心安全を確保
JGAPとは、農業における食品安全、環境保全、労働安全など持続可能な農業につながる生産工程管理の取り組みのこと。土壌、水、米の検査をし、科学的にも安全な環境で農業をしていることを証明するものです。持続的な農畜産物の生産には、土・水・気温といった自然環境への対応も欠かせません。JGAPの認証プログラムを通して、世界共通の目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」への取り組みも行っています。酒蔵がJGAP認証を受けるのは、全国的にも非常に珍しいこと。ねっか奥会津蒸留所では、JGAP認証の田圃で栽培された原料米のみを使用。また、肥料メーカー『片倉コープアグリ』が開発したノンプラスチック肥料を使用し、環境負荷をかけない安心安全なお米でお酒をつくっています。
蒸留所のすべての電力を再生可能エネルギーに変更!
2023年5月から、ねっか奥会津蒸留所で使用するすべての電力は、東北電力様の発電時にCO2を排出しない、再生可能エネルギー電源を使用した電気に切り替わりました。蒸留機は化石燃料を使用したボイラーのため、蒸留時にはCO2が出ますが、蒸留方法を減圧蒸留にすることによってCO2排出量の削減に取り組んでいます。日本が様々な災害や環境問題を抱える今、私たちの取り組みが課題解決に向けた一助になればと考えています。
合同会社ねっかの地域つくりに対する主な受賞歴
2022年 日本農業賞食の懸け橋部門 特別賞受賞
2021年 FUKUSHIMA NEXT 福島県知事賞受賞
2021年 六次産業化アワード食料産業局長賞受賞
2020年 第5回ふくしま産業賞銀賞受賞
2019年 新しい東北復興ビジネスコンテスト大賞受賞
2019年 ふくしま地産地消大賞受賞
<本件のお問い合わせ先>
合同会社ねっか
TEL:0241-72-8872
Mail:info@nekka.jp
〒968-0603 福島県南会津郡只見町大字梁取字沖998
ホームページ:
https://nekka.jp/
Facebook:
https://www.facebook.com/nekkallc/
Instagram:
https://www.instagram.com/nekkallc/